犬が賢いと言われている理由①「犬の短期記憶は約2分」
とある研究によって、「犬の短期記憶は約2分である」ということがわかりました。この研究では、25種類の動物の記憶能力を比較し、短期記憶の平均が27秒であることもわかりました。平均が27秒であることに対して、犬の短期記憶が約2分であるということは、犬の記憶能力の高さを示したことになるのではないでしょうか。
短期記憶とは、短時間保持される記憶であって、保持することができる量はとても少ないのですが、時間内であれば、復唱や想起が可能である、とされているものです。ちょっと難しいように思えるかもしれませんが、このように考えてみてください。10枚の写真を同時に見ます。見ることができる時間は1分間です。この1分間の間に10枚の写真を全て記憶します。1分後、どのような写真があったか、10枚全ての写真を記憶することができているでしょうか。
犬は、この1分間に記憶した10枚の写真を、その後、約2分間、記憶し続けることができるということなのです。ちなみに、人間の場合、一般的には7個の文字や数を数十秒から数十分、記憶することができるとされています。
犬が賢いと言われている理由②「人間の2歳から5歳程度の知能を持っている」
個体差はありますが、犬の知能は、人間の2歳から5歳程度であるとされています。飼い主さんが出す指示の約98%を理解することができるともされています。警察犬として活躍するジャーマンシェパードなど、特に知能が高いとされている犬種は、しっかりとしつけを行うことで、人間の2歳から5歳程度の知能であるとされている以上の知能を発揮することもあります。
そもそも、人間の脳と犬の脳には、それほど大きな違いはないとされており、人間は前頭葉が発達している一方で、犬の前頭葉は割合が少ないのだそうです。その代わりに、犬は聴覚や嗅覚などの情報処理に関する脳の部位が人間よりも発達しています。こういった違いがあるからこそ、犬と人間がパートナーとして長く共存し続けているのではないでしょうか。
犬が賢いと言われている理由③「人間と暮らしているから」
犬は、もともと高い知能を持っている動物です。さらに、人間と暮らすことで、人間の行動や心理を理解する能力を身に着け、発達させてきました。人間によって、知能をさらに高めるためのしつけやトレーニングが行われたり、品種改良が行われたりし、どんどん進化し続けているんです。
私たち人間が、もっと深く犬を理解し、もっと深く付き合っていけば、犬はもっともっと賢くなるのではないでしょうか。いつか、人間に近い考えや知能を持つようになる日がくるかもしれません。ふだんの生活の中で、犬は、飼い主さんの行動や様子をよく観察しています。
「え?何でわかったの?」という瞬間、ありませんか?いつも飼い主さんのことを見ているので、ちょっとした行動だけで、これから飼い主さんがどこへ行くのか、何をするのか、自分にどんなことが起きるのか、理解しています。「キッチンのあの扉を開けたときはおやつがもらえるぞ」と、理解することができるんです。
まとめ
犬が賢いと言われている理由について、
- 犬の短期記憶は約2分
- 人間の2歳から5歳程度の知能を持っている
- 人間と暮らしているから
という3つのテーマで解説しました。
なぜ、犬は賢いのか、少しでもご理解いただけたでしょうか。私たちが考えているよりも、ずっとずっと賢い動物なのかもしれません。そう考えてみると、愛犬の前で、安易に発言したり行動したりできなくなってしまいそうですよね。