犬が無気力になっているときの理由
なぜ、犬は無気力になってしまうのでしょうか。私たち人間とは違う理由があるようです。私たちは、無気力になり、怠けてしまうことがあります。
しかし、犬には“怠けものな犬はいない”とする研究者もいます。そうなのだとすれば、犬が無気力になっているときの理由には、何か重大なことが隠されているかもしれません。
1.「苦痛」を感じている可能性が考えられます
犬は、あまり不満を漏らすことがありません。基本的には、どんなことであっても、飼い主さんや家族の言うことを聞きます。しかし、言うことを聞かず、ダラダラと過ごし、無気力になっているように見られることがあります。
でも、それは、決して怠けているわけではありません。おそらく、「苦痛」を感じています。カラダのどこかに不快感や痛みがあるのかもしれません。その不快感や痛みに耐えるため、ジッとしているのかもしれません。それでも、飼い主さんや家族にしつこく“おいで!”と呼ばれれば、立ち上がって寄っていくでしょう。お散歩にだって行くでしょう。
犬の無気力な理由に気づくことができない飼い主さんは、とても多いと思います。犬の無気力な姿は、苦痛のサインかもしれません。
2.「うつ病」を患っている可能性が考えられます
うつ病は、人間に限った病気ではありません。犬も、うつ病を患ってしまうことがあります。犬が、うつ病を患ってしまう原因として考えられることには、引っ越し・生活環境の変化・家族や仲間の喪失・新しい家族や仲間が増えるなどです。何らかの変化に対して、心が上手く対応することができず、うつ病を患ってしまうことがあります。
お散歩へ行こうとしなかったり、ごはんを残すようになったり、大好きなおやつにも手をつけなくなってしまうなど、無気力な様子がみられるようになります。
明らかに元気のない様子がみられると思いますので、飼い主さんが早く気づいてあげることが必要です。病院で診察や治療を受けることも大切なのですが、やはり、飼い主さんや家族の愛情とサポートが最も重要です。そうすることで、犬の心もより早く健康な状態を取り戻すことができるはずです。
3.「胃腸障害」を患っている可能性が考えられます
犬が胃腸障害を患っているときの症状として、無気力な状態があげられます。胃腸障害を患っているとき、食べた物を消化するときに不快さを感じます。そのため、食欲も低下しますし、症状が長く続けば、体重の減少もみられます。その間ずっと、無気力な状態が続き、ダラダラと過ごしている様子がみられます。
犬の胃腸障害には、例えば、急性胃腸炎・大腸炎・便秘・下痢・膵炎・膵外分泌機能不全・小腸吸収不良などがあります。無気力な状態以外にも、その他の症状がみられると思いますので、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。
胃腸障害は、異物や有毒なものを食べてしまったとき、ストレスやアレルギー、運動不足、水分不足、感染症、人間の食べ物を食べたとき、疾患や外傷などが原因で起こります。事前に防げることもありますので、しっかり対策を行うようにしましょう。
4.「学習性無力症」である可能性が考えられます
学習性無力症とは、犬が過剰な緊張やストレスを感じていることによって、身動きを取ることができなくなってしまう状態のことを言います。例えば、普段は活発で元気に動き回る犬が、病院やトリミングサロンや他人の家へ行ったとき、急に大人しくなることがありますよね。
飼い主さんがブラッシングをしてあげようとすると、はしゃいで暴れてしまうのに、トリマーさんがブラッシングをすると、大人しく、されるがままになっている。それは、過剰な緊張やストレスによって、逃げられなくなってしまった状態だからです。
犬は、“この状況から逃げ出すことは難しい”という状況になってしまったとき、その状況から逃げ出す努力さえも行わなくなってしまうことがあり、その状態のことを「学習性無力症」と呼んでいます。あまりの緊張とストレスによる、無気力な状態です。
まとめ
犬が「無気力」になっているときの理由として、
- 苦痛
- うつ病
- 胃腸障害
- 学習性無力症
この3つの可能性が考えられることをご紹介しました。愛犬が無気力な状態になっているとき、当てはまる理由があるかもしれません。ぜひ、症状や対処法などご参考ください。