犬が飼い主からもらったオヤツを隠す理由
飼い主さんからもらった大好きなオヤツ。嬉しくて一気に食べてしまう子も多いと思いますが、なかには誰にも見つからないようにオヤツを隠す犬もいます。犬は食べることが大好きなので、せっかくもらったのなら全部食べてしまえばいいのに、ちょっと不思議な行為ですよね。犬がオヤツを隠す理由にはいくつかの説があるようです。
動物としての習性
実はこの、食べ物を隠すという行為、犬以外の多くの動物も行います。キツネやリス、ハムスターなどが食べ物を隠すのは有名ですよね。これらの動物が食べ物を隠すのは、仲間に食べ物を奪われないためや、他の動物から自分の食べ物を守るために一時的に隠します。また、餌の少ない時期のための貯えでもあります。
犬も大昔は群れを作り自ら狩りを行い、獲物を仕留め食餌を得ていた野生動物です。犬がオヤツを隠す理由のひとつは、野生時代からの習性ではないかと考えられています。
取られたくないから
多くの動物が食べ物を隠す行動をとりますが、その最大の理由は「他の個体に奪われないため」です。愛犬がせっかく与えたオヤツを隠すときは「取られたくない!」思っているようです。取られたくない相手が飼い主さんの場合もありますが、多いケースは多頭飼いされているご家庭のワンちゃんに見られます。
我が家は1頭の愛犬と暮らしていますが、1度も与えたオヤツを隠したことはありません。与えたオヤツを隠してしまうのは、すべての犬がとる行動ではなく、飼育環境や飼い主さんとの関係性が影響してるようです。多頭飼いされているご家庭のワンちゃん、小さなお子様がいてよく一緒に遊ぶご家庭のワンちゃん、また愛犬と飼い主さんとが長い時間接するご家庭のワンちゃんに多く見られる行為となっています。
「取られたくない!」と感じてしまう相手がいるということは、その相手に対して「取られるかもしれない!」という緊張感の表れでもあります。
不安を感じているから
犬が飼い主からもらったオヤツを隠す理由で、もうひとつ考えられているのが、不安感の表れではないかという説です。愛犬自身が不安を感じているとき、落ち着いてオヤツを食べることが出来ないので、ゆっくり後で食べるために隠すことがあると言われています。
犬が不安を感じてしまう理由は個体により様々ですが、あまり好きではないなワンちゃんが一緒にいるときや、そもそも飼い主さんが見ている前で食べることを苦手と感じている犬もいるようです。少し気が弱くて引っ込み思案な性格の犬であれば、このような理由でオヤツを隠すこともありそうですね。愛犬の性格を見極めて、不安感や緊張感を取り除いてあげましょう。
お腹が空いていない可能性も
単純にお腹が空いていないという理由も否定できません。いつも与えられる量のご飯を食べきれない子は食が細い可能性も。基本的に犬は食べることが大好きですが、トイプードルやチワワなど小型犬は食が細い個体も少なくありません。せっかくもらったオヤツでも、食べられないときは、あとで食べるつもりで隠すこともあるようです。
犬がオヤツを隠す行為は止めさせるべき?
衛生面に気をつけて
犬がオヤツを隠すこと自体は、すべての犬が行うことではないものの、理由は何であれ多くの犬に見られる行為です。厳しく叱って止めさせるほどのことではないと思いますが、衛生面を考えると出来るだけしてほしいことではないかもしれませんね。犬は隠す行為に満足してしまい、その後、見つけ出して食べることはあまりないので、飼い主さんが見つけたらすぐに処分してしまいましょう。数日経ってから見つけてしまい、傷んだオヤツを食べてしまっても大変です。
愛犬との関係性を見直す機会かも
また「取られたくない!」と感じてオヤツを隠す犬は、飼い主さんとの信頼関係がやや薄い可能性があるのかもしれません。愛犬と私たち飼い主の間に大切なのは、信頼関係になります。愛犬から見て飼い主さんは、頼りがいがあり、絶対的に信頼できる親の様な存在であるのが理想的。信頼できる親であれば、オヤツを横取りされるなんて考えないはずですよね。1度愛犬との関係性を見直してみてもいいかもしれません。
まとめ
犬がオヤツを隠してしまうのは、特に悪い行為ではありません。習性であっても、取られたくなくて隠すのでも、周囲に大きな迷惑をかけるようなことではないですよね。不安や緊張でオヤツを隠してしまう場合は、不安や緊張の原因がストレスになっている可能性もあります。愛犬の行動をよく観察し、生活環境や飼い主さんとの関係性を考慮してオヤツを隠す理由を探ってみましょう。