犬を飼うと死亡リスクが減る?!あなたに起こる3つの変化

犬を飼うと死亡リスクが減る?!あなたに起こる3つの変化

近年、犬を飼うことが健康に繋がるという説が話題となっています。都市伝説のようなこの噂、実は実際に研究結果としての報告もあるのです。では、なぜ犬を飼うと健康になるのでしょうか。今回は犬を飼うことで期待できる変化をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬を飼うと死亡リスクが減るって本当?

トイプードル

皆さんは犬を飼うことで健康になる、犬を飼うと死亡リスクが減るという話を耳にしたことはありますか?実は近年、世界中の研究により、犬と人間との絆の形成には幸福ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが関係していることが報告されています。また、犬をなでたことでストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが下がったという実験結果もあります。

世界中で老人ホームや病院にセラピー犬を派遣したり動物介在活動が行われたりしていますが、そのような活動の効果を科学的に検証する研究も行われています。日本国内でもセラピー犬や動物介在療法などが以前より広まっているのではないでしょうか。

このように経験として、犬と触れ合うことで人間側に良い影響を及ぼすことは多くの人が感じています。科学的な研究では、犬を飼ったり犬と触れ合ったりすることによる人間への良い影響を肯定する結果が出ているものもあれば出ていないものもありますが、犬を飼うことで死亡リスクが減るという話はいったいなぜ言われるのでしょうか。

犬を飼うことで起こる良い変化

笑顔の女性と犬

犬と見つめ合うことで幸福ホルモンであるオキシトシンが増加し、人間にも犬にも良い影響を与えるという話は最近とても有名になってきています。私達も愛犬や他の犬と触れ合っていると、心が通じ合っているような気分になり、穏やかな気持ちになっている実感がありますよね。

しかし、それだけではなく犬を飼うことで死亡リスクが減るというのは、いったいどういうことなのでしょうか。ここでは犬を飼うことで死亡リスクが減ると言われる理由となる具体的な変化や効果をご紹介していきます。

気分が明るくなりうつ病予防に

犬を抱き上げる女性と犬

先ほどから何度も出てきているように、犬と触れ合うことで幸福ホルモンが増加します。種を越えてこのような反応が起きたり、感情を読み取ったり、絆を形成できるという点で、犬は人間にとって特別な動物であることは間違いありません。

犬を飼って良い信頼関係を築けば、日常的に犬と触れ合うことで、飼い主さんの幸福ホルモンは多くなるのかもしれません。それにより気分が明るくなったり、やるべきことが増えて落ち込んでいる時間が減ったり、必要とされている実感を持ちうつ病が改善されたりうつ病を予防する効果があるとも言われているようです。

しかし科学的な話になると、うつ状態と犬を飼うことの関係についても研究が行われていますが、今のところ残念ながら、犬を飼うとうつ病が良くなる確率が高いとか、うつ状態になるのを防いだ、と示された研究結果は出ていないようです。

毎日の散歩で生活習慣病を予防

老夫婦と犬の散歩

犬を飼うと必ずしなければいけない日課の1つに散歩があります。これはペットの中でも犬ならではのお世話と言えるかもしれません。

毎日外に出て、犬と一緒に歩くことになるので、自然と運動不足をある程度解消することができます。

運動不足を解消することで、運動をしないことで発症しやすくなる生活習慣病を予防、改善することが期待でき、犬を飼うことで心血管系の病気による死亡リスクが減る可能性があるとする研究結果も出ています。

お世話をすることで認知症にも良い効果

おばあさんと犬

近年、高齢化社会になっていることもあり、認知症に対する認知度がとても高くなってきています。認知症そのものは死因にはなりませんが、認知症は死につながる病気や事故の確率を高めてしまうことがあるので、家族共々不安ですよね。

犬を飼うことで、まだ認知症になっていない人の認知症予防にも効果的だと考えられます。犬を飼うことは、毎日決まったお世話(散歩、食事、排泄)はもちろん、定期的にシャンプーをしたり、遊びのバリエーションを増やしてあげたりと臨機応変に対応しなければいけません。

また、「まるで子育て」と言われることもあるように、愛犬の様子から体調不良に気付いてあげたり、それに適した対応を取らなければいけないなどの行動も求められます。

このように犬と一緒に過ごすことで、自然と脳を使うようになるので、外に出る機会が増えて脳への刺激が多くなったり、犬の散歩によって適度な運動をしたりすることと併せて認知症の予防や進行を遅らせることに期待が持てるでしょう。科学的にはまだ、犬を飼っていると認知症になりにくいとか認知症の進行が遅くなったという結果は示されていませんが、犬を飼うことで生じるお世話をすることが軽度~中程度の認知症の方にとって良いとは考えられています。

まとめ

おでこを合わせる女性と犬

いかがでしたでしょうか。犬を飼うことで、生活が規則正しくなったり、幸せホルモンが増加して充実した日々になったり、うつ病や認知症の予防になる可能性もあったりと、犬との暮らしは人間の健康促進に効果があるようです。

【獣医師の補足】

 本記事で紹介されているように、犬を飼うと人間の健康への良い影響が期待されますが、それはあくまでも犬を正しく飼えてこその話になります。犬を正しく飼うというのは、どんな犬を飼うかを考え決める段階から始まっています。犬のことを正しく理解しないまま犬を飼い始めたり、自分たちの性格やライフスタイルに合わない犬を飼ってしまったりと、犬を飼っていることがストレスになってしまう場合もあります。それは犬にとっても人にとっても不幸なことであり、犬を飼おうとしている人たちに対してきちんとした教育の必要性を指摘している研究もあります。
 本記事で紹介されている内容に関連する論文を一部、以下に紹介します。

Koyasu H, Kikusui T, Takagi S, Nagasawa M. The Gaze Communications Between Dogs/Cats and Humans: Recent Research Review and Future Directions. Front Psychol. 2020 Dec 18;11:613512.
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.613512


Pendry P, Vandagriff JL. Animal Visitation Program (AVP) Reduces Cortisol Levels of University Students: A Randomized Controlled Trial. AERA Open. April 2019.
https://doi.org/10.1177/2332858419852592

Kramer CK, Mehmood S, Suen RS. Dog Ownership and Survival: A Systematic Review and Meta-Analysis. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2019 Oct;12(10):e005554.
https://doi.org/10.1161/CIRCOUTCOMES.119.005554

Mubanga, M., Byberg, L., Nowak, C. et al. Dog ownership and the risk of cardiovascular disease and death – a nationwide cohort study. Sci Rep 7, 15821 (2017).
https://doi.org/10.1038/s41598-017-16118-6

Opdebeeck C, Katsaris MA, Martyr A, et al. What Are the Benefits of Pet Ownership and Care Among People With Mild-to-Moderate Dementia? Findings From the IDEAL programme. Journal of Applied Gerontology. October 2020.
https://doi.org/10.1177/0733464820962619

Powell L, Chia D, McGreevy P, et al. Expectations for dog ownership: Perceived physical, mental and psychosocial health consequences among prospective adopters. PLoS One. 2018;13(7).
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0200276

獣医師:木下明紀子
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