愛犬にたくさん構ってあげることはいいこと!でも…
自分の愛犬は他の子よりも可愛い!そんな感情を飼い主ならば、多くの人が抱いていることでしょう。まるで我が子のように可愛い愛犬にできるだけたくさん時間を割き、構ってあげたいと思うのは当然です。
実際、飼い主と犬のスキンシップ時間やコミュニケーション時間を多く設けることで、一緒に暮らすパートナーとしての絆が深まったり、あるいは犬側のストレスを緩和させてあげたりすることにも繋がるため、良い心掛けと言えます。
しかし、24時間365日…とまでは言いませんが、1日の大半を犬優先にして生活することで、愛犬と常に一緒に居ようとする行為はNGです。極端に構い過ぎてしまうと、愛犬に悪影響を及ぼす恐れがあります。
犬に構いすぎない方がいい理由
犬は飼い主とスキンシップを取ったり遊んだりすることが大好きです。しかし、常に一緒に行動したり、構ってあげたりと極端に依存するような構い方をしてしまうと、愛犬にとって様々な悪影響が生じてしまいます。
お留守番に対してストレスが強くなる
まずは単純に、お留守番ができなくなる恐れがあります。飼い主としては常に一緒にいたいと思うかもしれませんが、どうしても買物に行ったり、仕事へ行ったりと家を空けなければいけない時間は出てきます。
しかし、あまりにも構い過ぎてしまうと、犬は1匹で過ごす時間になれていないため、お留守番中(またはお留守番前)に必要以上のストレスを感じることになります。このストレスは犬にとって非常に負荷が強いため、心身ともに悪影響を及ぼします。
飼い主が見えなくなると強い恐怖感に襲われる
さらにエスカレートしてしまうと、お留守番だけでなく、飼い主の姿が見えなくなるだけで強い恐怖感や不安感に襲われるようになります。
例えば、洗濯物を洗濯機から取り出し干すために、一時的に犬の過ごす部屋から離れるだけでも、「飼い主さんがいない」と強い不安感や恐怖感に襲われ、ストレスを感じるようになってしまうのです。
すると、飼い主を呼ぶために無駄吠えを頻発してしまったり、不安を紛らわすために周囲の物に当たり散らしたりするなどの問題行為を起こす原因となります。
わがままになってしまう恐れがある
常に飼い主が構ってあげることで、「飼い主さんが自分を構ってくれるのは当たり前」と思い込んでしまい、わがままになってしまう恐れもあります。
すると、構っていないときに不満を訴えるように吠え出したり、エスカレートしてしまうと飼い主が意にそぐわない行動をしただけで威嚇したりするような仕草や態度を見せるようになってしまいます。
自分のしなければいけないことを後回しにしてまで構うのではなく、自分のしなければいけないことが一段落し、時間が空いたら愛犬とのスキンシップ時間にするというスタンスが適切でしょう。
犬側の休む時間がなくなり疲労が溜まる
犬は飼い主に構ってもらうことが大好きです。しかし、飼い主に構ってもらうことを好むあまり、構ってもらっている間に溜まっている疲労を忘れてしまっていることがあります。
犬にももちろん、ゆっくりと休む休養時間は必要です。しかし、犬はそれを自分でコントロールすることが難しいため、飼い主が構ってくれれば休憩を後回しにして遊んでしまうのです。そのため、必要な休息をとることができず疲労が溜まってしまい、心身どもに良い状態とは言えません。
愛犬が自ら休むようなポーズをとっているときは、無理に構うのではなく、休憩を優先させるためにも少し離れた場所で様子を見守るなど、適度な距離感を保つことも大切です。
分離不安には要注意!
犬に構い過ぎない方がいい理由を4つご紹介しましたが、実はこのうちの上記2点(『お留守番に対してストレスが強くなる』『飼い主が見えなくなると強い恐怖感に襲われる』)は分離不安症に当てはまる症状です。
分離不安とは、飼い主の姿が見えなくなったり離れてしまったりすることで、大きな恐怖感や不安感に襲われ、そのたびに大きなストレスを抱えてしまう一種の精神病です。
極端に一緒に居る時間が長かったり、構い過ぎたりしてしまうことで、飼い主に対して信頼感ではなく依存している状態となってしまい、姿が見えなくなると「もう会えないかも」「寂しいよ。不安だよ」といった心理状態が作り出されます。
すると、部屋の中を荒らして回ったり、トイレを失敗したり、中には自傷行為をし出す犬までいます。心身ともに悪影響を及ぼす精神病なので、適度な距離感に徐々に慣れさせるなどの改善が必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は飼い主に構ってもらうことに幸せを感じますが、その一方で甘い過ぎてしまうと悪影響を及ぼすことにもなりかねません。スキンシップ・コミュニケーション時間はしっかり飼い主が管理し、適切な距離感を維持することを心掛けましょう。