怖がりな犬とは
子犬を飼うとき、元気が良い子とちょっと大人しい子のどちらを選びますか?子犬なのだから元気が一番、という方と、元気すぎると困るので少し大人しい子がいいという方と様々かと思います。
大人しい子は確かに慎重で、あまり無茶な行動を起こさないため飼い主側からみれば手がかからない良い子といえるかもしれません。物事を慎重に考えて行動するため、危ないマネは自分から避ける傾向にありますし、一度注意すると次はその行動をやらないようにする、ちょっとでも自分が不安と思うことは避けるなど、いちいち言わなくてもちゃんとわかって行動してくれるため育てやすい子とも言えます。
しかし、大人しく慎重な子というのは、いざとなったら思い切りが良くなる思慮深い子の他に「本当に怖がりな子」が結構な割合でいるのです。「本当に怖がりな子」の場合、外的要因に対して非常に憶病で神経質です。人にも犬にも警戒し、聞きなれない音やにおいに対しても拒否をします。強い警戒心は強いストレスにもつながり、常に神経をとがらせていることで問題行動につながりやすくなるため注意が必要です。
怖がりな犬に飼い主はどう接したら良いか
神経質で憶病な子というのは、生来の性格ももちろん影響しています。成長の過程で上手に物事に対処する方法を学んでいけば、ちょっと慎重な子として行動できるようになりますが、成長しても憶病な子の場合は乳児期から成長期にかけて行われる社会化の過程で得られる経験が圧倒的に不足していると考えられます。
こういった場合、怖がる対象を無理に克服させようとせずに根気強く「怖くない、安心してよい」ということを教えてあげることが大切です。
飼い主として信頼関係を築く
怖くないことを教えるために、まず一番初めに心がけていただきたいのが、飼い主が安心できる存在であることを伝え続けることです。
憶病で怖がりな子はたとえ相手が飼い主であっても自分以外の存在は「怖い」のです。飼い主が不意に大きな音をたてたり、いつもと違う声を出したり、指示がいつも一定しなかったりといったこと一つ一つが、犬にとって強い不安の要因となります。
不安感が強くなるとそれだけで相当ストレスがかかり余計に心細くなったり怖くなったりといったことは、人間も同様ですよね。そんな自分を不安にさせる相手を信頼できるでしょうか。
信頼されるようになるには日々の積み重ねが必要です。犬をよく観察し、嫌がったり怖がったりするシチュエーションを理解してあげましょう。そして日頃から犬が嫌がることをしない、嫌がる状況を作らないように配慮し、安全・安心できる存在であることを少しずつ教えてあげてください。
安心できる避難場所をつくる
外飼いの犬もそうですが、室内飼いの犬も「自分の場所」と安心して潜れる場所があると心を落ち着けるのに役立ちます。小さなケージでもよいですし、室内の隅にちゃんと囲いをして犬が潜り込めるスペースを作ってあげてもよいでしょう。
ほとんどの犬はちょっと狭くて薄暗い穴の中が好きです。自分のにおいがたくさんあって、外敵に脅かされないところは安心して過ごすことができるので、部屋の中にそういった場所を用意してあげてください。ちょっと怖いことがあっても、そこに潜って自分を落ち着かせることができるようになります。
潜り込んだ犬を無理に出そうとするのは禁物です。自分が心を落ち着けて、納得してから出てくるまで飼い主さんは待ってあげてください。
まとめ
怖がりな犬の場合、初めてのことや場所に慣れるまでとても長い時間がかかります。しかし急がせるのはいけません。無理やり克服させようとすることで余計に強いトラウマを植え付けてしまう可能性もあります。
まずは飼い主がきちんと犬に寄り添って、理解してあげましょう。そして飼い主さんと一緒にいると安心できると理解してもらえるよう、きずなを結んでいくことが大切ですね。