シニアって何歳から?
犬のシニア期とは、小型犬は7~10歳、大型犬は5~7歳頃が目安とされており、シニアの年齢にはっきりとした定義はないようです。犬種や個体によって大きさが異なりますし、シニアの域に入っても、運動量が衰えない犬もいます。
飼い主さんが愛犬の様子を観察しながら判断していくことが大切です。愛犬と触れ合う時間が長い飼い主として、一番気づきやすいのが”食欲の変化”ではないでしょうか。
理由1.運動量が減るから
犬も年齢を重ねると運動量が減り、基礎代謝も低下します。これは人間も犬も同じこと。加齢とともに内蔵機能が徐々に低下していき、消化機能も衰えていきます。胃の中に消化しきれない食べ物が残っていたり、便が排泄されていなかったりする状態では、犬はお腹が空きません。
また、足腰や関節の衰えも運動量が減少する一つの原因に。高齢犬でも足腰と関節が健康であれば自然に運動量が増えますし、食欲増進につながります。
理由2.味覚が変わる
犬は同じフードを毎日食べ続けても飽きることはないと言われています。急にご飯を食べなくなったのはフードのせいではありません。ですが、年を重ねるごとに犬の味覚に変化が現れることがあるようです。人間が年を取ると脂っこい物よりあっさりとした物を食べたくなるように、犬も食べものの嗜好が変わるのかもしれませんね。
犬の味覚は人間の5分の1程度といわれており、甘味・酸味・塩味・苦味、4つを味わうことができるといわれています。その中で犬が最も敏感なのが「甘味」だそうです。以前と比べて食いつきが悪かったり、ご飯を食べなくなったりしたら、いつものフードに甘味を意識したものをトッピングしたり手作りご飯を試してみたりしてはいかがでしょう。
理由3.噛む力の衰え
シニアになると食べ物を噛む顎の力が低下していくことで、食が細くなったりフードを食べなかったりすることがあるようです。ドライフードを噛みにくそうにしていたら、柔らかいウェットフードに変えてみるのも一つの方法です。
フード選びも重要な点です。運動量と基礎代謝が低下するシニア期の犬は、カロリーが高いフードを与えると肥満を招く原因にもなります。このタイミングで、骨や関節、筋力を維持するための高たんぱく・低カロリーのシニア犬向きフードに切り替えることも大切です。
茹でたカボチャやサツマイモなど、愛犬が好きな野菜をフードに混ぜて与えるなど、食欲を増進させる飼い主ならではの工夫と愛情を添えてみましょう。
理由4.加齢による食欲減退
犬も年齢を重ねるにつれ、基礎代謝や運動量の低下によって食欲そのものが減少していきます。嗅覚や味覚も徐々に衰えていくため、食べ物への反応が薄れ、大好きだったフードやおやつを食べなくなることがあるようです。
高齢期に入っても、以前と同じように食欲旺盛な犬もいますが、いくら健康で活発な犬でも、徐々に食事の量が低下していきます。食欲は健康のバロメーターといえるでしょう。
理由5.怪我や病気
愛犬がご飯を食べないとき、飼い主として一番気になるのが病気の心配でしょう。いつものフードを食べないだけではなく、大好きなおやつも食べず、水も飲まずに嘔吐や下痢を伴う場合は、病気の可能性もあります。犬は本来ムラ食いする傾向があり、体力のある成犬期なら1日くらい絶食しても体力を温存することができます。
しかし、体力が衰えているシニア犬がフードや水を一切口にしないとなると、病気が進行する恐れがあります。いつもと様子が違う場合は、動物病院で受診することをおすすめします。
まとめ
一過性の食欲不振は犬には良くあることですし、成犬であれば2~3日様子を見ることもできます。ですが、シニア期に入った犬の場合は、フードを食べないことで急激に体力を消耗させる恐れがあります。
病院へ連れて行くタイミングの見極めが難しいところですが、食欲不振が現れた頃から定期的な健康チェックを行い、高齢期の栄養管理について獣医師に相談しましょう。