犬が子供を嫌いになる理由
ビックリさせられるから
子供は元気いっぱいなので、突然大きな奇声を上げたり、犬を追いかけまわったりしてしまいがちです。そして、犬に対しての好奇心によっていきなり触ったり、しっぽを引っ張ってしまったりしてしまうことも。犬は大きな音やいきなり触られるなど「ビックリすること」が苦手なので、予測不能な動きをする幼い子供に苦手意識を持つわんちゃんも多くいます。
意思疎通ができないから
子供も10歳くらいになれば理性も強くなりますので、犬との正しい接し方も分かってきます。しかし、幼い子供の場合は「犬にも感情があること」を理解できません。犬は人間とコミュニケーションをはかろうとしますので、意思疎通の難しい子供が怖い存在になってしまうことも原因の1つです。「動く可愛いぬいぐるみ」として扱われてしまうのは、犬にとって最大の恐怖です。
「お構いなし」だから
子供はやんちゃなので、犬のおもちゃを奪ってしまうこともあります。お気に入りのおもちゃを取られてしまうと、わんちゃんも怒ってしまうこともあります。そして、子供は力加減もまだわからないため、思いっきりしっぽを引っ張ったり体を叩いたりしてしまうこともあります。このように、子供は「お構いなし」な接し方をしてしまうことがあるため、犬にとっては不快な存在になってしまうのです。
飼い主さんを取られたと嫉妬するから
飼い主さんのお子様である場合、愛犬の嫉妬心が原因でお子様に苦手意識や敵意を持ってしまうこともあります。幼い子供はどうしても目が離せませんし、1日中お世話をしなくてはいけません。愛犬を構ってあげる時間が少なくなってしまうと、犬が「お母さんを取られた!」と思って嫉妬してしまう原因となります。
犬の子供を守るという使命感
赤ちゃんに寄り添う犬
すべての犬が子供嫌いというわけではありません。犬は人間の赤ちゃんに対して「守るべき存在」という認識を持っていることも多いです。赤ちゃんが産まれたご家庭では、愛犬が寝ている赤ちゃんをかいがいしくお世話しようとしたり、ピッタリ寄り添って守るように眠ったりする行動を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
犬の本能によって、か弱い赤ちゃんを守ることに使命感を持つわんちゃんも多くいます。逆に、赤ちゃんに触ろうとした飼い主さんやご家族に対して威嚇してしまった、なんてこともあります。
イタズラされてもガマンできる
もともと温厚なわんちゃんの場合は、ちょっと強く触られたり足を踏まれてしまったりしてもガマンできる子もいます。それはわんちゃんが子供を家族と認め、守っていこうと頑張ってくれているためです。犬は痛くないわけではなく我慢しているだけなので、飼い主さんがその都度見守ってあげることが大切です。
愛犬が子供と接するときの注意点
1.仲良くすることを強要しない
子供が苦手なわんちゃんの中には、特定の子供だけではなく「世の中の子供が苦手です!」という子もいます。子供が近くに来ると逃げてしまったり、明らかな拒否の行動を見せたりする子もいます。子供が苦手な犬には、無理に子供と触れ合わせて仲良くさせようとするのはNG行為です。子供に苦手意識を持っているわんちゃんの場合は、子供と良い距離感を保つことが大切です。
2.飼い主さんの監視下で触れ合わせる
やんちゃ盛りのお子さんや幼い赤ちゃんの場合は、必ず飼い主さんが見ているところで触れ合うようにしましょう。子供の身体は小さく皮膚も柔らかいため、犬が咄嗟に攻撃的になってしまうと大ケガをする危険性があります。
3.犬の動きを制御する
愛犬のお散歩中、公園で知らない子供たちに囲まれることが多々あります。私が出会ってきた子供たちは幸いにもみんな丁寧に犬と接してくれる子だったのですが、子供が「触っても良い?」と言ってきたときには、必ず犬のマズルを持って抑制するようにしています。
どんなに温厚な子であっても犬は動物ですので、不意に攻撃的になってしまうこともあるためです。子供が苦手なわんちゃんの場合は、子供が近くに来たときにリードを短く持ったり場所を移動したりして、そもそも子供に近付かないようにすることも重要です。
4.子供=おやつがもらえると紐づける
子供の姿が見えたときに、おやつを与えることも子供嫌いを緩和する1つの方法です。「子供が近くに来る=おやつがもらえる=良いこと」と紐づけて認識することが目的です。これも無理をせず、どうしてもダメな場合は子供との距離を保つことが大切です。
5.愛犬をないがしろにしない
赤ちゃんが産まれると、お母さんの時間のほとんどが赤ちゃんへ注がれます。今までは自分が主役でお母さんの愛を独り占めしていたのに、いきなり自分がないがしろにされてしまうと愛犬の大きなストレスとなります。嫉妬心からのストレスによって、注目されたいがために問題行動を起こすこともあります。もちろん赤ちゃんがお世話を最優先ですが、愛犬と触れ合う時間もできるだけ多く取るようにしてください。
まとめ
海外のホームビデオでは、大きな犬が小さな子供と仲良く穏やかに過ごしているものがたくさんあります。泣いてしまった子供をすかさず慰めに行く犬の動画もあって微笑ましいですよね。
しかし、わんちゃんの中にはどうしても子供が苦手な子もたくさんいます。犬はビックリすることや感情を無視されることが苦手なので、子供は予測不可能な行動を取る幼い子供に苦手意識を持ちやすいです。また、お母さんを取られてしまったという嫉妬心による場合もあります。
本当は仲良くしてほしいのですが、その場合は無理に仲良くさせようとせず、自然体で良い距離を保つことも大切です。ご家庭では飼い主さんの目の届くところで触れ合わせ、お散歩中に子供と遭遇してしまった際にはリードを短く持ったりその場を離れたりして、犬と子供との接触事故を防ぎましょう。