老犬ホームとは
近年、犬と暮らす人が増え、犬に関するサービスも増えました。その中のひとつに、“老犬ホーム”があります。諸事情により、老犬のお世話をすることができなくなった飼い主さんから依頼を受け、施設内で老犬を預かり、介助や介護を行っています。
諸事情は様々です。飼い主さん自身も高齢となり、老犬のお世話が困難になるケースもあります。老犬に対して、適切なお世話をすることが難しく、プロの手を借りたいというケースもあります。老犬ホームの背景には、必ず、飼い主さんのニーズがあるようです。
“私の不十分な介護を受けるよりも、プロの適切で快適な介護を受けた方が、愛犬は幸せなのではないか”と、考える飼い主さんもいらっしゃいます。老犬の介護には、肉体的忍耐と精神的忍耐が必要です。“老犬ホームにお世話になって本当に良かった”という声が多いのは、飼い主さん自身が、肉体的・身体的な苦痛から解放される。そういった要素もあるのではないでしょうか。
老犬ホームでの過ごし方と特徴
どれくらいの期間を老犬ホームで過ごすのか
短期で預けることもできますし、長期で預けることもできます。最期のときまで、老犬ホームで過ごす犬もいます。介護が必要な老犬は、ペットホテルや動物病院へ預けるよりも、24時間体制でお世話をしてもらうことができる、老犬ホームの方が安心できます。仕事の都合などによって、数日の短期間を老犬ホームに預ける飼い主さんもいらっしゃいます。
どんな方が老犬のお世話をしているのか
犬の看護師や介護士の資格を持った方や、一般のボランティアさんによって、老犬のお世話がされています。カラダに衰えはあるものの、まだまだ元気にお散歩を楽しむことができる老犬もいます。そういった老犬は、ボランティアさんによって、朝夕のお散歩を楽しむことができます。お散歩が終わると、カラダをキレイに拭いてもらい、水を飲み、休憩の時間です。
一頭一頭、その日の体調や体力に合わせて、お世話をしてもらうことができます。昼過ぎには、おやつの時間もあり、おやつを楽しみにしている老犬もいます。
老犬のカラダに負担がかからないように配慮されています
カラダが衰えてしまった老犬にとって、ほんの少しの移動も大きな負担になります。老犬ホームでは、一日を過ごす部屋のすぐ近くに排泄場所が確保されており、自力で歩いて移動する老犬もいれば、抱っこして移動させてもらう犬もいます。トイレの時間も決められており、時間になると排泄をします。
お手入れタイムがあります
午後には、お手入れタイムがあり、ブラッシングをしてもらったり、カラダを拭いてもらったりなどします。お手入れのほとんどは、一般のボランティアさんによって行われており、この時間をとても楽しみに待っている老犬もいます。
体力のある老犬は、午後に屋外(施設内)での遊びの時間があり、そのあと、お手入れタイムです。午後をゆったりと過ごした後は、夕食の時間が待っています。
老犬ホームには「デイサービス」もあります!
全国に広がっている老犬ホームですが、中には、デイサービスを行っている施設もあります。飼い主さんがお仕事に行っている間、老犬ホームでお世話をしてもらう、というサービスです。お仕事の前に預け、老犬ホームで過ごし、お仕事が終わったらお迎えに行きます。カラダが不自由になった老犬、自力で立ち上がることが困難になった老犬、寝たきりになってしまった老犬など、お留守番をさせることに不安のある老犬が、老犬ホームのデイサービスを利用しています。
自宅で寝てジッと過ごすよりも、デイサービスを利用し、お散歩を楽しんだり、みんなでおやつを食べたり、他の犬や人と過ごすことによって刺激を受けることができます。
老犬ホームの探し方
老犬ホームは、主に、都心から離れた場所の多く存在しています。老犬の健康面を重視し、自然豊かで空気の澄んだ場所が選ばれているのではないでしょうか。「老犬ホーム 〇〇〇〇(お住まいの都道府県名)」で検索してみてください。「全国の老犬ホーム一覧」と検索するのも良いです。インターネット上には情報が公開されていない老犬ホームもあります。トリミングサロンや動物病院などで尋ねてみるのも良いです。
まとめ
老犬ホームとは、どういった場所なのか、どのようなお世話がされているのか、興味を持っていただくことができたでしょうか。これから、もっともっと、老犬ホームのニーズは高まると思います。
老犬ホームを選ぶときは、施設の環境や衛生面や管理体制はもちろん、お世話の内容・介護スタッフ・料金などを比較し、愛犬に適切な施設であるかどうか、見極めなければなりません。施設によっては、大型犬や病気や障害のある老犬の受入れを行っていないこともあります。面会がいつでも自由にできるのかどうかも重要ですよね。