犬に『体罰』は絶対NG!起こりうる危険とやるべき叱り方

犬に『体罰』は絶対NG!起こりうる危険とやるべき叱り方

犬を叱る際、つい叩いてしまったという経験はありませんか。体罰を行い続けると、実は様々な危険が起こりうるのです。今回は犬に体罰をすることで起こりうる危険と正しい叱り方をご紹介します。

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犬に『体罰』はNG!

縄を見せる飼い主とそれを見る犬

一昔前まで、犬を叱るときにマズル(鼻先)を掴んだり、あるいは軽く叩くといった行為はよく見られました。この方法が効果的であると思われていたからです。

しかし、近年、このような体罰によって叱るという方法は、犬にとってあまり効果がなく、むしろ逆効果を生み出してしまうリスクがあることがわかっています。

体罰を受けた犬は、「これをしたから叱られた」と考えることなく、単に「怖い」という感情だけを持ってしまうため、しつけにはなっていないのです。また、中にはトラウマになってしまう犬も少なくありません。そのため、現在は犬を叱る際に体罰はNGとされています。

犬に『体罰』することで起こりうる危険とは?

診察される犬

では、犬に体罰を行うことで、具体的にどのような危険が起こりうるのでしょうか。様々なリスクが考えられますが、今回は特に多い3つの危険性を見ていきます。

犬の体に負担がかかる/怪我をする

まず最も多い危険として、犬の体に負担がかかってしまったり、子犬や小型犬の場合は、実際に怪我をしてしまう危険があります。

やはり叩いたり、エスカレートしてしまうと蹴る行為をする飼い主もおり、それにより足腰に負担がかかってしまったり、中には体罰を受けた箇所を傷め、骨折や打撲を負う犬もいます。特に子犬や小型犬は体が弱いので、怪我に繋がるリスクが高まります。

飼い主はしつけのためとして手加減していたとしても、実際にはかなりの力が加わっており、結果的に怪我に繋がる恐れは十分にあります。

飼い主を信頼できなくなる

先ほども少しお話ししましたが、体罰を受けた犬は「自分が悪い事をしたから」という考えよりも「怖い」という感情が先行します。そのため、体罰を受け続けると「飼い主=怖い」という印象がついてしまい、飼い主を信頼できなくなる危険も含んでいます。

しつけというのは、飼い主と犬が共存する上で、お互い快適に過ごせるよう、犬に人間側の生活スタイルに合わせてもらうために必要なものです。つまり、お互い幸せになるためのルールを覚える経過でもあるのです。

それにもかかわらず、体罰によって「飼い主は怖い」という印象を持ってしまったら、元も子もありません。信頼関係が崩れてしまうと、元に戻すことは難しく、犬もストレスを溜め続けることになります。

犬が攻撃的な行動を先にとるようになる

歯を剥き出す犬

体罰を続けることにより、「怖い」という感情から「飼い主から自分の身を守らねば」という意識が芽生える犬もいます。特に勇敢な性格の犬であれば、自分の身を守るために臨戦態勢をとる可能性は非常に高いです。

こうなってしまうと、飼い主が体罰を加えていないときであっても、飼い主が近付くだけで唸り声を上げたり、あるいは攻撃的な行動を先にとるようになります。

場合によっては、実際に噛みついてしまったり、威嚇するような行動をとるようになってしまうので、一緒に住むことが困難になってしまいます。

犬の正しい叱り方

犬を叱る女性

では、現在ではどのような犬の叱り方が推奨されているのでしょうか。主に2ケースの叱り方が主流となっています。1つ目は無視をする、2つ目は低く短い言葉で叱るという方法です。

1つ目の「無視をする」という方法は、飼い主に構ってもらうために悪い事をした場合に有効な叱り方です。これは話しかけたり構ったりはせず、目も合わせない、場合によっては同じ空間(部屋)から立ち去るなどの行動をとります。

そうすることで「これをしてしまうと、飼い主が構ってくれなくなる」「飼い主が立ち去ってしまう」ということを学習するので、次第に問題行動を繰り返さなくなるのです。

2つ目の低く短い言葉で叱るという方法は、犬にとって聴き取りやすく、ちょっとした怖さを感じさせる程度の言葉で叱ることで、効果的に「叱る」という行為を理解させることができるという方法です。

犬は長い文章を意味のある言葉として理解することができません。そのため、短い言葉(2~4文字程度)をハッキリ発する事が重要です。「ダメ」が最も使いやすい言葉です。

また、犬は人間の感情を表情と声のトーンから読み取ります。そのため、声のトーンはできるだけ低く、さらに表情は強張らせた状態で、しっかり犬の目を見て叱ることが大切です。そうすることで、「嫌だな」「怖いな」と感じ、次第に問題行動が減っていきます。

どちらも体罰より恐怖感は弱いので、必要以上の恐怖を与えずに叱ることができますよ。

まとめ

犬をしつける少年

いかがでしたでしょうか。犬は体罰によって言うことを聞くようになる事もあるかもしれません。しかし、それは恐怖に支配されているだけであって、本当の意味での信頼関係を築けたことにはなりません。むしろ崩壊してしまう恐れすらあります。

そのため、最後に紹介したような正しい叱り方で、愛犬の問題行動を減らす努力をしましょう。それでもなかなか改善されない場合は、ドッグトレーナーに相談するなどの方法も検討してみましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    20代 男性 匿名

    体罰はNGと言われていても未だにやられている犬がいるのが現状です。犬は支配ではなく共存、支え合って生きていく生き物です。問題を起こしてウザくなるのは解りますが生き物だから失敗はあって当然です。焦らずしっかりとした関係と躾をすれば必ず応えてくれます、支配された犬は不幸になりますし長くは生きれません。飼ったからには責任と覚悟、正しい知識を身につけ本当の信頼関係を築ければ犬を幸福にできます
  • 投稿者

    50代以上 女性 犬大好きさん

    ドックトレーナーですら、体罰を主として飼い主から犬を預かり訓練しているところが現在もあります。
    鎖を持ち上げ首や呼吸に負担をかけたり、電気首輪で感電させたり、直接殴ったり、蹴り上げたり…犬には恐怖しか与えていません。それが堂々とまかり通っている訓練、本当にやめてほしいです。
    この一見当たり前の様に思う情報がたくさんの飼い主、トレーナーに行き渡り、ひどい体罰で支配されているかわいそうな犬達が一匹でもいなくなる事を願います。
    犬は人間の親しい本当の良き友達です!
    間違った情報で飼育放棄に繋がっている場合もあると思います…
    一人でも多くの方々がこの情報を知り、かわいい愛犬との生活を有意義にそして最後まで責任と覚悟をもち、幸せに暮らしていって欲しいです。
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