小型犬より大型犬の寿命が短い理由とは?

小型犬より大型犬の寿命が短い理由とは?

「犬」は、犬種によってかなり体格差のある動物です。当然、同じ動物なのだから、平均寿命はほぼ同じはずなのに、なぜいか、犬は小型犬よりも大型犬とでは平均寿命に差があります。今回は、小型犬より大型犬の方が寿命が短い理由について、考えてみたいと思います!

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

大型犬と小型犬の定義

グレートデンの足元に立つチワワ

大型犬の定義

正式な定義はありませんが、成犬時の体重が26~44キロを大型犬、それ以上の大きさの犬を超大型犬とする考え方が一般的です。

小型犬の定義

こちらも、大型犬同様、正式な定義はありません。成犬時の体重が4キロまでを超小型犬、1キロ~10キロまでを小型犬とするのが一般的です。

大型犬と小型犬の平均寿命

こちらを見つめるヨークシャーテリア

大型犬の平均寿命

最近の調査や様々な研究によって、犬の平均寿命は12~13年とされています。ところが、大型犬の平均寿命は10歳前後で、犬種によっては7歳で高齢犬としての飼育が必要になる場合もあります。

小型犬の平均寿命

犬の平均寿命が12~13年に対して、超小型犬や小型犬の平均寿命は14~15歳と言われ、個体によっては20歳近くまで長生きできる場合もあります。つまり、大型犬は早くて7歳、よく頑張って生きてくれても寿命は10歳前後なのに、小型犬の場合は20年生きられることもあるのです。同じ動物なのに、大型犬と小型犬では寿命にほぼ10年もの開きがあるということになります。

犬の肉体年齢の計算方法

電卓を使って計算している人の手

大型犬の肉体年齢の計算方法

大型犬は、最初の1年で人間の年齢に換算して12歳、2年目からは毎年7歳ずつ歳を取ると言われています。計算式は、以下になります。
12+(犬の年齢-1)×7

小型犬の肉体年齢の計算方法

超小型犬、小型犬は、最初の2年で人間の年齢に換算して24歳、3年目からは4歳ずつ歳を取ると言われています。計算式は以下の通りになります。
24+(犬の年齢-2)×4

小型犬より大型犬の寿命が短い理由とは?

少年の隣に座っている大きな犬

実は「小型犬より大型犬の寿命が短い理由」について、いまだその謎は仮説はたくさんあるものの、本当の理由は解明されていません。ですので、以下に挙げる理由は全て仮説です。

老化が速い

遺伝子が原因であるとする説や、体格差による成長過程で生じる負担を原因とする説など、たくさんの説がありますが、はっきりと目に見えて小型犬と大型犬との寿命の違いが現れるのは、身体的な老化現象です。 先ほどの「犬の肉体年齢の計算式」にあてはめて考えると、小型犬の10歳は人間でいうと56歳で、大型犬の10歳は人間でいうと75歳になります。人間にあてはめて想像してみましょう。56歳と75歳では体力も気力も違いますし、その分、病気になるリスクも加齢によって高くなります。また、食欲なども減退しますので、どうしても同じ年齢の小型犬と比較すると「年を取ったなあ」と感じてしまうかも知れません。

ガンの発生率が高い

同じ年齢の小型犬と比べて、大型犬は成長過程から老化現象が現れること、加齢によって特定のガンの発症率が高いことは、海外の研究によって明らかになっています。

体を維持するために大量のエネルギーを消耗するため

犬は、人間が様々な品種改良をした結果、同じ動物でありながら最小のサイズの犬種と最大のサイズの犬種で何と50倍もの体格差があります。地上の動物で、それほどの体格差があるのは犬だけです。人間に置き換えて考えてみると、少し小柄な人を小型犬として体重を40キロ前後とすると、大型犬はどうなるでしょう?

何と、体重が2トンもあることになります。当然、内臓の働きや骨格、呼吸器など体の中の臓器が動くエネルギーも、小柄な人と比べると多くのエネルギーを消耗することが想像できます。その負担の影響で、小型犬よりも大型犬の方が細胞の老化が速いのではないか?と考える人もいます。

まとめ

セントバーナードの成長過程

大型犬と比べて小型犬の方が寿命が長いと言っても、私たち人間と比べればその寿命はずっと短く、私たち飼い主は必ず愛犬を看取って、天国へと見送ることになります。いずれにせよ、それぞれの加齢のスピードに合わせて必要なケアも違いますので、大型犬を飼育されている方は7歳以降になったとき、獣医さんと相談して元気なシニア期を迎えられるように準備をされることをオススメします。

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