犬の本能
まず、知っておいてほしいのは、わんこがごはんをがっついて食べてしまうのは、抗い難い本能のためだということです。人間の場合、がっついて食べているとしつけがなっていないと思われたり、育ちを疑われたりすることもありますが、わんこの場合は、しつけやトレーニングではどうにもならない面があるのです。
ごはんを奪われないようにするため
いわずもがな、野生の世界では、食べものはいつでも手に入るわけではありません。特に犬は、大型の動物を捕食する動物ですから、小動物を食べていた猫と比べても、食べものの貴重さには大きな差があります。そのため、やっと手に入ったごはんを他の誰かに奪われないよう、なるべく速く、そして、食べられるだけの多くの量を口の中にかき込もうとするのです。
味覚が発達していないから
わんこは嗅覚や聴覚が発達している一方、味覚はあまり発達していません。みなさんも、愛犬のために奮発して買った特別なごはんやおやつを、パクッと丸飲みされてしまい、「もっと味わって食べてよ!」と思ったことはありませんか?ですが、残念ながらこの「味わって食べる」行為は、わんこには無理な注文なのです。
お腹が空いている
また、過度の空腹のためにがっついて食べてしまう場合もあります。愛犬がごはんの時間以外にもおやつを欲しがったり、ごはんの時間を執拗に迫ったりするなど、「もしかして?」と思ったら、下記の点を見直す必要があるかもしれません。
ごはんの量が足りていない
成長過程や体調に合わせたごはんの量を与えていないなど、一度の食事で空腹が満たされていない場合があります。フードの量を目分量で与えている場合には、一度、しっかりと計量してみる必要があるかもしれません。
ごはんの間隔が開きすぎている
食事と食事の間隔が開きすぎていると、その間に食べた分を消化しきってしまい、空腹になってしまいます。また、食事間隔が開きすぎると、胃がからっぽになったことで嘔吐してしまう子もいます。食事間隔は、できる限り12時間以内に収めたいところです。
がっついて食べるリスクとは?
がっついて食べてしまうのは仕方ないこととはいえ、やはり、あまりにがっつきがひどいと健康へのリスクもあります。
消化不良になりやすい
人間も同様ですが、がっついて食べているときというのは、食べものをあまりよく噛んでいないですよね。そのため消化不良を起こしやすく、胃腸への負担を大きくしてしまうリスクがあります。
胃捻転
また、もう1つのリスクが胃捻転です。胃捻転とは、胃の中にガスが充満したことで胃が膨れ、ねじれが生じてしまう症状のことです。がっつき食いで食べものと一緒に大量の空気を取り込んでしまったことで起きやすくなると考えられます。特に大型犬に多い症状のため、愛犬が大型犬の場合には注意が必要です。
がっつき食いを防ぐには?
ごはんをふやかして与える
わんこの総合栄養食は、いわゆる「カリカリ」のドライフードと、缶詰などのウェットフードに大別されます。ドライフードは歯石がつきにくくなるなどのメリットもありますが、食べやすい分、どうしてもがっつきやすくなってしまいます。ドライフードを与えている場合、少しお湯やスープを含ませるなどし、ふやかして与えてあげましょう。
おもちゃに詰めて与える
知育おもちゃにフードを詰めて与えるのも有効です。おもちゃがない場合には、空きペットボトルでも同様の効果が得られます。コロコロ転がさないと中身が出てこない上、少量ずつしか取り出すことができないので、時間をかけてゆっくり食べさせられます。
早食い防止皿を使う
最もオススメなのが、市販の早食い防止皿を使用することです。お皿の中がデコボコしていたり、お皿自体が不安定になっていたりと、わざと食べにくい構造にすることで、早食いを防止してくれるグッズです。ペットショップを見ると、様々なタイプのものが市販されていますから、愛犬に合ったものを選びたいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ごはんをがつがつ美味しそうに食べてくれる姿は微笑ましくもありますが、あまりにがっつきがひどく、習慣化してしまっている場合には、何らかの対策を取る必要がありますよ。