犬にとってスキンシップとは
犬は飼い主に撫でてもらうことがとても好きですよね。自分から寄ってきて、頭や肩をすりつけて触ってもらおうとしたり、飼い主がその気じゃないときも無理やりお鼻を手の下に突っ込んでうまいこと自分の頭の上に飼い主の手をのせる形にもっていったりしませんか?
撫でてもらうことは犬にとって、飼い主の愛情を感じるとても幸せな行為なのです。
しかしスキンシップにはそれ以外にも重要な役目があります。日々、彼らをよく撫でてやり体を観察することで皮膚や被毛の異常をチェックしたり、体の痛いところやしこりの有無などをチェックしたり、健康維持にも役立つんです。
スキンシップ不足になると
飼い主の主観で犬をかわいがっているつもりでも、犬にとっては十分ではない場合があります。特にお留守番の時間が長い、話しかけてもらう頻度が少ない、散歩が不十分などの状態が続くと、犬は慢性的な愛情不足から問題行動を起こしやすくなります。特に手軽に行えるスキンシップは愛情表現に重要ですが、これが不足するとどのような問題が起こるのでしょうか。
目線で訴える・吠える
明らかに元気のない、悲しそうな表情が続いた場合は犬が強いストレスを感じている証拠です。
じっとりと上目遣いで飼い主の方を見ていたり、その動きを追ったり、あるいはちょっとしたことで吠えたりするときは「かまってほしいな」という要求を訴えているときでもあります。しつけを行う際には犬の要求をすぐに叶えてはいけない場合もありますが、スキンシップ不足だなと思うことがあるようなら犬との時間を十分にとってスキンシップをして愛情を伝えてあげましょう。
破壊行動
犬はストレスがたまるとその発散方法として「ものを噛む・ひっかく」などの行為に出る場合があります。人間もイライラすると何か物に当たりたくなることもありますし、同じ状態だと思ってください。
彼らの破壊衝動は自分のおもちゃだけでなく、クッションや家具、ティッシュやタオル、トイレシーツなど様々なものに向けられます。
ちょっと帰宅時間が遅くなったら家の中がひどいことになっていた、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はうちも、ソファの座面を食いちぎられたことがありました。
子犬のころは善悪が判らないまま好奇心の赴くまま様々なものを破壊しますが、成犬になって分別がついてから行う破壊行動は完全にストレス症状です。スキンシップ不足で情緒が不安定になっている場合もありますので、十分な運動とブラッシングやふれあいを行うなどして犬と向き合う時間を取ってあげましょう。
自傷をする
強いストレスがかかると犬も自傷行為のようなことをする場合があります。例えば体を強くかきむしったり、爪や指を血が出るまで噛んでしまったり、同じところをずっと舐めていたりなどです。
飼い主の目の前でやってくれればすぐ対処できますが、隠れてこれをやられているといつの間にか皮膚にすごい炎症ができていたり足先から血を流していたりして、驚いて病院へ受診することになります。
日頃からわずかな変化に気が付いてあげられるためにも、毎日のスキンシップは欠かせないのですね。
まとめ
犬はストレスを感じると様々なサインを出します。日頃から愛犬の状態をよく見ている必要があり、ちょっとでも違うと思った時は彼らのストレスのもとが何なのかよく考えてあげましょう。
そして日々の生活の中でどうしても時間が取れない場合や、お留守番が長くなってしまった時などは、意識的にスキンシップや話しかけの時間をとるようしてあげてくださいね。