犬が人間に甘えてくるのはなぜ?
体をくっつけてきたり、前足をかけてきたり、顔をなめてきたり…、犬はさまざまな仕草・行動で人間に甘えてきます。犬が人間に甘えるのはその人のことが好きだから。その気持ちが前提にあり「かまって欲しい」「心配や不安なことがある」などの理由で、そばに寄ってきたりくっついてきたりして甘えるのだと思います。
甘えることが多いタイプかどうかは性格や生活環境などにもよりますが、子犬や老犬は特に甘えることが多いとされています。子犬はとにかく人にかまって欲しい、遊びたいという気持ちが強いので甘える行動が多く見られますが、年齢を重ねて老犬になったときにも“赤ちゃん返り”をして子犬の時のように甘えるようになったり、不安やストレスから甘える行動が増えると考えられています。
犬が人間に甘えるのは遺伝子が関係している
犬が人間に甘えるのは単純にその人のことが好きでかまって欲しいから、という気持ちが理由だと考えられています。しかし実は、犬が人間に甘える行動は遺伝子による影響であるということが研究によって明らかになり、Natureの学術誌『Scientific Report』で発表されたのです。
スウェーデンのリンショーピング大学の研究チームが190匹のビーグルを対象に行った研究で、その結果犬が人間に甘えるのは遺伝子が原因となっている可能性があると示されたものです。解決不可能な問題をひとつ含めたテストを犬たちに受けさせ、その際犬は近くにいる人間に近づいたり、じっと見つめたりする行動があるかということを記録。彼らのゲノムを解析し、それらの行動傾向が強い犬と弱い犬の相違点と共通点を調べました。その結果、注目すべき5つの遺伝子が見つかり、それらが人間とのスキンシップを求める時間に関係していると考えられているのです。
犬を甘えさせるときに気をつけること
犬と人間のスキンシップには関係性づくりやストレス解消効果などがありお互いの気持ちを安定させる効果などがあるとされています。そのため、犬に十分に甘えさせてあげことはとても大切です。しかし甘えさせることで反対に関係性が崩れてしまったり、分離不安になってしまったりと悪影響を及ぼすこともあるので注意しましょう。犬の思いのままにさせることは甘えさせるのではなく甘やかすことにつながります。甘やかしてばかりいると犬は自分の方が偉いと勘違いをし、飼い主さんに対してわがままな態度を取るようになったり攻撃的になることも。甘えさせることと甘やかすことは違うということをしっかり意識しておきましょう。
まとめ
愛犬が体を寄せて甘えてくる姿はとても愛おしいものですよね。甘えられる、また甘えさせてあげられる関係というのは理想的な関係ですが、愛犬の要求をすべて受け入れるようにして甘やかしてしまうと関係性に悪影響が出ることもあるので注意しなければなりません。愛犬の気持ちをほぐし、安定させる効果のあるスキンシップでしっかりと甘えさせながら、しつけをすべきところは毅然とした態度で接してメリハリがあり頼れる飼い主を目指しましょう!