なぜ犬はゴミ漁りが好きなのか?その4つの理由
1.本能的な欲求を満たすため
「本能」とは、私たち人間も含めて、動物が生まれつき持っていると想定されている、様々な行動へと駆り立てる性質のことを指します。例えば、人間でいうと「睡眠欲」「性欲」「食欲」などは、本能に基づいた欲求と言えます。
憶測の域を出ませんが、ゴミ箱を漁る、という行動は、「土を掘り返す」行動にも似ているように思います。野良犬がゴミ箱を漁るのは、本能ではなく、経験でゴミ箱の中から食べ物が出てくることを覚えているからで、本能的な行動とは言えません。
けれども、十分に栄養を与えられて、空腹でもないのに人に飼育されている家庭犬が家の中のゴミ箱を漁るのは、土の中に潜む獲物を狩りたい、という本能的な衝動に突き動かされているからかも知れません。
2.犬にとっては楽しいことだから
犬は、とても知能の高い動物です。自分が経験したことをしっかりと記憶していて、その記憶に基づいて行動を起こすことができます。その能力があるからこそ、様々な訓練をして、私たちとともに暮らし、時には警察犬、盲導犬、牧羊犬として私たち人間に役立つ仕事を担ってくれているのです。
けれども、逆にその能力があるからこそ、「この箱の中に美味しいものがあった」と犬の記憶に刻まれてしまったら、「また、美味しいものを食べられるに違いない」と考えます。その結果、飼い主さんが何も対処しなかったら、愛犬は何度も何度もゴミ箱漁りを繰り返すことになるでしょう。
3.ストレス発散
穴を掘ったり、全力で走ったり、犬には犬のストレス解消法があります。ストレスを感じる度合いも、犬によってはそれぞれ大きな違いがあるでしょう。飼い主さんが一日中側にいないと寂しくてそれだけでも大きなストレスになる犬もいれば、おおらかで、飼い主さん以外の家族さえいれば何の不満も感じないタイプの犬もいます。
ですから、ふだんはゴミ箱漁りなどしない愛犬が唐突にゴミ箱を漁った場合、留守番の時間が多いから、人の出入りがふだんより多かったから…など、何らかのストレスを感じた上での行動だと考えられます。
ゴミ箱を漁ることでストレスを解消するケースもあれば、犬によっては、ゴミ箱を漁って飼い主さんの注意を引き付けて構ってもらいたい、というケースも十分に考えられます。
4.好奇心に駆られて
単純に、「何が入っているのか?」という好奇心に駆られて、ゴミ箱を漁ってしまうケースです。生ごみが入っているゴミ箱ではなく、リビングなど家族の生活空間の中にある、生活をしている間に出る、紙クズくらいしか入っていないゴミ箱を漁るのは、食べ物を探しているのではないと想像できます。
犬にとって一緒に暮らしている家族が、時折何かを放り込んでいる箱の中には何が入っているのか、好奇心が刺激されて、探らずにはいられなくなるのかも知れません。
ゴミ箱漁りをすることで考えられるリスク
誤飲
ゴミ箱の中には、犬が食べてはいけない食べ物が入っているはずです。ネギ類はもちろん、噛んだ後のガム、鶏の骨、プラスチック片など、数えだしたらキリがありません。
食中毒
腐った肉、野菜、果物、古い油などを食べて、お腹を壊してしまう恐れがあります。
怪我
ゴミの中のガラス片、プラスチック片、大きな魚などの骨などで口の中を傷つけたり、無理に飲み込んで喉、食道に傷がついたりする恐れがあります。さらに最悪なのは、腸の中にまで異物が入り込んで、腸閉塞を起こしてしまうことも考えられます。そうなると、手遅れになった場合、命を落とすこともあります。
ゴミ箱漁りを止めさせる方法3つ
ゴミ箱を置かない
人間にとってはとても不便なことですが、犬の行動範囲にゴミ箱を置かないようにするのが最も早くゴミ箱漁りを止めさせる方法です。また、それが無理なら飼い主さんの目が届かない状態で、ゴミ箱を出さないようにすることも有効な手段です。
ゴミ箱に蓋をする
犬が頭を突っ込めないように、蓋つきのゴミ箱を設置します。少し不便ですが、犬の大きさによっては蓋の上に重しが必要になる場合もあります。
「ゴミ箱を漁らないと良いことがある」と理解させる
犬がゴミ箱を漁ろうとしたら、すかさず飼い主さんがそれを制止する。犬が指示を聞いたら、ご褒美を上げる、それを繰り返すと「ゴミ箱を漁らなければ、ご褒美がもらえる」と学習して、いずれゴミ箱に興味を示さなくなるでしょう。
まとめ
我が家の愛犬、めいぷるも一時期、私たち飼い主家族が寝静まるとリビングのゴミ箱を漁っていました。そのゴミ箱は紙ごみだけでしたが、朝になるとリビングに紙ごみが散乱…と言う状態だったので、足で踏んで蓋を開閉できるゴミ箱に変えました。
その中には絶対にお菓子などの食べ物のゴミは入れない、というルールを徹底したら、いつの間にかゴミ箱漁りはしなくなりました。私なりの結論としては、犬にとってゴミ箱に対する興味がなくなるように仕向けることが根本的な解決になるように思います。
「部屋が散らかった~」と嘆く程度なら笑い話で済みますが、誤飲誤食によって命の危険があることを考えれば、できるだけ早い対応が必要です。愛犬の性格やゴミ箱に対する執着の強弱を観察し、それぞれのご家庭の状況に応じて、的確な方法を探ってみてくださいね。