犬にとっての散歩の必要性
どんなに小さな犬でも外に出て歩く、あるいは走ることの必要性とは何でしょうか。
運動要求量を満たすため
一番の目的は、犬たちに運動をさせるためです。オオカミは一日に20kmもの距離を歩くといわれています。これは食料を探すためなのですが、探す必要のないイエイヌとなった現在の犬たちも、オオカミほどではなくとも一日にかなりの運動をしないとストレスがたまってしまうようです。
家に寝転んでいるばかりですと、人間同様に運動不足からくる肥満や体重増加による関節炎、糖尿病など、リスクが高まります。適度に動いてリフレッシュすることで、病気を予防する意味もあるんですね。
社会化のため
外出をして様々な刺激に触れることは、犬の社会化に役立ちます。人とのふれあいや騒音への馴化、他の犬たちとの付き合い方など、学べることはたくさんあります。
家の中にいるばかりではわからないものに触れて、慣れていくことで犬の外界に対する不安や恐怖心が和らぐばかりか、適度な刺激をうけることで犬たちのストレス発散にも役立ちます。
飼い主とのふれあい
家の中で決まった行動をしているだけではなく、外を一緒に歩くことでわかる犬の異常もあります。歩き方がおかしい、外に行きたがらない、歩くとすぐに疲れてしまうなど、家の中では気づきにくい病気のサインも、外で歩くと目につきやすくなります。
また、道を歩いているときに犬たちが何に興味を示すのか、ほかの犬や人とすれ違ったときはどんな反応をするのか、一人でぐんぐん歩きたいのか、人との時間を楽しみたいのかなど、犬たちの個性を知る機会にもなるのです。
犬のお散歩の必要量
犬たちのサイズによって、お散歩の量というのは変化していきます。一般に小型の犬は歩く距離も短くなりがちですが、ジャックラッセルテリアのように、とにかく走り回りたい体力のあるタイプの子ですと、1時間歩いてもまだ足りない!ということもあるでしょう。逆にちょっと大きめの犬でも30分も歩けばもうたくさん、という子もいます。
必要な量を満たしているかどうかは犬によって異なるので、お散歩後の体力を見ながら調整するのがいいようです。
犬が喜ぶ散歩の方法
たっぷりにおいを嗅ぐ
しつけの面ではあまり好ましくないといわれていますが、犬たちの情報収集を邪魔しないお散歩の仕方をすることは、犬のお散歩満足度が上がります。
外の世界は刺激がたくさんあり、道端のにおいは情報の宝庫です。どんな犬がここを通るのか、オスかメスかだけではなく、おそらく相当たくさんの情報を犬たちはにおいから嗅ぎ取っているのでしょう。
リードにゆとりを持たせて歩くと、鼻を地面から離さないくらいにおいを嗅ぎながら歩いている子がいます。彼らの好奇心を邪魔することなく、じっくり待ってあげるのもよいかもしれません。
速度に緩急をつける
ゆっくり歩いたり、ちょっと小走りになってみたり、犬の様子を見ながら速度を切り替えてみましょう。すると犬たちは飼い主さんとかけっこをしている気分になったり、お話をしている気分になったりするようで、じっと飼い主さんを見ながら歩き始めます。
次は何をする?と話しかけながら歩くのもよいでしょう。すると犬の意識が飼い主さんに向き、外を歩く不安が強い犬でも、興奮しやすい犬でもちゃんと脇について歩けるようになります。もともと犬たちは飼い主さんが大好きなので、一緒に遊ぶ気分で楽しく歩けますよ。
注意しなければいけないのが、走りっぱなしにならないことです。ずっと走りっぱなしになってしまうと犬を制御できずに、思わぬ事故につながることもあるので、基本は「歩く」をメインに行います。
まとめ
室内で飼育されている犬にとって、お散歩は何もなくても楽しいことです。飼い主さんもこれを義務と思わず、一緒にお外の世界を楽しむつもりで歩くといい気分転換になりリフレッシュできます。飼い主さんが楽しいと、犬もきっと楽しんでくれると思いますよ。