犬が緊張するのはいけないこと?
新しい環境での人との出会い、初めての経験、苦手なことへの挑戦。人間であれば「緊張」するシチュエーションは様々あります。「緊張」とは心が引き締まって緩みがない状態。適度であれば人間の場合は良い緊張もありますが、犬の場合はどうでしょう?
犬の緊張とは?
犬が緊張するシチュエーションは、どちらかというと負の感情が湧いたときが多いようです。不安や恐怖、苦手と感じる対象との接触などから緊張してしまうことが多々あります。ただし、初めて行く場所や初めて見る物、また初対面の人や動物などと会うときに緊張するのは悪いことではありません。
未知の物に対しての緊張感はあるものの、好奇心も沸いているはず。未知の物に対して好意を持てるようになる経験を何度か繰り返すことができれば、初見の物に対しての緊張感は減るかもしれません。
いっぽう愛犬が強い恐怖感や不安感から緊張状態が続いてしまうのは、ストレスになり身体にも悪い影響が出てしまう危険性もあります。愛犬がどんなシチュエーションで緊張し、その緊張がどんな行動や仕草に表れているのかチェックしてみましょう。
犬が緊張するシチュエーション5つ
1.動物病院
犬にとって、動物病院は「家族ではない知らない人(獣医さん)」と接触する場所。時には痛い注射もしてきます。獣医さんが自分の健康を守ってくれている、病気を治してくれてるという認識はもちろん犬にはありません。よっぽど人懐っこいタイプでなければ、多少なりとも不安を感じる場所なのはないでしょうか。
動物病院に着くなり緊張して固まってしまう子もいれば、恐怖感から攻撃的に吠えてしまう子もいるようです。あまりにも攻撃的だと診察や治療を受けられなくなってしまうので、子犬の頃から健康診断などで動物病院に慣れておくことをお勧めします。
2.苦手な人や動物がいるとき
苦手な人や犬などの動物と会ったときも、気持ちが落ち着かず緊張することがあるようです。多くの人や犬などの動物と会う頻度が高いのは上記のも書いた動物病院。またドッグランやサロンなどにもたくさんのワンちゃんがいますよね。
おとなしくしていたとしても、頻繁に鼻を舐めたり、あくびをしていたりしたら緊張のサイン。あくびや鼻を舐める行為は、緊張した気持ちをほぐすための仕草といわれています。
3.初めての場所に行ったとき
初めて行く場所に緊張するのは人間も同じですよね。上記にも書いたように悪い緊張感だけでなく、好奇心も伴った緊張感を持つ子が多いと思います。初めての場所に対して緊張しているときは、とにかく床のニオイを嗅ぎます。犬はニオイから非常に多くの情報を収集するため、ニオイを嗅いでこの場所が安全な場所なのか確認しています。気持ちを落ち着かせるための行為でもあるので、無理やり止めさせることなく、優しく見守ってあげましょう。
4.高い場所に乗せられたとき
高いところを苦手と感じる犬はとても多いようです。犬は野生時代から木に登る習性がなく、地面の土を掘り巣穴を作り、その中で生活をしていました。基本的に低い場所で生活していたため、身体の構造も高いところから飛び降りたときに、上手に着地できるようなしなやかさもないようです。
動物病院の診察代やサロンのトリミング台に少し高さがあるのは、犬が高さに緊張し動き回るのを制限するためだとか。何だか少し可哀想な気もしますが、確かに緊張して身体が固まってしまっている子もいますよね。また、飼い主さんに助けを求めるように、しょんぼりした表情で見つめてくる子もいるのではないでしょうか。
5.大きな音がしたとき
大きな音に怯える犬もとても多いですよね。代表的なのが工事音や花火大会、雷などではないでしょうか。犬の聴力は嗅覚の次に凄れた五感と言われ、私たち人間には聞き取れない音が聞こえているのはもちろん、私たちが全く気にならないような音でも、犬にとっては「大きな音」「不快な音」として聞こえていることがあるようです。
犬にとって「苦手」と感じる音が聞こえてくると、恐怖感からの緊張で身体が震え、物陰に隠れてしまうこともあります。なかには恐怖感が強すぎて、パニック状態になり暴れだしたり、外に逃げ出そうとしてしまったりする子もいます。飼い主さんが優しく寄り添ってあげることも大切ですが、できるだけ大きな音が聞こえない環境づくりを心がけましょう。
まとめ
日々、愛犬と過ごしていると愛犬の好きなもの苦手なものを、何となく把握できている飼い主さんも多いと思います。犬の緊張のサインは、あくびをする、鼻を舐める、身体を掻く、手足を舐める、身体をブルブルと振るわせるなど。どれも日常的に見られる仕草だと思いますが、頻度が高いときは緊張やストレスを表していることが多いようです。極度の緊張はストレスから体調不良にも繋がりかねないので見極めてあげましょうね。