犬は“自分の気持ちを理解してくれる人が好き♡”
よくある例をあげてみましょう。ほとんどのお世話を担当しているお母さん。たまに遊んでくれるだけのお父さん。犬が好きなのは、どっち?
なぜか、たまに遊んでくれるだけのお父さんの方が好き、というワンちゃんがいますよね。
撫でてと言われればお腹を撫で、抱っこしてと言われれば抱っこをし、背中をかいてと言われれば背中をかき、こんなに愛情を持ってお世話をしているのに…私が呼んでも来てくれない…と嘆くお母さん。
なぜ、この犬は、お母さんとお父さんとで好き嫌いをするのでしょう。それは、お母さんよりもお父さんの方が自分の気持ちを理解してくれているからです。
1.犬の気持ちを尊重できる人が好かれる
犬は生き物です。飼い主さんの思い通りになんてなりません。飼い主さんがひどく疲れているときに、構って!としつこく甘えてくることもあります。体調が悪くて寝込んでいるとき、お散歩に行こう!と吠えて騒ぐこともあります。愛犬からあまり好かれない人は、愛犬が自分の思い通りにならないとき、感情的に叱ってしまったり、イライラして追い払ってしまったり、心のどこかで“思い通りにしたい”と考えている人です。
一方で、愛犬から好かれる人は、愛犬の気持ちをよく理解しようとし、尊重できる人です。ひどく疲れていても、体調が悪くて寝込んでいても、遊んでとせがまれれば遊び、お散歩に行こうとせがまれれば行きます。愛犬を格下の者として扱うのではなく、“対等な関係でいよう”と考えている人です。
2.甘やかしとは全く違うということ
犬のワガママを何でもかんでも聞いてあげることは過剰な甘やかしですが、犬の気持ちを理解し、尊重し行動することは、甘やかしとは全く違います。「思いやり」という言葉がぴったり当てはまるのではないでしょうか。
3.お世話を義務化しない人が好かれる
愛犬のお世話をどんな気持ちで行っているでしょうか。冒頭でよくある例をご紹介しましたね。ほとんどのお世話を行っているお母さんは、部屋が抜け毛で汚れてしまわないよう、こまめにブラッシングをしています。ブラッシングだけではなく、お散歩の後の手足を洗ってあげたり、排泄の後のお尻周りを洗ってあげたりすることもします。
犬が汚れてしまうと部屋も汚れてしまいますし、ニオイも気になりますし、シャンプーの回数も増やさなければならないかもしれません。
一方、愛犬に好かれているお父さんはどうでしょう。ブラッシングを愛犬とのスキンシップやコミュニケーションだと考えています。どのようにブラッシングしてあげると愛犬が喜んでくれるのか、よく理解しています。部屋が汚れないように、犬臭くならないようになど、お母さんのように愛犬のお世話を義務化していないんです。
お世話が義務化するかしないかも、犬の好き嫌いに関係してきます。義務化してしまうと、どうしても“面倒だな…”と心のどこかで感じてしまうときがありますよね。
4.「従わせる」と「信頼される」の違い
自分に従わせようとする人を犬は嫌います。おやつを使って従わせようとする人もいますが、それは、おやつが欲しいだけです。一時的に従ったように感じられるだけです。犬は信頼できる人には自然と従います。おやつがなくたって、従います。その人のことが大好きだからです。
「私の方が良くしてあげているのに!」と、犬を上手くコントロールすることができないことに腹を立ててしまうような人が、犬と良い関係性を築けるはずがない、ということは理解できますよね?従わせようとすると、どうしても犬に不安や恐怖や緊張を与えてしまうからです。従わせようとする人にも従いますが、それは、不安や恐怖から逃れるためでしかありません。
まとめ
犬が人に対して『好き嫌い』をする理由について、
- 犬の気持ちを尊重できる人が好かれる
- 甘やかしとは全く違うということ
- お世話を義務化しない人が好かれる
- 「従わせる」と「信頼される」の違い
この4つをテーマに解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか。
犬は人間が思うほど、上下関係を重んじていません。むしろ、理解していないかもしれません。自分より上だとか下だとか、そんな概念もないかもしれません。ただ、「自分の気持ちを理解してくれる人が好き」という気持ちは、犬にも人間にも共通している感情なのではないでしょうか。