理想の飼い主になるための鉄則を考える
「私+愛犬」と「あなた+愛犬」の関係性が異なるように、「犬と飼い主」との関係性は様々にあります。そして、“こういった関係性が正しい!”という定義は一切ありません。犬にも、それぞれに性格があります。大人しい性格で穏やかな飼い主を望む犬もいるでしょう。活発で賑やかな飼い主を望む犬もいるでしょう。
そういったことから、自分と愛犬の関係性を、他人と愛犬の関係性と比べても、ほとんど意味はありません。愛犬は、あなたとの今の生活が当たり前のものだと思っています。あなたとしか生活を共にしたことがなく、今の生活以外を知り得ないからです。
犬にとって、飼い主さんが全てであり、一生涯を共にします。20年ほどの短い生涯の中で、愛犬がどれだけの幸せを得ることができるかは、全て飼い主さんが握っています。あなたの愛犬にとって、『理想の飼い主になるための鉄則』は何であるか、これを機会に、じっくり考えてみませんか。
1.『犬を犬として扱うこと』
私たち飼い主のほとんどには、犬に対して、ペットという概念がありません。我が子であり、家族です。しかし、まるで人間のような扱いを受けている犬を見ると、どうしてもいたたまれない気持ちになってしまうことがあります。
ギラギラに輝くアクセサリーや装飾を纏った服を着ている犬。身動きしにくいのではないだろうか、暑さや脱水症状はないだろうか、ストレスで健康を害していないだろうかと、心配になってしまいます。犬は、人間と暮らす中でも、犬としての習性や本能を忘れることはありません。犬は犬なのです。
2.『リーダーであること』
飼い主は、犬にとって、絶対的な権力者であるリーダーでなければなりません。よく、自分のことを“親”として振る舞うことがあると思います。愛犬にとって、ママやパパになるということです。しかし、犬にはママやパパという概念はありません。誰がリーダーであり、自分の立ち位置はどこか、本能的に見極めています。群れで生活する犬にとって、リーダーは絶対的な権力者です。
もし、犬がリーダーになってしまったらどうでしょう。絶対的な権力者が犬であったらどうでしょう。問題行動を引き起こす、恐ろしい存在になってしまうかもしれません。しつけを行うこともできず、手に負えなくなってしまうかもしれません。その結果、人を噛み殺してしまった、というニュースが流れてしまうのです。
3.『一生涯、飼い主であり続けること』
愛犬が亡くなるときまで、一生涯、飼い主であり続けること。何よりも、理想の飼い主になるための鉄則、という言葉に相応しいのではないでしょうか。面倒に感じてしまい、お散歩をサボってしまう日があるかもしれません。仕事や家庭のことでイライラしてしまい、感情的に愛犬を叱ってしまうことがあるかもしれません。自分の時間を優先し、愛犬を構ってあげない日があるかもしれません。
完璧な飼い主であり続けることは、なかなか難しいことです。それでも構いませんので、一生涯、飼い主であり続けてください。一生涯、飼い主であり続けることを誓うことができないのであれば、犬を飼わないでください。必ず犬を不幸にします。
まとめ
愛犬にとって理想の飼い主になるための鉄則について、
- 犬を犬として扱うこと
- リーダーであること
- 一生涯、飼い主であり続けること
この3つをテーマにお話しました。
理想の飼い主になるということを考える機会を作っていただくきっかけにしていただくことができるでしょうか。見捨てられてしまったり、殺処分されたりしてしまう犬がこの世からいなくなるよう、私も理想の飼い主であり続けたいと思います。