洗濯かごを持つとベランダへ先回りする
我が家の愛犬ハナは、洗濯物を入れたランドリーバスケットを持つと、先回りしてベランダへと歩いていきます。いつもより軽快な足取りで尻尾をフリフリしながら私を振り返ります。はじめの頃は「賢いね!」などと思っていたのですが、ハナが私の行動を先読みする理由があるようです。
まずは、「大好きなベランダに出たい!」という期待。その背後には、
- 洗濯機を回す音が聞こえる
- 洗濯物をハンガーに干している
- バスケットを持ってリビングに来た
- 一緒にベランダに出られる
これらのプロセスをハナは一つずつ目で確認し、ベランダに出るまでの時間を待ち侘びているようです。洗濯物を外に干せない雨の日は、ベランダへ先回りするハナの予想は外れ、しょんぼりとした姿に。こんな日は、しばらく空を見上げていることがあります。
飼い主のスキを見逃さない
犬は本当に敏感ですよね。飼い主が自分以外のものに意識が向いているとき、ほんのちょっとした隙に、いたずらをされたことはありませんか?
我が家のハナは、洗面所のドアの隙間10㎝を見逃しません。短いマズルでドアをこじ開けてバスマットの上におしっこをすることがあります。我が家の家の作りは、洗面所と寝室の間にウォーキングクロゼットがあるのですが、衣類を整理している隙に先回りして洗面所へと押し入り、おしっこをしてしまうのです。
これはハナにとって失敗(粗相)ではないので、「怒られる筋合いはないの」という顔をしています。ハナがバスマットにおしっこをする背後にもプロセスがあります。
- 後住犬テファを構っている
- テファのおもちゃを取り上げる
- ハナを叱る
- バスマットにおしっこをする
- 私がハナの元へ行く
- バスマットを洗濯する
- リビングに放置したおもちゃを取り返すことができる
ハナが学習したプロセスがあるのだと思います。
先読みする犬の行動
飼い主が帰宅したとき、玄関の前でお出迎えしてくれる愛犬に愛おしさが募りますよね。これは、犬の「体内時計」の働きによって、飼い主の帰宅時間が近くなると愛犬が玄関で待っている、という説があります。
そしてもう一つ、犬は近い将来起こり得る出来事を予測できるといわれています。2011年に発生した東日本大震災の前に、犬が突然泣き叫ぶなどの異常行動が目撃されています。地震科学者によると、これは地下のマグマの動きによって生成される電気信号を感知していると考えられています。
犬の特殊能力には、科学者や犬の行動心理学者にも解明されていない未知の能力があるようです。話が少し脱線しましたが、飼い主さんの一番身近にいる愛犬の話に戻しましょう。
愛犬が玄関の前で飼い主の帰りを待つのは、犬が自分にとって嬉しい出来事を待機しているときではないでしょうか。それには忍耐力も必要となります。「大好きな飼い主さんが帰ってくる!」「まだかな?まだかな?」など、愛犬にとって嬉しい出来事を期待して、犬の体内時計も働きながら待機しているのです。
犬は飼い主の行動を良く観察している
犬がどのように先のことを予測できるのか(先読みしているか)については、残念ながら研究報告はないようです。犬の鋭い観察力が、先読みの力を発揮しているのかもしれません。
大好きなお散歩の時間。飼い主が靴下を履く→ジャケットを羽織る→テレビを消す→電気を消す→玄関のカギを持つ、これらの行動が犬にとってお散歩に連れて行ってもらえるプロセスとなります。
どの段階で予測するかは、犬が自分で経験をしながら学習しているのかもしれませんね。犬は視覚・聴覚・嗅覚、潜在能力を駆使して、自分にとって嬉しい出来事を予測しながら忍耐強く待つのでしょう。
まとめ
みなさんのご家庭でも、飼い主だけが知っている愛犬の能力を感じることがありませんか?愛犬との暮らしの中で役立つための、犬に先読みさせるように仕向ける訓練は、飼い主さんならできるかもしれませんね。
つまり、躾に取り入れることはできそうですね。愛犬を置いて外出するときに、犬が纏わりつくことがありますよね。これは犬がお散歩に連れて行ってもらえる期待を込めた、ちょっとした先読み行動です。我が家の場合は玄関のカギを取る順番を変えて、「お散歩じゃないのよ。お留守番していてね」と、言い聞かせます。
お散歩に行くときのプロセスは守り、それ以外のときは順番を変えるようにしています。ご紹介したのは、筆者が愛犬を観察して分かった、我が家の一例です。科学者や研究者たちに解明されていない能力を、飼い主が発見するのも楽しいかもしれません。