犬界にもいじめは起こる?
人が複数集まるといじめが起こると言われていますが、犬の世界でもいじめが起こることがあります。いじめの定義を何とするかというと非常に複雑になってしまいますが、犬の場合は人間のように「何となくむかつく」など、漠然とした理由や自分が快感を得るためだけに相手を貶めたり意地悪をしたりということはあまり考えられません。犬のいじめの場合は、体力的に弱い犬や新しく仲間入りした犬に対して、自分の優位性を示すためなどに起こす行動がほとんどです。
遊んでいる中でしつこく追いかけまわしたり、おもちゃやおやつを横取りしたり、そばに近寄るとうなったりといったことが特定の犬だけに行われているようであれば、いじめの可能性があるでしょう。また、いじめられているように見える犬の方が反撃せずただ受け入れているような状態であれば、人が介入してあげなければならない状況だと思います。
いじめられやすい犬のタイプ
犬の世界にもいじめは起こるとされていますが、いじめにあう可能性の高い犬の傾向は次のようなものが考えられています。
新しく仲間入りした犬
個体差はあるものの、犬は基本的に群れや縄張りを意識することが多いとされています。そのため、すでに出来上がったコミュニティに新しく入ってきた犬に対しては、排他的な意識を持ってしまう犬は少なくありません。特に家庭内ではその傾向が強く、多頭飼いをするときには先住犬の性格や新しく受け入れる犬との相性をしっかりと見極めなければ、いじめが起こる可能性があるので注意しましょう。
おとなしい性格の犬
人間社会でもいじめの定義は非常に難しいとされていますが、相手の気持ちを考えずに嫌がることをしつづけることをいじめとするならば、やはりおとなしく意思表示ができないタイプの犬はいじめにあいやすい傾向にあります。遊びの中でしつこく追い回されたりしたときに怒ったり嫌だということを伝えられれば問題ありませんが、それができないおとなしい犬の場合はいじめに発展してしまうことがあるのです。
体が弱い犬、シニア犬
おとなしい犬と同様に体力的に弱っている犬などもいじめのターゲットになることがあります。特に家庭内や群れの中で自分の優位性を示したい犬の場合はその傾向にあります。多頭飼いの場合、先住犬が年を取ってきたタイミングで若い犬が台頭してくることがありますが、その過程でいじめが起きていることもあります。
多頭飼いでのいじめを防ぐ方法
犬の場合、人間のように学校や職場などで集団生活・集団行動などをする機会はほとんどないため、いじめもそれほど深刻にはなることがないと思います。しかし、多頭飼いをしている家庭内でいじめが起こってしまうと犬がストレスをためてしまったり怪我につながったりする恐れなどもあるので、十分注意しなければなりません。
多頭飼いの家庭でいじめが最も起こりやすいのが、新しく犬を受け入れたタイミングです。飼い始めの犬はどうしても手がかかりますし、家族も目新しさからついつい新しく飼った犬ばかりにかまってしまうことがあります。そうしたとき、先住犬は自分の地位を奪われるのではないかという不安や飼い主を取られたという嫉妬心などから、新しい犬をいじめてしまうことがあるのです。
特に先住犬がすでに複数いる場合は、深刻ないじめに発展することもあるので先住犬のケアを第一に考えるようにしてください。多頭飼いを始めるときはとにかく先住犬を優先し、先住犬の目の前に新しい犬ばかりをかわいがったりすることのないようにしましょう。犬同士の関係性がしっかりとできるまでは、意識的に先住犬を立てて優先して対応してあげるようにすることが大切です。
まとめ
犬の世界でもいじめというものは起きると考えられています。とはいえ、公園やドッグランなどでは必ず飼い主がそばについていますので、きちんと状況を把握していじめが発生しているようであれば、飼い主が引き離すなど介入すれば大きな問題にはなりにくいでしょう。
しかし、家庭の中でのいじめは放っておくと危険な事故やトラブルにつながる可能性があるので最大限気をつけなければならないことだと思います。多頭飼いの場合は新入りが来たばかりの頃は先住犬を優先し、ある程度関係性ができあがったら平等を意識して犬たちに接することが大切です。家庭内でのいじめは飼い主の対応次第で未然に防ぐことができると思いますので、多頭飼いを考えている場合はしっかりと対策をしておきましょう。