犬のしっぽは魚の尾びれ!?
犬の祖先が狼なのは有名な話しですよね。では狼の祖先はなんでしょう?狼が人間に飼われ家畜化され、犬が誕生したという説がありますが、その歴史よりも更に古く、今から5億年ほど前、海で暮す生き物の進化により、陸上に多くの生き物が誕生したのです。
陸上に暮す多くの生き物の祖先は「魚」
現在、地球上に存在する脊椎動物の全ての祖先は「魚」になります。脊椎動物とは背骨を持つ生き物。哺乳類である犬や私たち人間はもちろん、鳥類、爬虫類、両生類などが脊椎動物になります。
5億年前の地球では、陸上に生き物は存在せず、全ての生き物が海の中で暮らす魚類でした。その時、魚類は水中を泳ぐための尾びれを立派に発達させていたのです。この魚類の尾びれが後の「犬のしっぽ」に進化していきます。そして、何らかの理由で一部の魚類が陸に上がろうとしたときから進化が始まります。
陸に上がろうとした魚類の身体は進化を続けていきます。胸のひれが前足になり、腹部のひれが後足になり、尾びれはしっぽとなりました。そして四肢動物が誕生したのです。魚類は四肢動物へと進化を果たし、陸に上がった四肢動物は様々な脊椎動物へと進化していったのです。
犬や人間などの哺乳類は魚類、四肢動物、爬虫類、哺乳類へと進化の順を追っています。爬虫類は基本的にしっぽがありますよね。爬虫類から哺乳類へ進化をとげた脊椎動物の中でも、しっぽが必要だった動物は更に発達し、人間のようにしっぽが必要なかった生き物は退化していったようです。
大半の哺乳類はしっぽを持っているので、しっぽを持たない人間は哺乳類の中でちょっと変わった存在なのかもしれません。犬は立派にしっぽが発達したようですね。犬にしっぽが必要だった理由とは何なんでしょう。
犬にしっぽがある理由4つ
1.バランスをとるため
犬のしっぽには身体のバランスをとる役割があります。走っている最中に曲がるとき、また急な方向転換をするときに、しっぽで上手にバランスをとっているようです。しっぽがあるおかげで高速で走っているときに曲がる際にも、スピードを保つことが出来るとか。犬以外でも早く走ることが必要とされる動物は、しっぽが発達しており、とても重要な役割をはたしています。
また走っているときだけでなく、水中を泳ぐときにもしっぽでバランスをとります。犬掻きは皆さんご存知のように頭だけ水中から出し、4本の足で一生懸命水をかきますよね。実は泳いでいる時もバランスを崩さないようしっぽで舵取りしているのです。
2.感情表現のため
犬は感情表現が上手な動物。人の目から見て分かりやすいのが「嬉しい時にしっぽを振っている」ですよね。飼い主さんは愛犬の感情を読み取るとき、しっぽの動きで確認する方も多いと思います。
犬のしっぽが発達した理由は、群れの仲間とコミュニケーションをとるためにも必要不可欠なものだったからではないでしょうか。犬は野性時代、群れを作り、その群れの仲間達と狩りを行い獲物を捕らえ食事をし、寝床も共にする生き物でした。喜び、怒り、恐怖など様々な感情をしっぽの動きで表しコミュニケーションをとることで、群れの仲間と絆を深めていたのかもしれません。
犬のしっぽは感情が出やすい部分でもあり、また現在でも犬同士でコミュニケーションをとるときに活躍する部位でもあります。
3.暖をとるため
寒い季節になると、身体を暖めるかのように丸くなって眠っている愛犬を見たことはありませんか?犬は寒さを感じると、身体を丸め体温を保とうとします。その際、しっぽを身体に巻きつけて身体を暖めたり、鼻の上にしっぽを置き、冷気が身体の中に入らないようにしているのです。寒い地域原産の犬種はフサフサとした暖かなしっぽを持つ犬種も少なくないようです。
4.虫を追い払うため
牛や馬、ゾウなどは虫を追い払うためにしっぽが発達したとか。犬も同じように、ハエなどの虫を追い払う道具としてしっぽを使うことがあります。
まとめ
私たち人間にはないしっぽですが、犬にとっては大切な役割や、無くてはならない理由もあるようですね。愛犬と飼い主さんとのコミュニケーションツールとしても重要な役割を果たしてくれるしっぽ。楽しげにブンブン降ってるしっぽを毎日見たいですね!