犬の肉球にはどんな役割があるの?
犬の愛らしい肉球には様々な役割があります。人間では、到底裸足で歩くことができない場所を、犬は平気で歩くことができますよね。もちろん、それに耐えることができる構造になっているのです。
肉球の構造
犬の肉球に触れると、プニプニとした感触がありますが、あの独特な柔らかさはコラーゲンやエラスチンなどの弾性繊維や脂肪の柔らかさになります。いっぽう肉球の表面は少しザラザラとした感触があると思いますが、こちらは角質化した厚い皮膚になります。
子犬の頃は肉球の表面も非常に柔らかく、皮膚もツルツルとしていますが、成長とともにお散歩などの地面からの刺激によって、徐々に角質が厚くなり丈夫な肉球になっていきます。
肉球の役割
犬の肉球に程よい弾力があること、また表面がザラついていることも、犬が健康的な日常生活を送るための、大きな役割をもっています。
- 衝撃を吸収する
- 滑り止め
- 地面の状態を確認する
- 体温調節
犬の肉球の厚みや弾力は、歩行の際の足への衝撃を和らげる働きがあります。また、表面のザラつきは滑り止めの役割も。犬の肉球は、私たち人間が履いている靴の役割があるのです。
また犬の肉球は被毛がなく敏感な部位でもあるので、触覚器官としても大きな役割を果たしています。お散歩中の地面の状況を確認できるのはもちろんですが、逆に熱や痛みを感じやすい部位でもあります。そして肉球は犬の体の中で数少ない汗をかける場所。しかし汗の量はごくわずかで、体温調節ができる量ではありません。肉球から出る汗は足の裏を湿らせ、滑り止めの役目を担っています。
犬の肉球をケアしないと起こる危険なこと3つ
肉球のひび割れ
犬の肉球は被毛がなく、露出している皮膚のため、季節によるものや外的刺激でカサカサに乾燥してしまうことがあります。ケアしないと、ひび割れてしまうことも。もちろん痛みや出血があるのと同時に、ひび割れから雑菌が入ってしまい感染症を起こしてしまう危険性もあります。
乾燥が原因で「角化症」になることも。肉球の表面が石のように固くなってしまったり、たわしのようにモサモサなってしまったりするケースもあります。こちらも、あかぎれやひび割れ、傷からの感染症の恐れがあるため注意です。
綺麗好きの飼い主さんに多いかと思いますが、お散歩のたびに足を濡れタオルで拭いたり、ぬるま湯などで洗ったりしていると皮膚の乾燥がすすんでしまいます。水拭きや、水洗いしたあとは、しっかり水分をふき取り、保湿クリームなどで保護してあげましょう。
足や関節のトラブル
乾燥が原因で硬くなってしまった肉球は、靴の役割を果たすことができなくなってしまいます。硬くなっている肉球の表面は歩行中の足への衝撃を吸収しづらくなりますし、非常に滑りやすいため、足や腰の関節トラブルに発展してしまう危険性もあります。そもそも、ひび割れができてしまっていては、痛みで歩くことを嫌がるかもしれません。
犬の肉球は怪我をしてしまうと、非常に治りにくい部位となっています。立っている状態であれば常に体重がかかっていること、また犬が時おり舐めてしまうため、皮膚が完全に再生するまでには時間を要します。乾燥によるひび割れ以外でも、お散歩中に鋭いものを踏んで怪我をしないよう十分に気を付けましょう。
指間炎
愛犬が足をペロペロ舐めている姿を見たことがある飼い主さんも多いと思います。犬も毛づくろいをする生き物なので、多少舐めている程度であれば問題ありませんが、肉球付近を中心に頻繁に舐めているようであれば、指間炎を起こしている可能性もあります。
指間炎とは指の間に炎症が起きている状態。アレルギー体質でもともと皮膚が弱い、またストレスなど、指間炎を起こす原因は様々ですが、ケアを怠るのも原因のひとつ。
肉球を洗いすぎるのも乾燥に繋がってしまいますが、汚れを放置していては雑菌が繁殖してしまいます。特に雨の日のお散歩や雨上がりで道が濡れている状態は特に雑菌が繁殖しやすい状態です。お散歩から帰宅したら、乾いたタオルで汚れと水分をしっかりふき取りましょう。洗いっぱなしにしておくと肉球が乾燥してしまいますので、しっかり乾かした後は保湿クリームを塗って保護しましょう。
まとめ
犬の肉球ケアは、必ずしも毎日必要なわけではありません。愛犬の肉球を頻繁に観察して、カサカサと乾燥してきたら、いち早くケアを始めましょう。市販の犬専用肉球ケア用品は、クリームやジェル、オイルなど多くの商品が販売されています。
ちなみに我が家では乾燥が気になってきたら、ワセリンを塗るようにしています。ワセリンも犬が使用できるもの。安全性が高く低刺激なのが白色ワセリンとなっています。ワセリンは愛犬も含め家族みんなで使用することができるのでお勧めですが、愛犬が好む使用感のものや愛犬に合うものを選んであげましょうね。