犬が高いところを怖がる理由
基本的に高いところが苦手な犬は多いと思います。元々犬の祖先とされる動物たちは、平地や穴倉などで暮らしてきており、木に登ることもありませんでした。
また、ネコ科の動物のように高い場所から飛び降りることもできるようなしなやかさもないため、高いところから飛び降りることに適していない体の構造となっています。猫のように細い場所をスムーズに歩くようなバランス感覚もないため、足場の不安定な場所なども苦手としています。
そのため、容易には飛び降りることができない高さであり、足元の面積が小さな病院の診察台やトリミング台は、犬が恐怖を感じやすいとされています。怖いと感じる分動き回りにくいため、それを利用して診察やトリミングを短い時間で安全に行うこともできるのです。
また、足場の面積が狭く急角度で降りなければならない階段も苦手とする犬はたくさんいます。特に登ることはできても、下を向いて降りていくことができない犬が多いようです。
高いところが好きな犬もいる?
高いところが苦手な犬が多いと言われていますが、「うちの犬はソファやベッドなど高いところに登るのが大好き」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、ソファやベッドであれば犬が自ら無理なく乗り降りできる高さのため、特に“高い場所”として認識しているわけではないと思います。高い場所に登りたくてソファやベッドに乗るというよりも、よりふかふかで大好きな飼い主さんのにおいがする場所でくつろぎたいという思いで、ソファやベッドに乗っているのだと考えられます。
特に床面に比べやや高い位置にあるソファやベッドの方が暖かいため、冬場になるとそうした場所に登りたがる犬が多くいます。
ソファやベッド程度の高さであれば、犬も恐怖心を持ちにくいとされていますが、老犬になり感覚が鈍ったり足腰が衰えたりすることで、それらの高さでも抵抗を感じるようになったり、乗り降りすることで関節に負担をかけたりすることがあるので注意してみてあげなければなりません。
犬が高いところに登っているときの注意点
高いところが苦手な犬は多いとしましたが、子犬や好奇心旺盛なタイプの犬は高いところでもかまわず登ったり飛び降りたりすることがあります。
いくら高いところに対して恐怖心がないとしても、犬は猫などのように高いところから飛び降りることに適した体ではないため、怪我をしたり関節に大きな負担をかけたりしてしまうことがあるので注意しましょう。
遊んでいる最中に高い場所から飛び降りようとしたり、診察台やトリミング台から恐怖のあまり飛び降りようとしてしまったりすることもあると思いますが、それらは大変危険な行為です。そのため、犬が高いところにいるときは決して目を離さないようにしたり、体を支えてあげたりして怪我などのトラブルがないように気をつけなければなりません。
また、家の中などでもソファやベッドから勢いよくジャンプすることなどはできるだけやめさせるようにして、体への負担を減らすようにしましょう。
まとめ
犬は祖先から受け継いだ習性や体の構造上、高い場所や足元が不安定な場所を苦手としています。それらを怖いと感じる犬は自ら登ることはないと思いますが、若く好奇心旺盛な犬は危険を顧みずに登ってしまうこともありますし、病院などでは高さのある診察台に乗る必要があります。そうしたときには犬が怪我をしてしまうことのないようにしっかりと体を支えたり、目を離さないようにしたりして、安全を確保してあげてくださいね。