1.プーリー
使い古したモップのような、もしくは細かく編まれたドレッドヘアーのような被毛が特徴的なのが、プーリーです。プーリーはハンガリー原産の大型犬で、牧羊犬として使役されてきた犬種です。白・黒・グレーの3種類が存在しますが、白だと羊の群れの中で見分けづらく、また、羊たちも黒いプーリーの指示の方によく従ったといういわれから、黒が人気となりました。
独特の被毛は生まれつきではなく、パピーの頃はプードルと同じような房状の被毛をしています。ところが、成長とともにオーバーコートとアンダーコートがもつれ合い、縄状によじれて独特の様相を呈してきます。家庭で飼うにはこまめなお手入れが必須ですが、とても賢く、活発なわんこです。
2.シャー・ペイ
シャー・ペイは「垂れ下がった皮膚」という名前が意味する通り、まるで迷路のように何層にもしわが寄った肌が特徴で、ギネスブックで「世界で最も珍しい犬」に認定されています。いわずもがな中国原産のシャー・ペイですが、中国ではその姿を「頭はメロン、顔は老人、首は水牛、おしりは馬、足は龍」と表現しています。まるで神話の世界の住民のようですね。
ただし、しわが一番強く全身に至っているのはパピーの頃だけで、成長とともにしわは首から上だけに限られてきます。パピーの頃には、しわの間にゴミや分泌物が溜まってしまわないよう、こまめにタオルで拭いてあげることが必須です。
3.ベドリントン・テリア
まるでリーゼントヘアーのような頭頂部の被毛と、長い垂れ耳が特徴的なのが、ベドリントン・テリアです。ベドリントン・テリアはイギリス原産の猟犬で、もともとはカワウソやイタチ、キツネなどの狩りに使役されていました。
特に、炭坑内でのアナグマやネズミ退治に活躍し、炭坑労働者の間で高い人気を集めました。愛らしい見た目とは裏腹に、一時は闘犬種としても人気を博したほど闘争心が強く、歯が抜けて目も見えなくなった老犬でも狩猟犬として活躍したとまでいわれます。
毛色の名称は独特で、ブルー、レバー、ブルー・アンド・タン、砂色などがあります。シングルコートで被毛の抜け替わりがないので、家庭で飼育する場合には抜け毛などの問題は少ないといえるでしょう。
4.チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
頭と手足の先、しっぽだけがふさふさとして、身体は無毛。頭だけ見るとヨークシャーテリアのような、でも、ちょっぴりみすぼらしいようにも見えてしまう不思議な容姿が独特なのが、チャイニーズ・クレステッド・ドッグです。
「チャイニーズ」とついていますが、原産国は中国ではなく中南米の可能性が高いとされており、「チャイニーズ・クレステッド=中国人の冠」の由来は、頭頂部の被毛が中世の中国人の髪型に似ていたからといわれています。他の犬種に比べて平均体温が高いことと、無毛であるゆえにノミ・ダニがつきにくいことから、貿易船の中で船員の湯たんぽ代わりとして可愛いがられてきました。
身体の無毛が特徴とご紹介してきましたが、実は身体に被毛が生えているパウダー・パフタイプも存在します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ここでご紹介した独特な見た目の犬種たちは、日本でも大変珍しい犬種ばかりですが、きっと一目見たら忘れることはできないでしょう。もし実際にこれらのわんこと出会う機会があったら、飼い主さんやお店の人にいろいろお話しを聞いてみると面白いかもしれませんね。