犬の要求や催促の仕草・行動
目をじっと見つめる
ふと気がついたら愛犬にじっと見つめられていた、という経験をしたことはありませんか?犬にとってアイコンタクトは大切なコミュニケーションのひとつです。そのため飼い主さんに何か伝えたいことがあるとき、じっと目を見つめるという行動をする犬も多くいます。
前足や鼻でつつく
飼い主さんの足や体を前足でちょいちょいと触ってきたり、鼻先でツンとつついてきたりする行動も要求・催促のあらわれだとされています。じっと見つめていても気がついてもらえないときや早く気がついてもらいたいときなどに直接触れることでアピールをするのです。
体重をかけて寄りかかる
特に飼い主さんが座っている時やくつろいでいる時などに、体を預けるようにして寄りかかってくることがあるのではないでしょうか?体を押しつけるように飼い主さんに対して寄りかかる時は何か伝えたいことがある、かまって欲しいまたはその場所をどいて欲しいなど、さまざまな要求が隠されていることがあります。
吠える
犬が飼い主に要求や催促の気持ちを伝える方法として最もわかりやすいのが吠えることです。ごはんが早く欲しいときや散歩に行きたいとき、おもちゃで遊んでほしいときなどに吠えることで注目を引いて伝えるのです。吠えることは他の仕草や行動に比べて飼い主に気がついてもらいやすいため、他の仕草や行動でダメだったときに吠える場合が多いようです。そして吠えれば要求や催促に気がついてもらえると理解した犬は、その後は吠えて要求や催促をするようになっていきます。
犬の要求や催促に従い続けるとどうなる?
犬は目を見つめたり吠えたりと様々な仕草・行動で要求をしますが、それらの要求に従っているとどうなるのでしょうか?犬は要求・催促を受け入れてもらえるととても満足すると思いますし、その瞬間は幸せな時間を過ごせるかもしれません。
しかし、犬の要求や催促に常に従い続けると飼い主さんのことを「何でも言うことを聞いてくれる存在」と認識してしまい、要求や催促がエスカレートしていく傾向にあります。要求や催促が多くなるというだけでなく、従ってもらえないときに吠えたり噛んだり物を破壊したりと問題行動を起こすようになってしまうことも。
要求や催促を受け入れているうちに気がついたら極度のわがままになってしまっていた、ということはめずらしくなく、従わないと暴れるからとまた要求・催促に従わざるを得なくなり悪循環に陥ってしまうことも多く見受けられます。
犬に要求や催促をされたときの正しい対処法
犬の要求や催促に従い続けることで起こる問題を防ぐためには、次のような対処法を意識するといいでしょう。
無視する
すでにわがままになってしまい、要求吠えなどのくせがついてしまっている場合、受け入れることのできない犬の要求や催促に対しては基本的に無視することが最善です。無視するときは“無反応”になることを意識して、吠えて要求を続ける犬に目を向けたり声をかけたりしてはいけません。「だめ!」「しずかに!」などの反応も返さないようにしてください。根比べになりますが、犬が吠えたり暴れたりすることを止めるまで辛抱して待ち、静かになって落ち着いてから犬に対応するようにしましょう。
指示を出してから要求を受け入れる
ごはんが欲しいときや遊んでほしいときなど、吠えたり飛び跳ねたりして催促することがありますが、そうした行動をしているうちは決してごはんを与えたり遊んだりしないようにしましょう。そうした際には上記のように落ち着くのを待ってからごはんや遊びの時間にしたり、おすわりやふせ、待てなど何か指示を与えたりして、犬にやらせてから与えるようにしてください。
他の行動で満足させる
犬がしてほしいことや欲しいものがあっても、必ずしもその要求や催促に従えないこともあるでしょう。時には我慢させることも大切ですが、あまりにも我慢ばかりが続くようだと犬もストレスをためてしまいます。犬の要求や催促を受け入れることができない状況が続く場合は、遊びやおやつなど、他のことをして満足感や楽しさを感じさせてあげるようにして適度にストレス発散をするよう心がけましょう。
まとめ
要求や催促の仕草・行動のくせをつけないために大切なのは「自分が催促の行動をしたからやってもらえた」と思わせないことです。もちろん前足で合図したり、目を見て要求を伝えたりすることは悪いことではありませんが、すべての行動が自分の思い通りになると勘違いされては困るので意識して対処する必要があります。
また、要求吠えや破壊行動などはくせになってしまうと困るので、そうした行動をしているうちは決して要求・催促に従わないように気をつけましょう。愛犬の気持ちを仕草や行動からしっかりと理解・把握した上で、適切な対処をすることで愛犬との関係性を正しく深めていくことができると思います。