犬と睡眠について
犬の眠りは浅い
私たち人間は7時間前後の睡眠を必要とします。眠りの浅い深いに個人差はあるものの、人間は1度眠りにつくとあまり目を覚ますことなく数時間の睡眠をとるスタイルです。
一方、犬の睡眠は人間と比べると浅く、少しの物音でも目覚めてしまうことも多くあります。これは犬の野生時代のなごりで、突然現れる危険性にも早急に対処して身を守るためです。
犬に必要な睡眠時間は?
このように、犬は熟睡している時間よりもウトウトしている時間の方が長いという特徴があります。眠りが浅い代わりに、犬の睡眠時間は成犬で12~15時間、子犬や老犬は18時間ほどと、人間よりも長く必要です。
人間と正反対?!
犬の睡眠時間中、浅い眠りである「レム睡眠」が80%、深い眠りである「ノンレム睡眠」が20%という割合となります。一方、人間は「レム睡眠」が25%、「ノンレム睡眠」が75%と言われていますので、犬と人間は眠りの深さの割合がほぼ正反対です。
犬が安心して眠れていない時
こんな様子が見られたら不安を感じているかも
いくら眠りが浅いとはいっても、犬にも上質な睡眠時間が必要です。
何かに不安を感じている場合、
- ソワソワ、ウロウロする
- クンクン、ワンワン鳴き続ける
- 飼い主さんを起こそうとする
など、夜はグッスリ眠りたい飼い主さんにとっては少々問題な行動をとることがあります。
不安で眠れない原因は?
犬が落ち着いて眠れない場合に考えられる原因は
- 引っ越しや模様替えで環境が変わった
- 家族やペットが増えた
- 外から騒音がする
- 運動不足で体力が有り余っている
- ひとりで慣れない場所やゲージにいる
- 眠る場所が明るすぎる、真っ暗すぎる
- 分離不安
などが考えられます。
外から騒音がしたり引っ越しや家族が増えるなど、環境の変化に神経質になってしまう子も多くいます。子犬の場合に多いのが、ひとりでゲージに入れられたことで不安になり、暴れたり鳴き続けたりしてしまうこと、体力が有り余っているので遊びを始めてしまうことなどです。また、成犬になってからも飼い主さんと離れるとパニックを起こしてしまう「分離不安」の状態だと、飼い主さんと別室で眠ることやひとりでゲージに入ることで問題行動を起こすこともあります。
愛犬が安心して眠るためにできること
運動をしっかり行う
人間と同じく、犬も体に適度な疲労感がある方がグッスリ眠れます。特に子犬や若い犬の場合は体力も有り余っていますので、たくさん遊んであげることが重要です。お散歩の時間を充実させたり、雨の日も室内でできる遊びを一緒に楽しむことでワンちゃんがグッスリ眠りやすくなります。
また、ただ遊ぶだけではなくしつけトレーニングを兼ねた遊びを行うことで、頭と体の両方で充実感を得られます。運動不足でストレスが溜まってしまうと神経もとがってしまうので、まずは日頃の運動や遊びを充実させてみましょう。
くつろぎスペースを見直す
夜は飼い主さんと一緒に寝ているワンちゃんも多いことと思います。しかし、飼い主さんのベッドとは別でワンちゃん専用のくつろぎスペースも設置してあげると、飼い主さんがいないお留守番の時でも安心して眠ることができます。
ワンちゃんのくつろぎスペースづくりのポイントは
- 明るすぎず暗すぎない場所
- 静かな場所
- 寒くも暑くもない場所
- 直射日光が当たらない場所
- 広いよりは、体が収まるくらいの狭さが良い
- ワンちゃんが好きなタオルやブランケット、フワフワの犬用ベッドなどの接触刺激があると安心できる
です。
まとめ
睡眠時間は記憶の整理をしたり、体の組織を修復したりする大切な時間です。犬は野生時代の習性が残っている動物なので、不安を感じるとソワソワしたり鳴いたりしてよく眠ることができません。愛犬に安心してよく眠ってもらうには、散歩や遊びを充実させて体力を発散させたり、愛犬が安心してくつろげるスペースを設置してあげることが対処法となります。愛犬の健やかな成長と可愛らしい寝顔を守るために、みなさんもぜひ愛犬の睡眠についてチェックしてみてください。