1.大型犬用のフードを与える×
小型犬用と大型犬用のフードの違い
ドッグフードのパッケージには「小型犬用」「大型犬用」というような表示が書いてあります。中には「全犬種用」と記載されたものもありますね。「犬は犬だし、ドッグフードならどれも同じじゃない?」と思ってしまいますが、小型犬用と大型犬用のフードには内容に違いがあります。
摂取カロリーの違い
意外に思いますが、小型犬用のフードは大型犬用よりも1粒あたりのカロリーが高く設定されています。なぜかというと、身体の小さい小型犬は大型犬に比べると1回の食事で摂取できる量が少ないためです。回数を増やさずに1回の食事で十分なカロリーを摂取できるよう、小型犬のフードは大型犬用と比べるとカロリーが高めに作られています。
粒の大きさ
小型犬用のフードはその小さい口や身体に合わせて、小粒で簡単に噛み砕くことができるように作られています。噛みづらい粒だと喉に引っかかりやすくなってしまい、大きな粒だと消化するのも身体に負担がかかりやすいためです。一方、大型犬はあまり噛まずに丸飲みをして食べる子が多いため、大型犬用フードはよく噛んで食べられるようにしっかり噛み応えのある大き目の粒で作られています。
小型犬には小型犬用のフードを
小型犬と大型犬は同じ犬ではあるものの、その身体の大きさによって必要な食事の内容が異なります。小型犬の小さな身体に負担をかけずに必要なカロリーや栄養素を摂取するために、小型犬には小型犬用のフードを与えるようにしましょう。
2.ジャンプで昇り降りさせる×
小型犬は脱臼しやすい
「脱臼(だっきゅう)」とは、骨の位置が本来の位置から外れてしまうことです。脱臼は関節の可動域を超えてしまうような激しい運動をすることが原因で起こります。
特に脱臼を起こしやすい犬種は
- トイプードル
- チワワ
- ヨークシャーテリア
などと言われています。
骨の細い小型犬はこの脱臼を起こしやすいため、急な方向転換や激しいジャンプはさせないほうがよいでしょう。
特に膝のお皿に注意!
犬が起こしやすい脱臼は「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」です。膝蓋骨とは膝のお皿のことで、メスはオスよりも膝蓋骨脱臼を1.5倍起こしやすいというデータもあります。膝蓋骨脱臼は生まれつきの関節の異常である場合もありますが、ジャンプでの登り降りや転倒などが原因で後天的にも起こしやすい脱臼です。
小型犬の負担を減らす工夫
ソファーやベッドなど高さのある場所が犬のお気に入りスペースである場合、その近くにペット用のスロープや階段を設置してあげると足腰への負担が軽減されます。また、フローリングが滑りやすい場合もケガをしやすくなるため、カーペットや滑り止めマットを敷いてあげましょう。足の裏の毛が伸びていることもフローリングで滑りやすい原因となるため、肉球を毛が被ってしまわないように定期的にカットしてあげましょう。
3.寒さ対策をしない×
小型犬は寒さに弱い
小型犬は大型犬に比べると寒さに弱いという見方があります。これは「ベルクマンの法則」というものによる考え方です。
ベルクマンの法則とは、恒温動物において「温暖な地方に住む動物は身体が小さく、寒冷な地方に住む動物は身体が大きい」という法則です。この法則は、暑い場所では体が小さい方が体の熱を放熱しやすく、逆に寒い場所では体が大きい方が体の熱を保ちやすいという体温調節の理由によるものです。この法則の上で考えると、身体の小さい小型犬は大型犬に比べると寒さに弱いと言えます。
シングルコートの犬種にはしっかり寒さ対策を
犬の毛には「シングルコート」と「ダブルコート」があります。ダブルコートは被毛が太くてしっかりとした上毛と、柔らかくて保温や保湿の役割りをする下毛の二層になっています。それに対して、シングルコートは上毛しかありません。寒い地方が原産の犬種は、厳しい寒さに耐えられるようにダブルコートの被毛をしています。シングルコートの犬種はダブルコートの犬種に比べると寒さへの耐性が弱いです。
- トイプードル
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
- パピヨン
- ミニチュアピンシャー
以上の小型犬はシングルコートの犬種なので、冬の時期にはしっかりと寒さ対策をしてあげる必要があります。
まとめ
犬の身体の大きさによって注意してあげたいことが異なります。
身体の小さい小型犬を健康的に飼育するには
- 小型犬用のフードを与える
- ジャンプや転倒での脱臼に注意する
- 寒い季節には寒さ対策をしてあげる
この3つが重要なポイントとなります。
最近では犬を室内飼いすることが一般的になったため、賃貸マンションでも飼いやすい小型犬の人気が高まりました。同じ犬なのですが、小型犬には小型犬の、大型犬には大型犬の注意点があるということを覚えておきたいですね。