1.四肢を伸ばして寝る
スーパーマンのように四肢を伸ばして床に寝る犬は、暖かい床の上で居眠りをしているときか、すぐに起き上がって遊ぶ準備ができている状況です。また、エネルギッシュな若い犬が遊びの途中で眠くなったときなどに見られます。
この姿勢で寝ている犬は、深い睡眠状態ではなく眠りの浅い状態です。仮眠状態でも、飼い主さんと一緒に行動する機会を逃したくないという心理が隠れているようです。
ブリティッシュ・コロンビア大学の心理学教授、 Stanley Coren博士によると、犬が四肢を伸ばして床にお腹を当てるのは、温度に関係しているのではないかと考えられています。
犬のお腹周りの毛皮は、他の部位ほど断熱性がないため、暖かい温度への反応の一つで、お腹の体温が周囲の気温より低いときに見られることが多いといいます。
2.顎を床や地面につけて寝る
犬が四肢を伸ばして床にベタ~っと眠るとき、大抵の場合は顎を床や地面につけて眠っているのではないでしょうか。スーパーマンのように四肢を伸ばしていなくても、顎を床やソファの上に乗せて眠ることもありますよね。
犬が床や地面に顎をつけて眠るのは、犬の本能から来る行動で、人や他の動物が近づく振動を顎を通じて脳に伝える「骨伝導」によるものです。
愛犬が起きないように足音を忍ばせて歩いたつもりでも、犬がすぐに目を覚ますのは、骨伝導によるものだと考えられています。飼い主さんの帰りをひたすら玄関で待っているときも、この姿勢が多いのではないでしょうか。
リラックスしているように見えても、実は飼い主さんの帰りを待っていたり、飼い主さんと一緒におでかけしたい心理なのでしょうね。
3.身体を丸めて寝る
鼻先から尻尾までボールのように丸くなって眠る愛犬の姿を見たことはありませんか?犬はできるだけ自分の身体を小さくするためにこの姿勢を取るようです。寒さを感じるときに自分の身体を温めるための行動だと考えられています。
犬にとって大切な急所(内蔵)を保護することもできますし、すぐに立ち上がることができる姿勢です。
コーネル大学獣医学部・行動医学名誉教授、Katherine Houpt博士によると、犬が誰にも邪魔をされずにリラックスしているときの姿勢だといわれています。愛犬はどんな夢を見ているのでしょうね。
4.ヘソ天で寝る
犬がお腹を天井に向けて寝る姿を「ヘソ天」といいます。無防備すぎる愛犬の姿に、見ている人間の方も幸せな気分になりますよね。
犬にとってお腹は急所。おへそを見せるのはそれだけ警戒心がなく安心して眠っている証拠です。
お腹周りの皮膚と毛は非常に薄くデリケートな部分です。最も敏感な部分をさらけ出して上に向けている姿勢は、すぐに立ち上がることができない一番無防備な姿勢であることを犬は良く知っています。
飼い主さん家族がすぐそばにいて、リビングなどでくつろぐ至福のときではないでしょうか。
5.飼い主さんに寄り添って寝る
人間にピッタリ寄り添って眠る愛犬は、とても愛情深く、飼い主さんを信頼している証拠です。
ブリティッシュ・コロンビア大学の心理学教授、 Stanley Coren博士によると、犬が眠るときに抱きしめてほしがるのは、仔犬の頃の名残だといいます。仔犬期は特に体温調整が難しいため、仲間の犬や他の動物と眠ることがあります。犬が成犬になってもこの行動が見られるのは、仔犬の頃から持ちこたえた安らぎの感覚だと考えられています。
愛犬はいくつになっても信頼する飼い主さんに寄り添って、体温を感じていたいのでしょう。ベッドでゴロ~ンと愛犬とお昼寝するのは、飼い主さんにとっても至福のときですよね。
まとめ
いかがでしたか?犬の睡眠姿勢は、ご紹介した以外にもいくつかタイプがあります。犬の寝方一つで警戒しているのか、寒さを感じているのか、安心しているのか、その時々の愛犬の心理が分かるのではないでしょうか。
特に愛犬がヘソ天で熟睡しているときは、一番リラックスしている証拠。起こさないようにそっとしておきましょうね。