犬の年齢を『歯』で見極めるための方法
成犬の場合
成犬の推定年齢を歯で見極めるときは、歯の黄ばみ・歯石・汚れ・摩耗などを参考にすることがあります。
推定1歳頃での成犬の場合、歯が白く、清潔に見えます。推定年齢2歳頃の成犬の場合、歯垢が多くみられるようになり、汚れの付着が目立つようになります。
推定年齢3歳から4歳頃の成犬になると、歯の黄ばみや茶色くなった歯石などがみられるようになり、口臭や歯茎の炎症が起こるなど、歯周病の症状がみられるようになります。
5歳を過ぎた成犬の場合、歯の摩耗が進みます。歯石や歯周病を放っておいた結果、歯の一部が欠落していたり、歯がグラグラと取れそうになっていたり、ひどい口臭や腐敗などもみられたりするようになります。
これらは、明確なものではなく、あくまでも、推定年齢を歯の状態によって判断するための、ほんの少しのポイントです。保護されるまでの間、歯のケアをしっかり行っていた成犬であれば、シニア犬や高齢犬であっても、歯の状態が良く、口の中も清潔な状態であることがあります。
子犬の場合
生後どれくらいの子犬なのか、歯の状態によって判断するときのポイントです。
- 生後2週齢から4週齢の子犬には、歯は生えていません。
- 生後3週齢から4週齢の間に、歯が生え始めます。
- 生後4週齢から6週齢の以降、前歯と小臼歯が生え始めます。
- 生後8週齢になる頃には、全ての歯が生えそろいます。
- 生後4か月齢から5ヶ月齢頃になると、永久歯へ生え変わり始めます。
- 生後7ヶ月齢頃には、全ての歯が永久歯へと生え変わります。
- 子犬の歯は全部で28本あり、永久歯へと生え変わると42本になります。
犬の年齢を『行動』で見極めるための方法
若い犬は動作が速く、お散歩のときの歩くスピードも速いです。5歳頃までの成犬の場合、リードをグイグイ引く勢いがあるくらいです。ニオイや音など、あらゆることに興味を持ち、好奇心も旺盛なので、お散歩に集中できないこともあります。
5歳を過ぎたシニア犬になると、リードをグイグイと引っ張ることも少なくなり、落ち着いてお散歩をすることができるようになります。いつもお散歩をしているコースであれば、ニオイや音など、環境にも慣れているため、興味や好奇心によって、集中して歩くことができなくなってしまうこともないでしょう。
高齢犬になると、動作はゆったりとなり、歩くスピードもうんと落ちます。関節炎などによって、歩くことを嫌がることもあります。また、昼間と夜の判断が上手くできなくなり、夜中に起きてしまったり、夜鳴きをしてしまったりするなど、認知機能の低下による行動がみられるようになります。
犬の性格によって、もともと落ち着きのある穏やかな犬もいます。高齢犬になっても、リードをグイグイ引っ張って歩く犬もいます。あくまでも、推定年齢を歯の状態によって判断するための、ほんの少しのポイントです。
犬の年齢を『目』で見極めるための方法
目の状態によって、犬の推定年齢を見極めるためのポイントは2つあります。核硬化症や白内障による症状の有無です。シニア犬の年齢に突入すると、核硬化症の症状が目にあらわれるようになります。
核硬化症(かくこうかしょう)とは、加齢によって、核の層が圧縮されて硬くなることで、水晶体が青白く見えるようになることを言います。核硬化症と白内障は症状が似ていますが、核硬化症では視力は低下しないとされています。白内障である場合、水晶体が青白くなり、視力も低下するため、歩くことを嫌がったり、物にぶつかるようになったりするなどの症状がみられるようになります。
まとめ
犬を保護したときなど、犬の年齢を見極めたいときは、
- 歯
- 行動
- 目
の状態によって、その犬の推定年齢を見極めることができます。あくまでも、推定年齢を歯の状態によって判断するための、ほんの少しのポイントです。その犬が、保護されるまでの間、どのような環境で暮らしていたのかによっても大きく変わることがあります。