犬の反応
犬は群れで生活する動物なので、犬から見た上下関係を格付けする習性があります。また、獲物を捕獲する本能がありますので、自分より小さな生き物は獲物として観察している場合があります。
目の前にチョロチョロと動く小動物は、犬の狩猟本能を掻き立てる危険性があります。普段おとなしい犬でも突然本能を現わすことも。犬の犬種と性格VS小動物の種類や飼育環境などによっても異なると思います。
わが家ではハリネズミとセキセイインコを単頭飼いでケージの中で飼育しています。ハリネズミは夜行性のため、基本的に犬が起きている時間に犬の目に触れることはありません。
稀にハリネズミがご飯を食べている時にケージの近くで愛犬がお水を飲むことがありますが、お互いに生活環境に慣れているせいか、愛犬が攻撃することはなくハリネズミも動じずにご飯を食べ続けています。
セキセイインコは決まった時間に放鳥させていますが、インコが飛ぶことを覚えた当初は、愛犬が目で追うような仕草を見せました。トラブルが起きないように犬を抱っこしたり部屋のドアを閉めるなどして常に監視しています。
ハリネズミの反応
日本でペットとして飼育されているハリネズミは「ヨツユビハリネズミ」と呼ばれる品種です。とても臆病で警戒心が強く、視力が弱いためにボンヤリと見える程度。代わりに嗅覚と聴覚が敏感で、外敵から身を守るために針を立てて威嚇します。
SNSやYouTubeなどで見かける犬と触れ合うハリネズミはレアなケースだと思ってください。夜行性で活動時間は深夜4時間程度。わが家のハリネズミ(♀3歳)は針を立てないおとなしい性格ですが、部屋んぽはあまり好まないためケージの中の回し車で運動しています。
1日20時間位は寝ているでしょうか。愛犬たちの視界に入ることも少ないですし、ハリネズミにとってもストレスを感じることは少ないようです。
セキセイインコとの相性
セキセイインコ(♂1歳)と愛犬の同居は1年4ヶ月になります。雛の頃から挿し餌をして育てたので、おしゃべり上手なインコに育ちました。インコに必要なのが「放鳥」です。一日の大半をケージの中で過ごすインコにとって、放鳥は飼い主とのコミュニケーションと運動するための貴重な時間。
わが家では朝晩30分~1時間ずつ放鳥させています。この際注意をしているのが、愛犬と接触させないこと。先住犬は嫉妬心が強いので、主人が膝の上に抱っこをしてグルーミング時間に充てています。
後住犬は警戒心が強いせいか、インコの放鳥時間になると空気を読んで他の部屋へ移動するようになりました。セキセイインコの性格にもよりますが、一般的に他の動物に対して嫉妬心やストレスを感じにくいといわれています。
うさぎとの相性
数年前に星になったネザーランドドワーフは12歳で天寿を全うしました。愛犬たちとの同居生活は8年に及びました。先住犬のハナは、うさぎが自分より上位だと認識したようです。1年後に迎えた後住犬のテファは、飼い主→ハナ→うさぎ→自分、と順位付けしたようです。
ケージの中で飼育していたためトラブルはありませんでしたが、先住うさぎの方がストレスを感じていたようです。うさぎはセキセイインコと比べて感情豊かな動物です。犬が吠えたりケージの前を通り過ぎる時に、地団太を踏むスタンピング行動が見られました。うさぎが自分のテリトリーを守るための行動ではないでしょうか。
うさぎは犬と同様に自然界の中では群れで生活する草食動物です。犬に近い社会性を身につけた動物だと感じました。自分のテリトリーに侵入してくるものへの警戒心はとても強いです。
犬とうさぎ、どちらが先住か、個体の性別や性格などによって違いがあると思います。先住がうさぎであれば、なるべくストレスを与えないように配慮してあげること。うさぎのテリトリーを守るために犬と距離を置くことが必要です。
まとめ
犬と小動物を共生させるためには、新しく迎えようとしている動物の生態や習性、飼育法について事前に学習しておく必要があります。そして一番大切なのが先住ペットに対する配慮。新しいペットをお迎えしたら、先住ペットに今まで以上に愛情を持って接してください。
ハリネズミやうさぎは、犬と同じように自分の縄張り意識がとても強い動物です。犬と同居させる場合は、なるべく単頭でケージ飼育をおすすめします。愛犬のお散歩、小動物の部屋んぽや、それぞれの動物をお世話する時間と触れ合う時間が必要ですので、飼い主さんが責任を持って飼育できるペットの数を守りましょう。
なお、犬と小動物がまるで兄弟のように触れ合う姿は、飼い主さんの理想です。本来なら小動物にとって犬は天敵となります。動物の習性と個体の性格を飼い主さんがじっくりと観察して、それぞれの動物にとって快適な環境づくりを目指してくださいね。
異種同士なるべくストレスを与えないように暮らすためには、飼育環境の工夫と飼い主さんの愛情が大切です。どの動物に対しても平等に愛情を注ぎ、一生お世話することを誓いましょう。