1.豚肉
人がよく食べる豚肉は生で食べると危険だといわれていますよね。これは人に限らず犬にも同じことがいえます。豚肉には寄生虫と細菌などがたくさんいるので、生で食べると体に様々な悪影響を与えてしまうからです。例えば……、
- サルモネラ属菌
- カンピロバクター
- E型肝炎ウイルス
- トキソプラズマなどの寄生虫
といった体に悪影響を与える寄生虫や細菌が数多く潜んでいるのです。加熱しないで生のまま豚肉を食べてしまうと、これらのものが生きたまま体内に入り込んで悪さをする可能性が非常に高いといえます。
寄生虫や病原菌の影響を受けてしまうと、『食中毒』や『寄生虫によるさまざま症状(けいれん・脳に障害がでるなど)』といった症状を引き起こしてしまうことになってしまいます。生で豚肉を食べさせるのはとても危険ですので、絶対に加熱してから与えるようにしてくださいね。
2.鶏肉
鶏肉はさしみ用のものが販売されていますし、人によっては「犬に鶏肉を与えるときは生が良い」といった意見もり、鶏肉は加熱しないで犬に与えても良いと思われがちですが豚肉同様、生で食べさせるのはかなりリスクがあるといえるでしょう。
生の鶏肉も豚肉同様にサルモネラ属菌やカンピロバクターといった食中毒の原因となる細菌が潜んでいます。もし食中毒になってしまうと、下痢や嘔吐、発熱や脱水といった症状が引き起こされることが多いそうです。
また、意外と知らない人が多いのですが、カンピロバクターが鶏肉に付着している場合、生のまま犬に与えると体に麻痺症状が出てしまうことがあるそうです。酷い場合だと命を亡くしてしまう危険性もあるそうなので、こういった理由からも生で鶏肉を食べさせるのは止めた方がいいといえるでしょう。
ちなみに刺身用(生食用)として販売されている鶏肉でも、人や犬が食中毒になるケースが少なからず報告されていますので食べるときはキチンと加熱してから食べることをおススメします。
3.卵
卵も生で与えてはいけない食べ物となります。もう少し具体的にいいますと、卵の”白身”が犬に悪影響を与えるそうです。白身(卵白)には『アビジン』というたんぱく質が含まれているのですが、このアビジンによって『ビオチン』という成分が体内に吸収されるのを邪魔してしまうそうです。
体内のビオチンが大幅に不足してしまうと『ビオチン欠乏症』になってしまい、脱毛や皮膚炎といった症状を引き起こすことが多いそうです。またビオチンは神経や免疫力にも関係している栄養素となるため、ビオチン欠乏症になることで他にも体に悪影響を与えてしまうことが考えられます。
白身部分は加熱すれば犬に食べさせても大丈夫となりますので、卵を与えるときは加熱してから食べさせるようにしてくださいね。
また、卵の殻にサルモネラ菌などが付着してしまうことがあります。これも食中毒の原因になりますので、卵の取り扱いには注意しましょう。
4.魚
魚も生で食べさせるのが良いといわれることがありますが、お肉と同様に寄生虫や細菌がたくさん潜んでいますから生で食べさせるのは危険となります。
例えば、『アニキサス』という寄生虫の名前を一度は聞いたことがあると思います。このアニキサスはサーモン、サバ、カツオ、アジなどたくさんの魚に寄生しているので生でこれらの魚を犬が食べてしまうと、アニキサスによる食中毒を発症してしまう可能性があります。
特に川魚は寄生虫が体内に潜んでいる可能性が非常に高いですから与えるときは加熱してから食べさせる必要があるといえるでしょう。また、淡水魚には『チアミナーゼ』という成分が含まれていることが多く、このチアミナーゼは体内のビタミンB1を破壊してしまうそうなのです。
ビタミンB1が大きく不足してしまうと『ビタミンB1欠乏症』になってしまい、ふらつきや歩行障害、嘔吐や痙攣、神経障害といった症状が出てしまうそうです。とても危険な症状となりますので、魚を与える場合は加熱させることが大切といえますね。
まとめ
今回は加熱しないで犬に与えると危険な食べ物を4つご紹介しましたが、これらの食材は生で与えるととても危険なものとなりますが、加熱すれば安全で栄養豊富な食材になるものばかりといえるでしょう。
ちなみに鶏肉や魚(さし身)は生で与えても大丈夫といわれることがありますが、私の個人的な意見としては、食中毒になるリスクがあるのでしたら多少栄養素が少なくなってでも加熱して与えるべきだと感じています。なかには体が麻痺したり神経障害が出てしまうケースもありますので、今回ご紹介した食べ物は加熱してあげることを強くおススメします。