初日からやるべきこと
信頼できるかかりつけ医を見つけておくこと
これは初日といわず、子犬を飼育することが決まったらすぐ行うべきことでしょう。犬を連れてきたその日のうちに具合が悪くなる可能性もゼロではないからです。
子犬は体力がなく、飼育環境が激変するとそれだけで体調を崩すことがよくあります。吐いたり、下痢をしたりする子は意外と多く、初めて子犬を飼う場合は飼い主さんの方がパニックになってしまいがちです。このようなことが起こるかも、とかかりつけの獣医さんを見つけておくと、それだけでも安心することができますね。
体調の変化に対応してもらえるだけでなく、かかりつけの獣医さんを見つけておくとその後の手続きの流れがスムーズに行えるという利点があります。また、飼い始めたら「何かあってから獣医さんに診てもらう」ではなく、まず基本的な健康診断がてら獣医さんに診てもらうことが大切です。
ワクチン接種
犬にも伝染病があり、感染すると重篤な症状を起こしたり場合によってはあっさり死んでしまったりすることがあります。子犬が母犬から受け取る母子免疫は2か月ほどで効果が薄れるため、各種伝染病予防のための混合ワクチンを打つことになります。
生後2か月で1回目、3か月過ぎたあたりで2回目のワクチンを打つことで、そこからおよそ1年の間免疫が働くようになります。犬によってはこの免疫が3年ほど続く子もいるようですが、中には1年持たない子もいるようですので、心配な方はワクチンの前に抗体検査をすることをお勧めします。
ちなみに混合ワクチンには2種混合、3種混合、5種混合、や8種混合など、いくつかの種類があります。体調や生活環境に応じて獣医さんと相談をしてくださいね。
狂犬病予防接種
日本は狂犬病の清浄国といわれていますが、油断は禁物です。飼い犬に発症がないだけで野生では「ない」とは言えないのです。飼い主さんは1年に1回の狂犬病予防接種を愛犬に受けさせる義務があります。そのため、犬を飼うと同時に自治体で畜犬登録をする必要が発生します。
多くの場合、犬を飼い始めて健康診断をしに獣医さんへ行くと狂犬病の予防接種をすることになり、そのときに同時に動物病院が登録の代行をしてくれるでしょう。または狂犬病の予防接種証明書を発行してもらい、保健所で登録を行ってください。
この登録をすることで自治体は地域の犬の数を把握し、飼い主の責任によって予防接種を受けさせるよう指導し、公衆衛生に努めることになります。登録を行うと金属プレートの鑑札が配られ、毎年予防接種の案内が届きます。
してはいけないこと
子犬を連れてきた初日は、家族もかわいい子犬に興奮して撫でたり呼んだり、遊ぼうとしたりと、ちやほやかわいがろうとしがちです。しかし、これが一番やってはいけないことなのです。
連れてこられた子犬にとっては全くの知らない人たち、全くの知らない部屋、においで訳が分からない状況であることが多く、環境の変化でぐったりと疲れてしまっているでしょう。人間でも進学や就職などの初日は特に何も運動しているわけではないのに、1日が終わるとぐったり疲れたりしませんか? 体力のない子犬であればなおさらです。
いきなり知らないところへ連れてこられ、子犬はとても混乱して疲れています。連れてきた初日はとにかく休ませることを重点におき、あまり触ったり撫でたり抱き上げたりせずにそっとクレートの中など、安心できる寝床を作ってそこに寝かせておいてあげましょう。
まとめ
子犬はぬいぐるみではなく生き物です。生き物を新たに家族に迎え入れる場合、彼らの体調に気を配り健康管理をしっかりと行うことが大切でしょう。そのためにも家に連れてきたその日から、余計な病気やストレスで犬を苦しませないように配慮してあげたいものですね。