なぜ、日本犬のしつけは難しい?
1.信頼できる人はたった一人だけ…
日本犬には、飼い主や家族には忠実な姿勢を見せるものの、他人にはなかなか心を開いてくれない、という特徴があります。家族の中でも、信頼できる人はたった一人だけ。選ばれた人のみが信頼される、なんてことがあります。
ママには従うけれど、パパには反抗し、子供たちのことは無視、なんてことも。信頼できるたった一人だけにしか従うことをしないため、ドッグトレーナーさんのいうことも一切聞かず、飛びかかったり咬みついたりなど、攻撃してしまうこともあるようです。
2.番犬として活躍してきた
現代に暮らす日本犬のほとんどは、室内で家族の一員として暮らしています。娘や息子のように、兄弟や姉妹にように、パートナーとして迎える方も多いのではないでしょうか。
しかし、ずっと昔の日本では、屋外で番犬として飼われている日本犬がほとんどでした。敷地内に侵入する者を見つけると、警戒し、吠えて知らせていました。農作物を荒らす野生動物を追い払うという役割も担っていました。そういった過去の暮らしから、室内で暮らす犬としてのしつけが難しいとされているのかもしれません。
3.気分によって態度を変える
信頼できる人はたった一人だけ…という一面を見せる一方で、その信頼できるたった一人だけの相手に対しても、気分によって態度を変えることがあります。しつけを行うとき、楽しそうにのってくれることもあります。賢さもあり、覚えることも早いです。
しかし、気分がのらないときは、プイッと無視し、目も合わせてくれないことがあります。しっかり覚えているはずなのに、簡単なオテやオスワリの指示も無視することがあります。しつけ方が悪かったかな?信頼を失ってしまったかな?嫌われてしまったかな?と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
4.独立心の強さ
日本犬は独立心が強く、人に対して依存することがない、とされています。一人きりのお留守番だって何の問題もなくできますし、分離不安になる犬は滅多にいません。自分の意思をしっかり持ち、自分で考えて行動し、気に入らないことは気に入らないとハッキリ言います。
気に入らないことに対しては、どんなに大好物のおやつを出されようと、従いたくないという姿勢を見せます。リビングでくつろぐ時間も、あまり飼い主や家族とベタベタ寄り添うことはありません。ちょっと離れた場所に自分だけのお気に入りスペースを持っていることがあります。
日本犬って、どんな犬?
日本犬には、「柴犬」「秋田犬」「紀州犬」「甲斐犬」「四国犬」「北海道犬」の6種があり、国の天然記念物として指定されています。そんな日本犬の性格の特徴には、警戒心が強い・頑固・我慢強い・勇敢・気性が荒い・愛情深いなどがあります。日本犬の中でも飼いやすいとして人気の柴犬は、コンパクトな身体が飼いやすさの理由のひとつです。
柴犬の性格の特徴は、独立心や警戒心が強く、勇敢に立ち向かうことができるということです。日本古来の狩猟犬としての性格が備わっています。身体を拘束されることが苦手なため、「抱っこさせてくれない…」と嘆く飼い主さんも多くいます。特に、身体を拘束されることが必要な爪切りや注射などのとき、絶叫して抵抗したり、大暴れしたりすることも多くあるようです。
日本犬のしつけのポイント
しつけが難しいとされる日本犬ですが、しつけに失敗しないためのポイントがあります。それは、「わがままを許してくれる相手にならないこと」「信頼されるよう、堂々とした姿を見せること」です。独立心の強い日本犬ですから、過剰に甘やかし、何でもわがままを許していると、興味を持たれることもなく、全く相手にされなくなってしまうかもしれません。
常に堂々と振る舞い、信頼できる姿を見せることで、その勇敢さを「この人になら従ってもいいかな…」と、認めてもらえるのではないでしょうか。
まとめ
日本犬はしつけが難しいといわれる理由には、
- 信頼できる人はたった一人だけ…
- 番犬として活躍してきた
- 気分によって態度を変える
- 独立心の強さ
など、日本犬の性格・特徴・歴史・暮らしなどが関係しているようです。しかし、現代を生きる中で、個体差も産まれています。他人に対して全く興味を示さない、日本犬らしい個体もいます。人が大好きで、愛想良く振る舞い、人にも犬にもフレンドリーな個体もいます。はじめは、不愛想な態度に寂しさを感じる飼い主さんもいらっしゃるようですが、いつの間にかトリコにされてしまうようです。