1.表情があどけない
シニア犬になると成犬の時より、無垢な顔つきになる?
歳を取ると、筋力が衰え全体的に肉体の形が垂れてきます。表情筋も同様で、若いころよりも目元や口元が垂れて来て、表情も鈍くなります。
それなのに、心は子犬のころと変わらず、飼い主さんや家族のことが大好きで、話しかけられたりすると、瞳の中にキラキラとした生気が戻ります。その表情の穏やかな変化がシニア犬独特の魅力と言えます。
2.動作がゆっくりゆったりとし、ヨチヨチ歩きの子犬を連想させる
緩慢な動作が愛しい
歩き始めた子犬がヨチヨチ歩きをするように、筋力が衰え、関節にもなんらかの障害が出始めたりする老犬は、全ての動きがゆったりゆっくりとしています。その緩やかな動きは、子犬のようでもあり、テーマパークのぬいぐるみのようでもあり、とても愛らしい姿です。
3.眠っている姿が幸せの権化
満ち足りて、安心しきって…
老犬になると、若いころよりももっと睡眠時間が増えます。寝心地の良い場所で、心身ともに満ち足りて、大好きな飼主さんの側で
安心しきって穏やかに眠る姿は、まぎれもなく、私たち飼い主が愛犬に与えた幸せと愛情そのものです。
「愛を与えられ、それを受け止めて満ち足りた老犬の寝姿」は、私たち飼い主の心を幸せいっぱいで温かな気持ちで満たしてくれます。
4.ごはんを完食してくれるだけで安心する
食べる量や質が日々、変化する
老犬になると、どうしてもなんらかの疾病を抱えることが多くなり、若いころよりも健康管理に気を配らなければならなくなります。食事の量や質によって、排便、排尿の量やニオイなどもしっかり観察する必要があります。
健康を維持するために用意した食事をキレイに食べてくれた…それだけで命が伸びていくような気がして、安心します。
5.かけがえのない存在であることを日々感じさせてくれる
ぬくもりも、ニオイも鳴き声も全部大好き
子犬から成犬のころは、別れが来る日のことはまだ遠い遠い未来のことでいつか、永遠に触れること、声を聴くこと、並んで歩くことが出来なくなる日が必ず訪れることは覚悟はしているけれど、あまり現実味を感じることはないと思います。
けれども、老犬になると、一緒に過ごせる時間が砂時計の砂が確実にサラサラと落ちてどんどん減っていくのを感じるようになります。最期の瞬間まで幸せでいさせてあげたい…そう思うと、愛犬への愛は尽きることがありません。
いつからがシニア期?
「シニア期」と言われる時期は、個体それぞれに違う
「シニア期」に関しては、「~歳からがシニア期」と明確に決められているワケではありません。人間でも元気で活発な60歳と病気がちな60歳とでは、見た目も体力も違うのと同じように、犬も個体それぞれに老化のスピードは違います。
とはいえ、小型犬と大型犬では明らかに寿命の長さが違います。小型犬の平均寿命は10~13年、大型犬の平均寿命はおおよそ8~10歳ぐらいと言われています。
それを踏まえて「シニア期は何歳からか?」と、考えてみると、小型犬なら10歳を超えたら、大型犬だと6歳を超えたら、食事、居住環境など、シニア期を迎える準備に取り掛かりましょう。
シニア期を迎えた犬の身体的変化
歯が抜けやすくなる
歯周病などが原因で、歯が抜けるやすくなります。特に小型犬で多くみられる現象です。
お腹を壊しやすくなる
消化器官の働きが若いころよりも悪くなるため、ストレスや食べなれないものを食べた時にお腹を壊しやすくなります。
体臭が強くなる
新陳代謝が落ちるため、体の中に老廃物が溜まりやすく、また、皮脂が酸化しやすくなるため口臭や体臭が強くなります。
なぜ、老犬はこんなにも愛おしいのか?
一緒に重ねてきた日々の思い出がたくさんあるから
家族として暮らしてきた時間の中で、愛犬と共に積み重ねてきた思い出がたくさんあると思います。残された時間は、あまり多くない…そう思うと、特別なことでなくても、日々の生活の中の何気ない出来事がとても大切に感じるようになります。
命の大切さを教えてくれるから
この世に生を受けた者には、等しく死が訪れます。愛しい家族と別れ、たった一人で旅立っていく日が必ず来ます。そして、今、若さと生命力に満ち溢れている若者も、いずれは歳を取り、容姿も体力も衰えて、少しづつ弱っていき、やがては命が尽きるのだ、と言うことを
老犬たちは身をもって私たちに知らしめてくれます。
命には、限りがある。だからこそ、大切に大切にしなければならない…と誠実な人間なら誰でも知っているはずのことを、体現しているのです。
誰かを心から慈しむ気持ちを感じさせてくれるから
人間生きていれば、時にとても孤独を感じることがあります。仕事で孤立したり、家族間でも意見が食い違っていがみあったり、仲が良かった友達と誤解や価値観の違いで疎遠になったり、険悪になったり…。
そんな時でも、私たちが心から愛情を注いで、共に生きてきた愛犬は私たちを決して変わらない真実の愛情を与えてくれます。自分本位でなく、自分以外の誰かを慈しむことで得られる心の豊かさを老犬たちは教えてくれます。
まとめ
ご承知の通り、犬や猫は私たちよりもずっと早く歳を取り、命の終わりを迎えます。大切な家族として生涯を過ごし、「このおうちの子になれて幸せだった」と思って貰えたら、別れがどんなに辛くても、飼い主としては胸を張って、虹の橋を渡る子を見送れるような気がします。
けれども、愛情が深ければ深いほど、別れが近づいてくることを日々、感じるのは辛いことでしょう。だからこそ、老犬の魅力に気がつけば、おだやかな寝顔、満ち足りた表情、赤ちゃん返りしていく愛犬と過ごす時間を、愛に満ちた時間としてしっかりと一日一日の出来事を心に焼き付けて、じっくりと噛み締めて過ごせるようになるかも…知れません。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 ふうちゃんママ
うちの黒柴犬も今年11歳になります。
最近子ども返りなのか以前より良く甘えてきます。小さい頃に逆戻りしたようで可愛く、しかも動作は日に日に穏やかになって来ました。
しかも寝ている時間が前より増えてきています。手が空いた時には寝ていたりしてなかなかタイミングが合わずちょっと寂しい気がします。でもとっても幸せそうな寝顔を見ていると、私もとっても幸せな気持ちになれます。
歳をとった今、若い時より可愛くて仕方ありません。
毎日砂時計の砂がさらさらこぼれ落ちる様に愛犬は1年に約4歳も歳をとる中このなんだかじんわり湧き上がってくる愛おしさを日々感じて暮らしている今が自分の人生と愛犬の余生にとって最高の時なんじゃないかな。と思います。
お仕事や家事に忙しい今こそ!皆さんもどうか愛犬の為に例え何分かでも時間を共有してあげてくださいね。
私たちはゆっくり歳をとりますが、歳をとった彼らにはもう時間が無いのです。