犬がストレスを溜めすぎるとどうなる?
人間と同じように犬もさまざまな要因からストレスを感じます。食欲や睡眠などの本能が満たされないことや恐怖や不安を感じること、運動不足、愛情不足、体罰などによる身体的苦痛など犬がストレスを感じる原因は数多く考えられます。
ある程度のストレスは散歩やおもちゃ遊び、飼い主さんに甘えることなどで発散することができますが強いストレスを感じたり、長期的にストレスを受け続けているとそのストレスが蓄積していってしまいます。
私たち人間がストレスを溜めすぎると胃潰瘍や脱毛などの身体症状やうつ病などを発症することがありますが、犬もストレスによって同じような症状を引き起こすことがあります。発散できず、受け止めきれないストレスが身体や精神にさまざまな悪影響を及ぼし飼い主さんとの関係性をも変えてしまう可能性があるということをしっかりと認識しておきましょう。
犬のストレスサインや症状
犬はストレスを感じるとさまざまなストレスサインを発したり、病気の症状が現れることがあります。できるだけ早い段階でストレスに気が付き対処できるよう、ぜひチェックしておきましょう。
カーミングシグナル
犬がストレスを感じたときにまず現れるのが『カーミングシグナル』と呼ばれるボディランゲージです。『カーム』とは『落ち着く』などの意味がある言葉で自分の気持ちを落ち着かせるためや対峙している相手に「落ち着いて」と伝えるために行うものです。
よく見られるカーミングシグナルとしてはあくびや伸びをする、目をそらす、相手に背中を向ける、体をぶるぶると振る、体を掻くなどです。どれも普通にするような行動ばかりですが、寝起きでもないのにあくびをしたり、怒られると体を掻きだしたりと状況にそぐわない場合や頻繁にそのしぐさを見せるときにはカーミングシグナルである可能性が高いでしょう。
いたずらや問題行動
家の中でのいたずらが増えたり、吠えや威嚇、噛みつきなどの問題行動の原因がストレスであることもめずらしくありません。愛情不足やコミュニケーション不足から気を引くためにそれらの行動を取ったり、ストレスによって精神的な余裕がなくなり攻撃的な行動を見せる犬も多く見られます。
体調不良
ストレスレベルが高くなると犬自身も自分をコントロールできなくなり、身体的なトラブルや病気を引き起こしてしまうことがあります。ストレスによる症状としてよく見られるものが、自分の足先をしつこく舐め続けたり、尻尾を噛んだりして傷をつくってしまうというもの。さらに食欲不振や激しい脱毛、嘔吐下痢などの症状が現れることもあります。
また、見た目にはわかりにくいですがストレスが溜まることで免疫力が低下するためあらゆる病気にかかりやすくなるということも考えられています。
犬のストレスを軽減する方法
犬にとってもストレスは精神や肉体に大きな負担をかけてしまうものです。犬がストレスを溜めすぎてしまわないためには飼い主さんが早い段階で気が付き適切な対処をすることが大切。
そのためには、まず犬のストレスサインを発見しその原因が何かを突き止めること。原因を取り除かなければ根本的な解決には至らないからです。家の中でのいたずらが増えたとき、それらを叱ったりいたずら対策を行ってもストレスが原因でいたずらをしている場合にはなかなか解決せず他の問題行動に移行してしまうこともあります。
いたずらの原因が運動不足によるものだった場合、散歩時間を増やしたりコミュニケーションの取り方を変えることでいたずらがなくなる例なども数多くあります。
原因を見つけるのは簡単なことではないと思いますが、日頃の生活習慣や愛犬との接し方などを改めて見直してみるようにしましょう。わかりやすい恐怖や不安などのストレスはなくとも、かまいすぎや寝不足などがストレスの原因になっていることもあります。少しでも思い当たることがあれば、それらの改善ができるよう色々と試してみましょう。
まとめ
犬にとって適度なストレスは必要だとされていますが、犬がストレスサインを出すようになったら要注意です。自分では発散できないほどのストレスが犬にかかってしまっている可能性があるので、飼い主さんが手助けをしてストレスをしっかり解消してあげるようにしましょう。
そのためには愛犬をしっかり観察することや愛犬とのコミュニケーション方法を見直すということがとても重要になってきます。愛犬の言葉にならない訴えに耳を傾け、きちんと向き合うことでストレスが解消されるだけでなく飼い主さんとの関係性もよりよくなるに違いありません。