「ひっつき虫」って何?
犬が散歩中に草むらに飛び込み、そこから出てきた瞬間、体中にひっつき虫がついていてギョッとしたことがある飼い主さんは多いでしょう。
また、散歩から帰ってひっつき虫が取れず困った経験をしたことがある人もいることでしょう。そもそも、この犬の体や洋服にくっついてなかなか取れないひっつき虫とは何なのでしょうか?
ひっつき虫またはくっつき虫などと呼ばれる、それは植物の種です。元々は動物の体にひっつくことで遠い場所にも運ばれるように進化した種子や果実。植物がこのような方法で自身の繁殖を広めることを動物散布と呼び、様々な植物に見られるものです。
これらの種子がひっつき虫などと呼ばれるようになっていますが、その種類は日本だけでも50以上あると言われています。動物につくための方法や特徴はそれぞれ異なりますが、どの植物にも言えるのがとにかく取りにくいということです。
身近なところにあり、犬の体などについてくることも多いひっつき虫の代表格が「オナモミ」と「センダングサ」です。オナモミは楕円形の小さな実でまわりに果苞と呼ばれるカギ型になった太い腺毛がたくさんついています。
小さな子供などが投げて洋服などにつけ合って遊ぶこともあり、犬の体についても比較的取りやすいひっつき虫です。センダングサは2cm程の細長い種子で先端は返し針のような細かいトゲがついているため、一度つくと取るのが大変なひっつき虫です。
犬の体についた「ひっつき虫」の取り方
スリッカーやコーム
犬の体についたひっつき虫を取るのに効果的な方法が、スリッカーやコームで毛をとかすようにして取るというものです。スリッカーは毛のもつれをほぐしたり毛玉を取ったりする際に使用するブラシのため、細いアンダーコートなどに絡みついたひっつき虫を取るのに効果的です。
表面についているものやオナモミのようにある程度大きなひっつき虫の場合は、目の整ったコームや先端に玉のついたブラシでも十分取れると思います。スリッカーは扱いを間違えると犬の皮膚を傷つけたり痛みを与えてしまったりすることがあるため、使い慣れていない場合などはコームで取ることをおすすめします。
水で濡らす、洗い流す
コームなどを使ってもひっつき虫が取れない場合は、軽く毛を濡らしてからブラッシングをすると効果的です。濡らすことで毛がまっすぐになったりすべりがよくなったりする毛質の犬の場合は、特に濡らしてから手ぐしやコームなどで取るようにするとスムーズです。
また、あまりにも多くのひっつき虫がついてしまっている場合はシャンプーなどを使って洗い流してしまった方が早いと思います。
毛をカットする
特に毛足の長いペットは、ひっつき虫がくっつきやすく毛に絡んで取りにくくなります。ペットの見た目があまり気にならないのであれば最終手段として、ひっつき虫のついた部分の毛をカットしてひっつき虫を取り除くか、思い切って全体的に毛を短くしてしまう方法もあります。
「ひっつき虫」をつけないための予防・対策
オナモミやセンダングサなどのひっつき虫は、日本中あらゆるところで見る植物のため、散歩で完全にそれらを避けるというのは難しい場合もあるでしょう。また、周辺環境によっては大量に発生している場所や時期もあると思います。そう言った場合はできるだけひっつき虫がつかないように予防や対策をしておくといいと思います。
犬の体にひっつき虫をつけないための予防・対策として手軽なのは、犬に洋服を着せて散歩にでることです。洋服についたものであれば叩いて払ったり、粘着テープで取ったりすることもできるため、犬の体についた場合に比べて処理が簡単です。
さらに、レインコートなどつるつるとした生地の洋服であれば、よりひっつき虫がつきにくいためおすすめです。
また、犬の毛にペット用のケアオイルなど塗っておいてあげると毛のすべりがよくなるため、ひっつき虫がつきにくく、ついたとしても簡単に取りやすいと思います。
まとめ
ひっつき虫は身近にある植物のため、目にすることや犬の体についてしまうことはよくあることだと思います。ひっつき虫自体に害はありませんが、放っておくと皮膚を痛めてしまうことなどもあるので、見つけたらできるだけすぐに取るようにしましょう。
一度つくと簡単に取れないひっつき虫ですが、スリッカーやコームなどを利用すると手で取るよりもすばやく処理することができると思います。また、犬に洋服を着せたり、毛にオイルをつけたりするなどして、ひっつき虫がつきにくいよう対策をしてあげるのもいいでしょう。