犬はどうして顔が濡れるのを嫌うの?
犬がシャンプーを嫌がる理由は?
犬のケアの中で、大切かつ大変なのがシャンプーですよね。定期的なシャンプーを行わなければ皮膚トラブルを起こしてしまう可能性もあるので、飼い主さんとしてはなんとか大人しくシャンプーさせてもらいところだと思います。しかし、水が嫌いでシャンプー自体も苦手に感じる犬も多いと思います。犬が水を苦手に感じる理由とはいったい何でしょう。
- 犬種によるもの
- 過去のトラウマ
犬はもともと猟犬として活躍していた犬種が多く存在します。川や湖など水辺で狩りをしていた犬種は、飼い主が打ち落とした獲物を泳いで取りにいっていたので、泳ぐことも水も大得意。プードルやレトリバー系は水に対する苦手意識がない個体が多く、水遊びが大好きな子が多いです。
いっぽう陸地で猟を行っていた犬種は、水に対する苦手意識が強い傾向にあります。泳ぐことを必要とされていなかったため、水に対する適応能力が低いようです。ビーグルやダックスフントなど陸地に暮らすウサギやアナグマを狩っていた犬種は、水が苦手な傾向にあります。
また、初めてのシャンプーで恐怖心が芽生えてしまった子も、その経験がトラウマとなり、水は怖いものと学習してしまうこともあるようです。
特に顔が濡れるのを嫌がる理由
水が苦手な子は特に顔が濡れることを嫌がる傾向が強いように思います。顔は視覚、聴覚となる、目、耳がありますよね。また、ご飯を食べる口や、犬の最大の五感である嗅覚や呼吸をするための鼻もあります。犬にとって敏感で大切な部分が集まっている場所です。この大切で敏感な場所が濡れてしまうことに不快感を持ってしまう子もいるようです。
おとなしくシャンプーさせる方法は?
顔が濡れることに1度苦手意識を持ってしまった犬に、お利口さんでおとなしくシャンプーさせてもらうのは、なかなか至難の業です。基本的なシャンプー方法とともに、おとなしくシャンプーをさせてもらえるポイントを一緒にお伝えしていきます。
身体を濡らす
ブラッシングで余計な毛を取り除いたら、身体を濡らしていきましょう。シャワーの温度は38℃ほどに設定。強い水圧や突然身体全体にシャワーを当ててしまうと犬は驚いてしまいます。シャワーの音が響かないよう、犬の身体にシャワーヘッドを優しく当てて、お尻の方からゆっくりと濡らしていきます。
身体をシャンプー剤で洗った後に顔を濡らすのがポイント!
毛の流れに沿って少しずつ身体全体を濡らしていきますが、顔や頭はまだ濡らさずにいましょう。早々に濡らしてしまうと暴れてしまうかもしれません。顔と頭部以外を全て濡らすことができたら、身体から先にシャンプー剤を使用して洗ってきます。泡立てたシャンプーでお尻から洗っていきましょう。お尻から後脚、前脚、胸、背中の順で指の腹を使って優しくマッサージするように洗います。身体を洗うことができたら、いよいよ顔を濡らしていきます。
鼻を濡らさないように顔を濡らしていくのがポイント!
顔を濡らすときは身体を濡らすときよりも、シャワーの水圧を落とし、鼻や耳に水が入らないよう注意して濡らしていきます。顔が濡れるのを嫌がる子は、特に鼻が濡れることを嫌うことが多いので、鼻を濡らさないようにするのがポイントです。
鼻先を少し高く上げて、シャワーヘッドを後頭部から少しずつ前に動かし濡らしていくと、鼻を避けやすいので試してみてください。また耳の穴も特に敏感な部分なので、耳を塞いであげると少し安心してくれるかもしれません。強く拒絶される場合は1度シャワーで濡らすことは諦めましょう。
ゆっくり少しずつ慣れてもらうのも大切!
洗面器にお湯をため、スポンジにお湯を含ませて少しずつ顔を濡らしていきます。スポンジに反応してしまう子は飼い主さんが手でお湯をすくい、顔を濡らしてあげてください。無理せずゆっくりと慣れてもらいましょう。
顔を濡らすことができたら、顔もシャンプーを使って洗っていきます。スポンジを使って泡立てながら洗ってあげると素早く洗い終えるでしょう。顔を洗うのも嫌がる子が多いと思います。泡が目に入らないよう注意して、力を入れすぎずに優しく手早く洗いましょう。
シャンプーを洗い流す
顔を洗い終えたら、頭部から順に身体の高い位置からシャワーで洗い流していきます。シャンプー剤が残っていると皮膚トラブルの原因になりかねないので、しっかりとすすぎましょう。顔を洗い流すときもシャワーを嫌がる子はスポンジに含ませたお湯で流すようにしてください。しっかりタオルドライをして、ドライヤーで乾かします。
まとめ
水に対する苦手意識、また顔が濡れるのを嫌がることを覚えてしまうと、シャンプーはとても大変になります。我が家の愛犬も自宅でシャンプーをしていますが、慣れるまで相当な時間がかかった記憶があります。シャンプーの後にだけ与える特別なオヤツを用意して、ゆっくり根気よく慣れてもらいました。
犬のシャンプーは思いのほか犬自身の体力を消耗するもの。手早く綺麗に済ませるためにも、愛犬の好きなご褒美を用意しておくのも良いかもしれませんね。どうしても難しい場合は、水に流さないタイプのシャンプーも販売されているので、試してみるのもいいと思います。
シャンプーするときに、飼い主さんが必死になりすぎていると愛犬も不安になってしまいます。優しく声をかけながら綺麗にしてあげましょうね。