あなたのその声は威圧的になっていない?声の出し方の重要性
犬は声の大きさやトーンで相手の感情や思考を読み取る
犬はとても頭が良いので、周りの状況や相手の言動をよく観察しています。しつけを行うときも例外ではなく、トレーニングを行う際は飼い主の行動を見たり声を聞いたりして良し悪しを判断することが多かったりするのです。
例えば、しつけをしているときは飼い主の普段出している声と比べて、声が大きいか小さいか。トーンが高いか低いか。といったことを聞き分けて、自分がしている行動が正しいのか間違っているのか。また、飼い主は今どう感じているのかといったことを読み取っているそうですよ。
威圧的に聞こえる声の大きさとトーン
叱るときは犬に間違いだと気付かせるために、できるだけ低い声を出しながら大きな声で威圧感的に叱ると良い、といわれることがあります。このような威圧的な叱り方はたしかに少しは効果があったりします。
しかし、犬からすると「なぜ飼い主は大声を出したんだ?」と意味を理解していないことが多く、実際には、ただ恐怖によっていうことを聞いているだけだったりします。
毎回威圧感を与えながらしつけをしていると、犬との信頼関係が崩れやすくなってしまうこともよくあるので、威圧感を与えながらしつけをするという方法は結果的に見て効果的ではないといえるでしょう。さらに犬の近くで大声を出して叱ると、ビックリさせてストレスと溜めさせる原因にもなってしまいます。
犬にとって威圧感を与える声とは?
ちなみに威圧感を与える声の大きさは、あなたが普段出している声の2倍程の大きさだと思っていただければいいと思います。威圧感を与える声のトーンは、自分で声のトーンを下げていって、あなた自身が『迫力のある声』だと感じるくらいの音程よりも少し低い音程が威圧感を与えるトーンだといえます。
愛犬はあなたの普段の声の大きさやトーンをちゃんと覚えているので、2倍くらい大きな声を出したりいつもと違った低い声を出したりすると、「あれ?声がいつもと違う。もしかして怒っているのかな?」と感じることが多いといえます。
犬のしつけに適している声の大きさとトーン
叱るときに効果的な声の大きさとトーン
では実際に愛犬を叱るとき、どのくらいの大きさとトーンを出せば良いのでしょうか。
声の大きさに関しては普段の大きさで大丈夫です。強いていえば、少しだけ……いつもの1.2倍くらいをイメージして声を大きくすると普段と違った声になるので、愛犬に「あれ?今なんか雰囲気が違う」と感じさせやすいといえるでしょう。
また、トーンも極端に低くする必要はありませんが、いつもより少し低くすると普段の声とメリハリをつけることができるので、愛犬に「叱られている」と理解させやすくなると思いますよ。
さらに普段よりも落ち着いた口調でゆっくり「ダメっ」ということで、飼い主に叱られていると愛犬に分からせることができます。ぜひ一度試してみてくださいね。
褒めるときに理想的な声の大きさとトーン
『叱る』だけがしつけではなく『褒める』こともしつけとなりますよね。褒めるときは愛犬に「飼い主が喜んでくれている!」「今、褒められている~!」と感じてもらうようにすることが大切となります。
犬は高いトーンの声を聞くと「遊んでくれている」「喜んでくれている」とポジティブな印象を受けやすいそうです。ですので、普段より少しだけトーンを高くし、少しだけ大きめの声で褒めてあげると、愛犬に「褒められた!」と感じてもらいやすくすることができます。また、褒めるときは外国人が行うジェスチャーのように、大げさに喜びながら褒めてあげるのも効果的といえるでしょう。
分かりやすく例えますと……、100万円の宝くじが当たったときに出る声をイメージすれば良いかもしれませんね。おそらく、大げさなリアクションをしながら嬉しそうにはしゃいだ姿を思い浮かべていることでしょう。
声の大きさに気をつけながら、頭に思い浮かんだ嬉しそうな姿のまま愛犬を褒めてあげると、理想的な褒め方になると思いますよ。
まとめ
犬のしつけを行うときは、大きな声を出す必要はないといえるでしょう。むしろ大きな声を出しながらしつけを行うと、犬に威圧感や恐怖を与えてしつけが上手くいかなくなる可能性があるので大声を出さないように気をつけた方が良いといえます。
一方で叱るときや褒めるときは声のトーンやリアクションの仕方が大切となりますので、しつけをするときは、それらを気にしながら声をかけるようにしてくださいね。