犬に時間の感覚はあるのか?
私たち人間は、朝6時に鳴り出した目覚まし時計を見て「朝だから起きよう」と思い、7時半になった時計を見て「仕事に遅れるから行かなくちゃ!」と急いだりします。12時になった時計を見て「そろそろお昼だ」、17時になった時計を見て「仕事は終わり」などと思ったりもするでしょう。
そんなふうに私たち人間の1日は時間を基準にして回っているものですが、犬にとって時間とはどのようなものなのでしょうか?
基本的には、犬は正確な時間というものの感覚はないと考えられています。当然のことながら数字を読むことができず、誰かと時間で約束をしたりすることのない犬たちには必要のない感覚ですので、それらを身につける必要もないのでしょう。
しかし、それは“人間と同じ時間感覚”を持たないというだけであり、犬は犬なりに時間間隔を日々の中で身につけていると考えられています。
犬の1日は7時間って本当?
犬の時間感覚の話になると、よく見られるのが「犬の1日は7時間相当である」という説。時計を持たず時間を知らない動物たちの時間感覚が、心拍数などに影響されているという考えからそのような説が生まれたようです。
平均寿命から考えて、私たち人間に比べて約4倍のスピードで生きている犬たちは、私たちにとってはわずか1時間のことでも4時間近い感覚で過ごしているのではないかということです。
そうすると私たち人間の1日が犬にとっては3日以上の感覚になりますが、犬は1日のうち12時間~15時間を寝て過ごしており、起きて活動している時間が人間に比べて非常に短いので、体感的にはそれほど長い1日ではないとも考えられています。
犬は時間をどのように認識している?
犬は私たち人間に比べて早い時間感覚の中で生きているということを知ると、一人で何時間も留守番をさせると、ものすごく長い時間に感じさせてしまうのでは?などと心配してしまう飼い主さんもいると思います。
しかし、自然界では生きているわけではなく、飼い主さんとともに人間の時間感覚・スケジュールに合わせて生活している飼い犬の場合は、人間に近い時間感覚を持っているのではないかという考えもあります。
飼い主さんが起きる時間や寝る時間、出かける時間、散歩や食事の時間などを日々の生活の中で知ることで、1日のスケジュールや行動のタイミングというものの感覚を自然に身につけていくからです。
飼い主さんがいない時間の大半を寝て過ごし、飼い主さんと過ごす時間を散歩や遊び、食事などで満喫していることで留守番時間などを異常に長く感じることもなくなるのだと考えられてもいます。
その分、いつもよりも留守番時間が長くなってしまったり散歩の時間が短くなってしまったりすると、体感的に持っている感覚とのずれを感じてストレスや不満を感じることは十分に考えられます。
まとめ
犬の平均寿命は約15年前後で、私たち人間と比較するとあっという間に年を取っていってしまいます。そのため、時間感覚も人間の4倍ほどとされており、犬にとっての1日は7時間単位で過ぎていくと考えられています。
しかし、犬は正確な時間をはかることはできないため、どちらかというと一緒に生活している人間の生活リズムやタイムスケジュールに合わせた感覚を持つのではないかとも考えられています。
ハイスピードで過ぎていってしまう犬たちの時間を少しでも充実したものにしてあげられるよう、私たち飼い主にできることは何かということを考え、一緒に過ごせる時間を大切にしていってあげたいものですね。