犬が悲しい目をしてこちらを見ているときの心理
犬は人間ほどではありませんが、感情を表情に出します。悲しい目をしてこちらを見ることもあり、飼い主としては「どうしたの?」と心配になってしまいますよね。この場合、多くが不安や不満を感じています。ここでは、具体的にどのような心理状態なのかを紹介していきます。
1.構ってほしい
寂しいと感じているときに、悲しい目で飼い主のことを遠巻きに見る犬はとても多いです。この行動に出るまでのパターンは、その犬の性格によって異なります。
甘えんぼうな犬であれば、それまでにも何度か構ってアピールを行っており、それでも飼い主が構ってくれないため、寂しい、構ってほしいという気持ちを遠くから訴えているのです。
反対に甘えることが苦手な犬の場合は、そもそも構ってアピールをあまりしないことがあります。遠くから見つめることで、「飼い主さん、気付いて」と訴えていることが多いです。このタイプの犬の場合は、この視線に気付き、しっかりコミュニケーションを取ってあげることが大切ですよ。
2.飼い主のご機嫌をうかがっている
その日、飼い主の機嫌が悪い、イライラしている気がするなど、飼い主の声のトーンや行動、表情から感情を読み取り、飼い主のご機嫌をうかがっているときにもこのような表情を見せることがあります。
人間でも同じようなことがあるかと思います。叱られた子供が親の顔色をうかがっていることや、部下が上司の顔色をうかがうなど。自分に置き換えてみると理解しやすいのではないでしょうか。
こんなときは、ご機嫌をうかがっている相手から声をかけられると、一気に安心できますよね。犬も同じです。愛犬を不安にさせ続けないためにも、「どうしたの?」「こっちおいで」など、優しく声をかけてあげてくださいね。
3.何か不安なことがある
何か不安に感じていることがあるときにも、犬が悲しい目をして飼い主を見ることがあります。「不安だよ」という気持ちを目で訴えているのです。
この場合、不安要素として様々な要因が考えられます。自分の体に違和感を抱いているというときにも悲しい目をすることがありますが、そのようなときは飼い主の傍に近付いてくるはずです。
悲しそうな目をして、少し離れたところからこちらを見ている場合は、飼い主に関して不安なことがあるのでしょう。例えば、いつもとは違う匂いを纏っているなどです。たばこや香水、他の犬の匂い…様々な原因が考えられますので、一度その日の自分の行動、行った場所を振り返ってみましょう。
「悲しい目」は人間と共存する上で進化したもの
実は、今回ご紹介しているように、飼い主に対して悲しい目を向けるという行動、そしてこの表情は、人間と共存してきた過程で進化した技術であると、イギリスとアメリカで行われた研究で判明しています。
実は犬の祖先として考えられているオオカミには、このような表情を作ることはなく、その事実から見ても、犬が進化の過程で築き上げてきたものであると考えられています。
元々犬がここまで感情を表情に表せるようになったのは、人間と暮らすようになってからであると研究の結果明らかになっています。つまり、犬が感情を表情で表すようになった理由は、人間(飼い主)に感情を伝えることが目的であると考えられます。
また、「このような表情をすれば、こんな感情が人間に伝わる」ということも理解した上で行っている可能性が高いとも考えられているので驚きです。
この研究結果から見ても、犬は悲しい目を飼い主に向けることで、自分の気持ちに気付いてほしいと思っているということがわかります。その思いをしっかり飼い主が受け取ってあげることで、よりお互いの信頼関係が強まるのでしょう。
まとめ
いつも楽しそうに笑っている愛犬が悲しそうな目でこちらを見つめていると思わず、どうしたの?なにか嫌なことあったのかな?どこか痛いのかな?と心配になることがあります。そのときの状況によって犬の気持ちを理解できるようになっていきたいですね。