1.耳・耳の中
柴犬のようにピンと三角であったり、ダックスフンドのようにペロンと垂れ下がっていたり、犬の耳はとってもかわいくて、ついつい触ってみたくなります。
触った時の独特の感触が病みつきになってしまう犬の耳ですが、触るとプイッと耳を動かしてしまうことが多くあります。周囲の音をキャッチして情報を集める耳は犬にとって大切な器官ですし、顔から飛び出ていて傷つきやすい部位ですので、耳を触られるのを好みません。また、耳の中は自然界ではいじられることもないしとても敏感なため、耳掃除を嫌がる子も多くいます。
2.鼻の頭
犬の鼻は毛が生えておらず、つるっとしていてひんやり、プニプニの魅力的な感触をしています。犬の鼻がなぜ濡れているのかと言うと、水分を含ませた空気を吸い込むことでにおいを感知しやすくなるためと言われています。
思わずツンツンしたくなってしまいますが、毛の生えていない鼻の頭はとってもデリケートですので、触られるのを好まない犬が多くいます。
3.マズル
目から鼻までのでっぱりを「マズル」と呼びますが、このマズルも犬にとって不必要に触られたくない部分の1つです。母犬が子犬をたしなめるときなどに母犬が歯を出しながら自分のマズルを子犬のマズルにあてたり、子犬が食べ物を催促するときに母犬の口元をなめたり、犬同士のあいさつでも口元をなめることはありますが、目元や口元であるマズルはとても大切な部位です。
食べたり攻撃したりする口を相手に制されたり、目の前に何かがあったりするのは犬にとって不快な場合がありますので、触り方には注意しましょう。しかし、犬にとって自分のマズルをあずけるということは「従います」という意味合いとなるので、マズルは自由に触らせることができるのは信頼関係が築けている証拠となります。
4.足先・肉球
爪切りを嫌がる子は多い
愛犬の爪切りで四苦八苦してしまう飼い主さんも多いことと思います。爪切りの音や痛みを味わった経験などから、爪切りを怖がることもありますが、犬はもともと足先を触られることに不快を感じる、警戒するということも大きな理由の1つです。
動物にとって足は急所
野生動物にとって、足をケガすることは命の危険もある重大なことです。そのため、ケンカをするときは相手の足を狙うこともあります。家庭犬も足先を触られることを本能的に嫌がります。飼い主さんに触られるのは平気でも、見知らぬ人には足先を触らせない犬もたくさんいます。
肉球をプニプニし過ぎに注意!
足の裏の肉球にいたっても、同じく嫌がる子が多くいます。鼻の頭と同様に毛が生えておらず、プニプニのグミのような感触がたまらなくかわいいのですが、毛が生えていないゆえに敏感な部分です。あまりしつこくプニプニしないようにご注意を!
5.しっぽ
犬はしっぽの動きや位置によって様々な感情表現をします。フサフサと豊かに動くしっぽを触ってみたくなりますが、しっぽも犬が触られたくない部位です。しかし、ウンチのあとにおしりを拭いたり肛門腺を絞ったりするときなど、しっぽを持ち上げる必要がある場面はよくあります。
子犬の頃から触られるのに慣れている子は良いのですが、神経質な子だとしっぽを触ると威嚇してくることもあります。しっぽも体から飛び出ていて傷つきやすい部位ですので、触られると身の危険を感じてしまうのかもしれません。幼い子供は興味本位にしっぽを握ってしまいがちですので、絶対にやらせないように注意しましょう。
まとめ
今回は、犬が触られたくないと思っている身体の部位を5つご紹介しました。
- 耳耳の中
- 鼻の頭
- マズル
- 足先肉球
- しっぽ
以上は犬が本当は触ってほしくないなぁと思っていることが多い部位です。共通点は、どこも体の先端部分であるということです。体から飛び出ている部位や体の端っこである先端部分は傷つきやすい部位ですので、触られるのを嫌がるワンちゃんが多いと考えられます。
しかし、犬のしつけとしてはどこを触られても平気でいられる、最低限我慢できる子にトレーニングすることが重要です。動物病院で受診するときには耳の中や口の中、足先などを触る必要がありますし、触られることに抵抗して噛んでしまうといった問題行動は人間にとっては大変危険ですし、犬にとっても必要な処置を行ってあげることが難しくなりベストな健康管理ができなくなる可能性が高まります。
体の先端部分を触られるのが平気な犬でも、ギュッと握ると危険を感じストレスとなってしまうかもしれないので、気を付けてあげましょう。触られるのを嫌がる子では、まずは軽く触れ合うことから始め、徐々に優しく触ることを意識しながらトレーニングをしましょう。日頃から触られたくない部分を触られることに慣らしていくことがいざという時のためにも重要です。