なぜ、子犬は電源コードをかじってしまうの?
物をかじる理由は、子犬と成犬とでは違いがあります。子犬の頃は、歯の成長や生え変わりなどによって、歯や歯茎に違和感があり、その違和感による不快な気持ちやストレスを発散させたいと考えています。
子犬の頃は、やわらかいおもちゃを与えがちですが、噛み応えがないため、物足りません。子犬の手の届く範囲にある物なら何でも手を出してしまいますが、特に、電源コードなどの硬さのある物は、かじる対象になってしまいやすいです。
全ての歯が永久歯へと生え変わるまでの間、歯や歯茎の違和感は続きます。電源コードなどの硬い物をかじりたいという欲求も、ずっと続くということです。
電源コードをかじられないように防止策を考えることはもちろん必要ですが、歯の成長や生え変わりによる、不快な気持ちやストレスを発散させてあげるために、子犬にどんなことが必要なのかも考える必要があります。子犬が電源コードをかじるリスクと防止策について、一緒に考えてみましょう。
子犬が電源コードをかじるリスク
1.「電撃傷という傷害が起きる」
子犬がコンセントに差し込まれた状態の電源コードをかじると、感電してしまいます。お留守番中に起きてしまうこともありますし、飼い主さんの目の前で起きてしまうこともあります。子犬が電源コードをかじり、感電してしまった場合、どうなるかご存じでしょうか?
最悪の場合、感電死という言葉も思い浮かんでしまいますよね。感電してしまったことによる傷害のことを“電撃傷”と言うのですが、筋肉・神経・血管などの組織は多くの電流が流れやすいため、傷害を起こしてしまいやすいとされています。
2.「肺水腫を起こす」
電撃傷によって、微細血管が傷害を受けてしまった場合、肺の中に水が溜まる“肺水腫”が起きてしまうこともあります。血液中の液体成分が、過剰に漏れ出してしまう病気です。感電によって起きることもあります。上手く肺に空気を取り入れることができなくなり、呼吸困難になってしまうことがあります。
3.「火傷を負う」
電源コードをかじってしまった子犬の口の中には、火傷を負ってしまうことがあります。火傷を負ってしまった部分が、赤くなる程度で済むこともあります。火傷を負ってしまった部分が、焼けただれてしまったり、皮膚が剥がれ落ちてしまったりすることもあります。また、口の中だけではなく、身体の広範囲に火傷を負ってしまうこともあります。
4.「ショックによる心肺停止」
感電したことによるショックで、筋肉が硬直してしまったり、呼吸困難になってしまったり、意識を失うこともありますし、心停止が起きてしまうこともあります。動物病院へ行くまでには、どうしても時間がかかってしまいます。飼い主さんによる、心臓マッサージや人工呼吸が必要になることがあります。
子犬が電源コードをかじり、感電してしまったときの対処法
感電してしまった子犬の身体には、すぐには触れないでください。触れた人も感電してしまう可能性があります。感電してしまった子犬からは、尿や便が排出されることがあります。尿にも電気が通っている可能性がありますので、決して触れてはいけません。
子犬の身体に触れる前に、まずは、電源コードをコンセントから抜く、もしくは、ブレーカーを落としてください。電気を通さないゴム手袋があれば、使用してください。心臓マッサージや人工呼吸が必要な可能性もあります。いざという時のために仕方を学んでおきましょう。そして、すぐに動物病院へ行きましょう。
子犬が電源コードをかじってしまわないための防止策
- 不要な電源コードは抜いておく
- 電源コードにカバーを取り付ける
- パソコンなどの電源コードが多くある部屋に子犬を立ち入らせない
この防止策を行うだけでも、子犬が電源コードをかじる可能性はうんと減ります。携帯電話やスマートフォンの充電器のコード、コンセントにさしたままで出かけていませんか?冬は、こたつ・カーペット・ヒーターなどの暖房器具の電源コードを必ず抜いたことを確認し、出かけるように心がけましょう。
まとめ
子犬が電気コードをかじるリスクについて、
- 電撃傷という傷害が起きる
- 肺水腫を起こす
- 火傷を負う
- ショックによる心肺停止
この4つの命を失ってしまうかもしれないリスクについてご紹介しました。合わせて防止策もご参考いただけると幸いです。