犬は飼い主の表情を見分けることができる?
犬は怒っている人間の顔と笑っている人間の顔を区別できる
オーストリアのウィーン獣医大学が行った様々な実験により、犬は、怒っている人間の顔と笑っている人間の顔を確実に見分けることが実証されました。
さらに、怒っている顔は嫌悪、苛立ちなど否定的な感情を示し、笑っている顔は好意や喜びなどの肯定的な感情を示していることも、犬は理解できる、ということがわかりました。
犬は生まれつき人間の言葉を聞き分けることができる
イギリスのサセックス大学の研究によると、犬は特別な訓練をしなくても、人間の発する言葉のうち、母音と子音を聞き分けられることもわかりました。さらに、声の高低、声量、口調などから、人間の感情を感じ取ることができる、ということも実証されました。
犬と人間の信頼関係に関わるホルモン「オキシトシン」
いくつかの実験によって、犬は人間の表情や声から人間の感情を理解する動物であることがわかりました。けれども、なぜ、犬が他の動物よりも人間と意思を交わしあう能力に優れているのかについては、諸説あり、明確な理由はまだわかっていません。
ただ、日本の研究者のグループが、犬と人間がお互いに理解し合う関係を築けるのは、どちらも「オキシトシン」と言うホルモンが体の中で分泌されるから、という研究結果を発表しています。
「オキシトシン」は、俗に「幸せホルモン」あるいは「抱擁ホルモン」と呼ばれ、人間の母子が抱き合ったり、優しく体に触れ合ったりすることで分泌されるホルモンで、犬の体の中でも分泌されます。
研究結果によると、オキシトシンをたくさん分泌し合える間柄になると、お互いの感情に強く共感するようになります。例えば、飼い主さんが悲しいときは愛犬も悲しくなるし、飼い主さんが嬉しいと愛犬も何だか気持ちが浮き立つ、と言った現象が起きると言います。
犬は飼い主の感情をどのように理解しているのか?
犬は、人間の喜怒哀楽を理解しているか?
犬は、人間の表情によって「怒っている顔はキライ」「笑っている顔は好き」という認識を生まれながらに持っています。さらに、人間の声の高さ、口調などからも人間の感情を察することができるので、人間の「喜怒哀楽」は理解できていると考えられます。
けれども、飼い主さんの感情を犬に正しく理解してもらおうとするなら、犬に対するコミュニケーションをかなりはっきりと明確に犬に伝える必要があります。
犬が尻尾を振って喜びを飼い主さんに伝えてくるのと同じくらいに明確に、自分の意思と感情をぴったりと一致させて、愛犬とコミュニケーションを取ります。褒めるときは満面の笑顔で口調も思い切り甘い声で褒めます。逆に叱るときは、小さな子供さんなら泣き出してしまうくらいに厳しい声と毅然とした態度で叱ります。
そういった経験を経て、愛犬はより正確に飼い主さんの意思を理解できるようになります。そして、黙って愛犬と見つめ合うだけで、愛犬は飼い主さんの表情を見てその感情を読み取れるようになります。
まとめ
犬は、人間とともに生物としての歴史を刻んできた動物です。「犬は人間の最良の友」と言われるように、犬ほど人間に対して寛容で、人間のことを理解できる動物はいません。
「どうせ、言葉なんかわからないから」と思われる人もいると思いますが、犬は言葉で人間を理解しようとしているのではなく、人間の表情や行動から人間を理解できるのだということを心に留めておきましょう。そうすれば、愛犬に対して、優しい笑顔を見せて優しい言葉をかけてあげられるようになるはずです。
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20代 男性 匿名