犬の名前について間違った知識を持っていませんか?
愛犬を迎え入れて飼い主さんが一番最初にすることは、愛犬に名前をつけることでしょう。あれこれ悩んで決めた名前で愛犬を呼ぶと、本当に家族になったのだという実感が湧きますね。
でも愛犬自身は名前を呼ばれても、「自分の名前が呼ばれた」とは思っていないようです。犬は人と違って「自分には名前がある」という概念はなく、名前とそのあとに起こることを関連づけて覚え、名前を呼ばれると反応するようになります。つまり犬は、「名前を呼ばれると、自分に関する何かが起こる」と理解しているのです。
たとえ愛犬が自分の名前にアイデンティティを感じていなくても、愛犬にはいい名前をつけて、名前を呼んだらすぐにこちらに注目したり、駆け寄って来たりするようになってほしいですよね。でも、犬の名前について間違った知識を持っていませんか?今回は、犬の『名前』にまつわるNG知識をご紹介したいと思います。
NG知識①犬は賢いので、どんな名前でも覚えられる
犬は賢い動物ですが、2~3歳児程度の知能と言われています。あまり凝った名前や長い名前をつけてしまうと犬が混乱してしまい、覚えられない可能性があります。また、飼い主さん自身も長い名前は呼ぶのが面倒で省略して呼んだり、あだ名で呼んだりしてしまいがちです。呼び名が複数あると、犬はさらに混乱してしまうでしょう。
犬の名前は音の響きがよく、シンプルなものがいいでしょう。犬が覚えやすく、飼い主さんも呼びやすいです。とはいえ、しつけやトレーニングで使う言葉に似た響きの名前、身近な人や犬の名前に似た響きの名前は、やはり混乱してしまうので避けたほうがいいでしょう。
NG知識②名前を呼んでも無視するのは、飼い主を下に見ているから
前は愛犬の名前を呼ぶと飛んで来ていたのに、最近はいくら名前を呼んでも知らんぷり。そんなとき、「飼い主を下に見るようになった」と、考える飼い主さんは少なくないでしょう。しかし、犬と人との間に上下関係はないという説もあるので、上下関係が逆転したと考えるよりも、愛犬が「名前を呼ばれると嫌なことが起こる」と思っている可能性はないか考えたほうがいいかもしれません。
飼い主さんに名前を呼ばれたのでそばへ行ったら、嫌いなシャンプーや爪切りをされたり、叱られたりしたという経験があると、犬は名前と嫌なことを関連づけて覚えてしまい、名前を呼ばれても反応しなくなります。
名前を呼んだらきちんと反応するようにするには、「名前を呼ばれるといいことがある」と、愛犬に覚えさせることが大切です。名前を呼んでこちらを見たらほめておやつをあげる、犬にとって楽しいことをする前(散歩や遊びの前、食事を与える前など)に名前を呼ぶなどして、名前といいことを関連づけましょう。
もし、名前に嫌な印象を持つようなことをした覚えがないのに、名前を呼んでも愛犬が無視するようになったのなら、飼い主さんへの信頼度や愛情度が低下しているのかもしれません。忙しくてコミュニケーション不足などになっていないか、最近の生活を振り返ってみましょう。
NG知識③名前は変えてはいけない
名前を呼ばれたら飼い主さんに注目するというのは、犬のしつけの第一歩です。それなのに、愛犬がなかなか名前を覚えてくれなかったり、呼んでも反応しなくなってしまったりして困り果ててしまったときは、名前を変えてみるのも手です。
人の感覚からすると、一度つけた名前は変えてはいけない気がしますが、犬にとって名前とはコマンドのようなものです。最初につけた名前にこだわるよりも思い切って名前を変えて、一からやり直したほうがうまくいくこともあります。
もちろん、愛犬が名前に慣れ親しんでいるにもかかわらず、飼い主さんの都合で安易に変えるのはNGです。
まとめ
今回は、犬の『名前』にまつわるNG知識をご紹介しました。犬の名前について間違った知識を持っていませんでしたか?
愛犬が自分の名前を覚え、飼い主さんに名前を呼ばれたら反応するというのは大切なことです。名前を呼んで飼い主さんに注目できなければ、しつけを行うことはできません。ですから、飼い主さんが正しい知識で愛犬にいい名前をつけ、その名前にきちんと反応できるように導いてあげましょう。