他人に与える影響について
「ボクは○○君です!よろちくね♪」ご近所さんが自身の愛犬をこのように紹介してきたとき、みなさんはどんなふうに感じるでしょうか?同じく犬を飼っている方なら、犬を擬人化した言動にも違和感は少ないかと思います。それでもやはり、少し対応に困ってしまうこともありますよね。
この事例は実際に私の知人が遭遇したシーンで、その知人は「どう返事して良いのか焦った」と言っていました。犬を飼っておらず、むしろ猫派!な知人からしてみたら、そのご近所さんのテンションについていけずに困ってしまったのでしょう。
このように、愛犬を擬人化して我が子のように扱う言動は相手に違和感のようなものを与えてしまうこともあります。さらに、相手にも同じく愛犬を人間の子供のように扱うことを要求してしまうと、その相手は対応にとても困ってしまいます。
犬を「赤ちゃん扱い」することについて
愛犬に対して「赤ちゃん扱い」をすることも、愛犬との関係性やしつけ面に影響を与える恐れがあります。特に小型犬は容姿も可愛らしく、抱っこして守ってあげたくなる存在です。実際、犬は人間の赤ちゃんのようにトイレのお世話が必要ですし、遊びやスキンシップの時間が大切です。
犬を甘やかしすぎるリスク
しかし、犬を赤ちゃんのように扱って甘やかしすぎてしまうと、
- ワガママが通ると誤認する
- 飼い主さんの指示を聞けなくなる
- 一人でいられなくなる(分離不安)
など、飼い主さんと愛犬との関係性や犬の精神面に悪影響を及ぼす恐れがあります。犬の自立心を損なうような接し方や、何でもかんでも甘やかしてしまうような接し方はしないようにしましょう。
犬にはちゃんと自立心がある
犬の知能指数は、大体人間の2~3歳児相当であると言われています。人間の子供の2~3歳はまだまだ自分の力では生きていけない年齢ですが、犬は2歳にもなればれっきとした成犬です。人間の大人に比べると犬の知能指数が低いとはいえ、成犬は自立できる能力を持っているのです。
女性は愛犬と我が子を同じように認識している?!
ここで興味深い研究についてご紹介します。マサチューセッツ総合病院の研究チームが行った研究では、人間の女性は愛犬を見たときと自分の子供を見たときの脳の反応に共通点があるということが分かったそうです。
脳の活性化している部分を測定
この実験では犬を飼っていて子供がいる16名の女性を対象とし、愛犬、子供、他人、他人の犬を見たときのそれぞれの脳の反応を観測しました。16名のうち、実際に分析に使用したのは14名のデータです。この観測にはfMRIという、血流と酸素量の測定により脳のどの部分が活性化しているのかが分かる機械を使用しました。
愛犬と自身の子供を見たときに同じ部分が活性化していた!
この実験の結果、自分の愛犬と自分の子供を見たときに脳の同じ部分が活性化しているということが観測されました。これは他人を見たときや、他人の犬を見たときには見られなかった反応でした。同じ部分が活性化されていた結果となりましたが、愛犬を見たときと自身の子供を見たときには少し違いも見られました。
愛犬は「顔認識」子供は「関係性」が活性化
愛犬を見たときには「顔を認識する部分」がより活発になり、自身の子供を見たときには「繋がりや関係性にまつわる部分」がより活発となったそうです。研究者によると、犬は言葉を話さないため表情から犬の感情を読み取ろうとする意識が働いて「顔を認知する部分」が活発となったのではないか、との意見でした。
16名中14名の、すべて女性という少ないデータ数ではありますが、愛犬と自身の子供を見たときには脳の同じ部分が反応するというのは興味深い研究結果ですね。もしかしたら、このような脳の働きが「犬を子供扱いする」という行動に深く関連しているのかもしれませんね。
まとめ
私には子供がいないので、愛犬が子供代わりのような存在です。同じく我が子のように愛犬を愛しく思っている飼い主さんはとても多いのではないでしょうか。しかし、犬を擬人化して他人に接することや、犬を赤ちゃん扱いして甘やかしすぎることはそれぞれリスクもありますので、私自身も気を付けなければならないと改めて思いました。
もちろん愛犬は我が子のように大事な存在ですが、それと同時に良き友でもありたいと思います。愛犬の自主性や自立心も大切にし、良好な関係を築いていくことが大切ですね。
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名
20代 女性 ココア
一度飼ったら家族です。