犬に押し付けてはいけない『人間のルール』
犬と人間は遙か昔から共に共存してきた歴史があります。そのため、今では犬も人間の感情を読み取ることがある程度できるようになったという研究結果も発表されているほどです。しかし、どんなに長い歴史があったとしても、元々持つ習慣や本能は異なります。そこで、ここでは犬に押し付けてはいけない『人間のルール』をご紹介します。
1.洋服を着させる
近年、犬用の服もたくさん販売されるようになってきました。服を着て散歩している犬を見かけることも珍しくありません。実際、シングルコート犬種などの寒さに弱い犬の場合、冬には温かい服を着させることが推奨されています。
しかし、それはあくまで防寒目的です。たくさん装飾が付いているような洋服でなくても、温かい生地の洋服を着させればそれで良いのです。
もちろん、愛犬が嫌がっていないのであれば、装飾の付いた可愛い洋服を着せることも良いでしょう。しかし、嫌がるような素振りを見せているのに、「私達も洋服を着てるから一緒に」と無理に着せるのは人間のエゴです。
2.散歩中の匂い嗅ぎを無理矢理やめさせる
散歩をする際、よく「人間のペースに合わせるべき」という意見を見ます。たしかに、犬も飼い主の歩調に合わせ、同じペースで歩くということはとても重要なしつけの一環です。
しかし、こちらの事情で犬の本能的習性でもある『匂い嗅ぎ』を無理に止めさせるのは、人間ルールの押し付けです。
犬は散歩中、さまざまな情報を匂いを嗅ぐことで得ます。これは「自分がいつも通るルートに、どのような犬が来たか」「あ、あの犬が来たな」など、犬にとってはとても重要な情報なのです。つまり、匂いを一生懸命嗅ぐことは自然な行為です。
それを「こちらに合わせてもらうべき」と無理にやめさせるというのは、犬にとってストレスとなります。そこまで無理にペースを合わせるようしつけるのではなく、お互いが快適に、尊重し合った散歩を行い信頼関係を深めましょう。
3.野菜を無理に食べさせる
犬に野菜を食べさせることがダメなわけではありません。中には野菜が大好き!という犬もいるでしょう。しかし、犬が嫌がっているのに、無理矢理野菜を食べさせようとするのは押し付け行為の1つです。
かかりつけの獣医さんに栄養素の観点から積極的に与えるように、という指示がある場合は例外です。しかし、そのような指示がなく、飼い主の自己満足で行っている場合は、基本はドッグフード、トッピングとして与える程度に捉えましょう。
犬は肉食動物なので、野菜は消化しにくい食材です。そのため、無理に与え過ぎると消化不良を引き起こすリスクもあります。
しつけは大事!でも押しつけはNG
犬と人間が一緒に暮らす上で、最低限のしつけはしっかり行う必要があります。無駄吠えや噛み癖、トイレトレーニングなど、必要なしつけは必ず完了させましょう。
しかし、これらも含め、押し付けるように無理矢理トレーニングを行う事は推奨できません。なぜならば、デメリットの方が大きいからです。
もちろん、押し付けることで信頼関係にヒビが入るという事も考えられます。それと同時に、しつけに対して負の感情を抱き、犬側も拒否反応を起こす恐れがあります。すると、当たり前ですがしつけはなかなか完了しません。
しつけはなるべく、犬も楽しくなるようなゲーム感覚のしつけ方法を取り入れると上手くいくことが多いです。怒鳴ったり、体罰を与え無理に支配するのではなく、コミュニケーションの一環として、楽しく少しずつ取り組むことを心掛けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬の人間が共存していく上で、しつけは必要です。しかし、人間側のルールを無理に押し付けるのはさまざまな悪影響を起こしかねません。楽しく、お互いが快適に過ごせるような工夫を見つけていきましょう。