子犬のしつけが重要な訳
家庭犬へのしつけは、成犬になってからも続くものではありますが、子犬の頃のしつけは、その後の性格を形成する物でもあるので、とても重要になってきます。
子犬の頃は柔軟性が高い時期
犬は子犬の時期から多くのことを学びます。また、様々な経験を柔軟に吸収できる時期でもあり、子犬の頃からしつけやトレーニングを開始することで学習能力も養われやすくなると言われています。飼い主さんと良好な関係を築くのはもちろん、社会性を身につけるためにも多くのことを学ぶのに重要な時期です。
犬の社会化期
犬は個体差はあるものの、生後3~12週齢くらいまでが社会化期と呼ばれるとても大切な時期。他の犬や飼い主さん以外の人間、また社会環境などに慣れていくため多くのことを経験し学ぶことが大切な時期です。そして、この時期が社会性を身につけやすい時期でもあります。
子犬を迎え入れたのであれば、まずは「愛犬の新しいお家」でもある、ご自宅の環境にしっかり慣れてもらってから、社会性を身につけるトレーニングを考えましょう。子犬のしつけは迎え入れた当日から開始するべきという声もありますが、新しい環境にやってきたばかりの子犬は不安な気持ちもいっぱいです。子犬のしつけに失敗しないためにも、子犬のしつけで絶対やってはいけないことをお伝えしていきます。
子犬のしつけで絶対やってはいけないこと3つ
叱るときに名前を呼ばない
ついやってしまいがちなのが、叱るときに愛犬の名前を呼んで叱ってしまうこと。飼い主さんがいろいろと悩み、愛犬のために決めた素敵な名前。そして愛犬もせっかく覚えてくれた自分の名前なのに、叱られるときに名前を呼ばれることで良くない印象を持ってしまいます。
自分の名前が呼ばれることは嫌なことが起こる前兆として学習してしまう可能性があるのです。犬の性格によっては、名前を呼ばれるだけで萎縮してしまったり、攻撃的になってしまったりなんてことも…。愛犬の名前を呼ぶときは、嬉しいことや楽しいことが起こるときに呼んであげましょう。
強い恐怖心を与えてしまうしつけ
何度教えても失敗する、イタズラを止めないなどの行動が続くと「もっとしつけを頑張らなきゃ」と思うかもしれません。しかし、犬を叩いたり、リードを強く引っ張ったりなど、力で押さえつけるような恐怖心を与えるしつけは決してしないでください。恐怖心を与えるしつけは人間に対して不信感を持ってしまいがちです。
イタズラをしたときに口元を掴んで叱るしつけ方のマズルコントロールも、仰向けの姿勢をとらせ抵抗しなくなるまで押さえつけるしつけ方も、非常に激しく嫌がる個体が多いのでお勧めできません。
もちろんストレスやトラウマになってしまう危険性が高いので、飼い主さんとの信頼関係が築きづらくなってしまいます。相手はまだまだ幼い子犬です。失敗が多く、一生懸命イタズラするのはごく普通のことでもあります。ダメなことをしたときに「叱る」ダメなことを止めたら「褒める」を繰り返し、焦ることなく学習してもらいましょう。
甘やかさない(しつけをしない)
犬は成犬になっても可愛いものですが、幼い子犬の頃の可愛らしさは特別なものがあると思います。小さな子犬に対し、しつけをすることが少し可哀想な気持ちになり、何でも許してしまってはいけません。極端に厳しく接してしまうのは、もちろん子犬に対して恐怖心を植え付けてしまいますが、甘やかしてしまうとわがままな性格になってしまうこともあります。
子犬は常に学習しています。甘やかせて子犬の要求に応えすぎると「要求すれば何でも願いが叶う」と学んでしまう可能性があります。オヤツが欲しいときや、お散歩に行きたいときに吠え続けて要求してしまうかもしれません。また、性格によっては気に入らないことがあると威嚇してきたり、トイレ以外の場所でわざとオシッコをしたりしてしまうなんてことも。
何をしても許してしまう、どんなときも要求に応えてしまうと威嚇や要求吠えなどの問題行動に繋がる可能性も否定できません。ダメなものはダメとしっかり教えてあげましょう。
まとめ
犬と生活するのであれば、愛犬の幸せ、飼い主の幸せ、周囲の方に迷惑をかけない、という3つのバランスが取れているのが理想だと思います。そのためには愛犬に人間社会のルールを学習してもらい、飼い主さんもルールを守ることが大切です。
子犬の頃にしっかりとしつけをするのは、社会や飼い主さんのためだけではなく、愛犬自身の幸せにも繋がることです。お留守番や他の犬や知らない人、生活環境の物音などに必要以上に苦手意識が強く怖がっていては犬もストレスを受け続けてしまいます。
犬にしつけをすることは「大丈夫だよ」「安心なんだよ」と言うことを教えることでもあり、愛犬の心の平穏に繋がるものだと思います。愛犬が成長してからも穏やかに過ごせるよう、子犬の頃のしつけを頑張ってみましょう。