1.巻き込まれ事故の防止
最も危険性が高く命にかかわる恐れもあるのが、愛犬のリードの巻き込み事故です。これは海外だけの話ではなく日本でも増加している事故であり、犬の飼い主さんにとっては決して他人事ではないのです。
大事故に繋がる恐れ
愛犬とエレベーターに乗った際に愛犬を抱っこしていないと、愛犬がエレベーターに乗り遅れたり突然外に飛び出してしまったりする危険があります。そのとき、飼い主さんがリードを握ったままの場合はエレベーターの中と外で繋がったまま、エレベーターが動いてしまうことになります。
そうすると、首輪をつけた愛犬は強い力で首を吊った状態となり命にかかわる大事故になってしまいます。
そして、リードを手に絡めて握ったままの飼い主さんの指がリードにより切断されてしまった、という痛ましい事故も実際に日本で発生しています。
予期せぬ動きを防ぐために
突然飛び出したり動かなくなったり、犬は予期せぬ動きをすることがあります。犬は何かが気になったり怖がったりするとそれに集中してしまい、周りが見えなくなって飼い主さんの指示も聞こえなくなってしまうことがあるからです。エレベーターには命にかかわる大事故の危険性があるということを理解し、愛犬と乗る際には常時、抱っこをしておく必要があります。
2.トイレの粗相を予防
臭いの染みついたカーペット
エレベーターの中の床部分には、カーペットのようなものが敷いてあることが多いですよね。床だけでなく、壁部分にも貼ってあることもあります。洗ったり消臭したりする機会がほとんどないこのカーペットには様々な臭いがついており、他のペットの臭いもついている可能性もあります。
マーキング等おしっこの防止
そういった興味深い臭いが付いた場所では、マーキングをしたくなってしまうわんちゃんも多いため、愛犬のおしっこの粗相を予防するためにもエレベーターには抱っこして乗るようにし、愛犬を床には下ろさないようにしましょう。あのような密閉空間でおしっこをしてしまったら、臭いを除去するのはとても難しく、他の住人の迷惑となってしまいます。
3.接触トラブルの回避
「ペット可」の意味
「ペット可賃貸」は「決まりの中でなら飼っても良い」という意味で、住人全員がペットと暮らしているわけではありません。マンションによっては、階によってペット可とペット不可の部屋が分かれているところもあります。
犬好きだけが住んでいるわけではない
そのため、ペット可のマンションであっても動物が苦手な方もお住まいです。犬が怖いというだけでなく、動物の被毛やフケなどによりアレルギー症状やぜんそくが出てしまうために接触を避けている方もいます。このように、エレベーターという密室で犬と一緒になりたくないという住人もいる可能性があります。
密室での接触トラブルを防止するため
また、神経質で臆病な子の場合は他の人に対して吠え続けてしまったり、フレンドリーすぎる子の場合は突然じゃれついてしまったりする可能性もあります。他の住人と愛犬の接触トラブルを防ぐためにも、エレベーターという密室の共有部分では愛犬を抱っこしておきましょう。
犬が苦手な人への気遣いはマナー
集合住宅には様々な人が住んでいます。犬が大好きな人もいれば、苦手な人もいます。これはまさに社会の縮図であると私は思います。犬の飼い主は犬が苦手な人もいることを忘れずに、想像力と思いやりをもって社会の中で生活していきたいですね。それが犬の地位の向上にも繋がると私は思っています。
まとめ
- うちの子は賢いから大丈夫
- うちの子は小さいから問題ない
- うちの子は噛まないから安全
このような過信をしていると、思いもよらない事故に繋がる危険があります。エレベーターでの犬の巻き込み事故は国内外で多発しており、問題となっています。愛犬や飼い主さんの命にかかわる事故になりかねないので、エレベーターに乗る前から降りた後まで愛犬は常時抱っこしておく必要があります。
また、エレベーター内でおしっこをしてしまったり、他の住人との接触トラブルを起こしたりといった問題を予防するためにも、エレベーターに乗る前から降りた後まで愛犬を抱っこしておくことがマナーです。犬が好きな人もそうでない人も安全で快適に過ごせるように、犬の飼い主としての気遣いを持って生活したいですね。