①おもちゃは必ず一緒に遊ぶ
おもちゃを含め、犬が噛んだり遊んだりするものに対して所有欲や執着心が強い場合、必ず飼い主の手からそれらを離さないようにしてください。おもちゃなどを犬に渡してしまうことで犬はそれを抱え込んで離そうとせず、取られそうになるとより強い執着心を持つようになってしまうようになります。
そのため、ものにたいして所有欲や執着心を見せている場合、必ず飼い主と一緒に遊ぶということを心がけて、おもちゃは飼い主の手で持って遊ぶようにしましょう。おもちゃを飼い主が持った上で犬にもくわえさせて引っ張りっこ遊びなどをするといいでしょう。
ボールなどを取って持ってこさせるという遊びをする場合にも、完全に飼い主の手からおもちゃを離してしまわず、投げるおもちゃやボールにひもなどをつけて、必ず飼い主の手から離さないようにしてください。お気に入りのおもちゃを犬だけに抱え込ませないようにして、必ず飼い主と“共有”することを守るようにしましょう。
②食べ物は飼い主の手から与える
おもちゃを独り占めさせないことと同様に、食べ物についても必ず飼い主の手から食べさせるようにします。投げて食べさせたり、床から拾って食べさせたりせず、飼い主が指でつまんで犬の口に運んだり、飼い主の手の平から与えたりするようにしてください。
また、犬の食事中に近づくと唸って守ろうとしたりしないように、犬の食事中はフードボウルに手をかけたままにしておいたり、一度フードボウルを引き上げてみたりして執着心による攻撃性を出さないように慣らしておきましょう。
すでに食べ物に対して少し執着心を見せている場合には、食事中にフードボウルに手を近づけてフードやおいしいトッピング食材などを追加してあげて、「人の手が近づいてくるといいことがある」と思わせ、警戒心を持たないように教えてあげましょう。
③『頂戴』を徹底して教える
所有欲によって食べ物やおもちゃに強い執着心を持ってしまうと、それらを取り上げようとしたり、近づいたりしたときに相手に対して攻撃性を見せてしまうことがあります。そういったトラブルを防ぐためには、口でくわえているものを飼い主に渡す『頂戴』や『離せ』のしつけをしておくことが大切です。
『頂戴』『離せ』の練習をするときにポイントとなるのが、『頂戴』『離せ』の指示ですぐに離してくれたときは、また犬に返してあげるということです。何度もくり返し練習をすることで「飼い主に渡しても取り上げられるわけではない」「またそのうち返してくれる」ということを覚えて、それらのものに対して強い執着心を持ちにくくなります。
まとめ
お気に入りのおもちゃや大好きな食べ物に対して強い執着心を持つことで、それらに近づく相手に対して吠えたり噛んだりといった攻撃をしてしまうことがあります。
「犬のハウスを掃除しようと中に手を入れたら噛まれてしまった」「犬がご飯を食べている横を通ったら吠えかかられた」など危険なトラブルが起こらないよう、日頃からおもちゃを共有して遊んだり、食べ物は飼い主の手からあげたりして、所有欲や執着心が強くなりすぎないようコントロールしてあげることが必要です。
また、小さな頃からほかの犬と一緒に遊ぶ機会をつくったり、『頂戴』『離せ』の練習だったりをして、おもちゃや食べ物を独り占めするくせをつけないようにしておくこともとても効果的な予防法だとされています。